海上自衛隊 佐世保基地 一般公開
2017.3.4

日付けが変わって3月4日。いよいよ行動開始です。余談ですが今回のホテルには今晩も宿泊予定なので荷物はそのまま部屋に置いて出発しました。軽装の方が動きやすいし。

日が昇り明るくなったので改めて周辺状況の確認
 
左画像は佐世保駅です。佐世保市は自分にとって初めての土地なので、GPSルート検索などは佐世保駅を基準地点として行動する事にしました。

右画像は「新みなと岸壁」と呼ばれるポートサイドテラスです。非常に広々とした場所で市民の憩いの場になってます。そして護衛艦もよく見えます。


佐世保市周辺の案内図
 
佐世保市(と言うか長崎県)って細かい島ばっかりなんだな!長野県人の自分から見るとまるで異国の地に見えます。島嶼間の往来が大変そう。

右画像は佐世保港の地図です。長崎県内の各島への定期船の船着き場や卸売市場、臨海公園などが整備されています。そして海上自衛隊やアメリカ海軍の基地も隣接してるので魅力的な場所となっています。
余談ですが可能ならば遊覧船(SASEBO軍港クルーズ)に参加したかったんですが、この時期は運休中(3月18日より運航開始)との事で今回は諦めました。次回佐世保に来た際には必ず乗ってみたいですね。


「T-AO-197 ペコス」              「AGS-5104 わかさ」

左に写ってる艦は「ヘンリー・J・カイザー級給油艦」の11番艦「ペコス」です。佐世保基地は米海軍基地が隣接してるので珍しい艦が見られますね。
スペックは全長206m、基準排水量9500t、満水排水量40700t、主機:ディーゼル×2基、航続距離19000km、乗員約113名という感じです。

右の艦は「ふたみ型海洋観測艦」の2番艦「わかさ」です。海底地形、潮流、海流、地磁気、水質など対潜戦の為のデータを収集する特殊な艦です。
調べてみると横須賀の「第1海洋観測隊」の所属ですが何故か遠く離れた佐世保に。もしかして対馬海峡辺りの海洋データを収集していたとか・・・?


「とから型巡視船」の6番船「PM26 きくち」が出航  (07:43頃)
 
海上自衛隊と海上保安庁、組織は違いますが艦船が出航する様子を見るのは楽しいものです。と言うか海保ってウォータージェットを装備した船が多いですね。
「きくち」のスペックは総トン数335t、全長56m、主機:ディーゼル(ウォータージェット)×3基、速力35ノット、武装:20mmバルカン×1基、就役は2009年です。


「こんごう」艦上で行われる自衛艦旗掲揚  (08:00)
 
海上自衛官にとっての1日の始まり、自衛艦旗掲揚です。海自ファンである自分も心の中で敬礼してました。「こんごう」の奥に見える艦は「AOE-424 はまな」です。上甲板の高さが違う艦が並ぶ光景が面白いです。
そして「こんごう」や「はまな」が停泊してる場所はアメリカ海軍佐世保基地の立神桟橋というエリアです。米軍基地なので一般人の入場・接近はほぼ不可能。望遠レンズで撮るのが精一杯かなー。


こんな感じで自衛艦旗掲揚の見学・撮影も無事に完了。ファミリーマートで朝食を済ませ、いよいよ今回のオペレーションの最重要目的地である佐世保基地へと向かいます。


隊員の宿舎とデイリーヤマザキ                                                   海上保安庁の船も多数停泊
 
基地の近くにデイリーヤマザキを発見。横須賀基地(船越)内の厚生センターにはヤマザキショップが、舞鶴基地の近くにはミニストップが在ります。長野県ではあまり見かけない珍しいコンビニばかりですね。

右の画像は「第七管区海上保安本部 佐世保浮標基地」です。今朝見かけた「きくち」や「あまみ」もここ第七管区の所属みたいです。海保の船以外にも海自の支援船である「油船25号型」なども並んでます。


南東方向から見た佐世保基地
 
基地の南東、県道11号方面から見た様子です。ほぉ〜、佐世保基地ってこういう地形なのか〜と一気に理解が進みます。この付近は干尽町という地域らしいですが、
とある海自ファンサイトの解説によるとこの干尽岸壁は基地に入出港する護衛艦を間近で撮影出来る絶好のポイントとの事です。今後機会があれば現地で粘って写真を撮りたいポイントですね。


それではいよいよ佐世保基地の一般公開へ参加です
 
佐世保基地は海上自衛隊と米海軍の共同使用であり複数の基地(岸壁)が存在してるのですが、一般向けへの公開が行われているのはこの倉島岸壁のみです。
見学のルールについては個人見学者は特に事前申請の必要は無し。当日に現地で身分証を提示し受付を済ませればOKです。舞鶴と同じく気軽に見学出来るのが嬉しいね。


佐世保基地・倉島岸壁の様子
 
これが佐世保基地か! 雰囲気としては舞鶴に似てるな!と思いました。敷地が広々としてる割に建物や設備が少なく、
今日は停泊中の艦船も数隻だったのでゆったりとした環境だな〜と感じたという意味です。ただ設備など細かい部分を見ると基地としての充実度は舞鶴を上回ってかなーとも感じました。

そして忘れてはならないのが本日は「こんごう」「あしがら」「はまな」等は米海軍基地内の立神桟橋に停泊中という事。更に通常なら「ちょうかい」「すずつき」「きりさめ」「じんつう」なども
佐世保基地に配備・停泊してるという事です。そう考えると佐世保基地の総戦力って凄いな! 第2護衛隊群の名は伊達じゃないな!


で、その第2護衛隊群の旗艦であり、今回の佐世保基地訪問における最大の目的である「DDH-144 くらま」の姿が見当たりません。
「さわぎり」の隊員さんにその点を尋ねると現在はドックに入渠中らしい。おっふぅ・・・ 何ともタイミング悪かったな・・・ 退役の為の準備中かな?
今回の「くらま」見学に備えて以下の様な晩年(2016年)の全国巡礼記録まで作成してたのに・・・ 本日見学出来ないという事は今後の見学は絶望的ですねー・・・

「DDH-144 くらま」の退役巡礼記録
日時寄港地
8月7日長崎県佐世保市
9月21〜22日鹿児島県鹿児島市
9月24〜25日宮崎県日向市
9月27日大分県別府市
9月29日福岡県北九州市
11月17日京都府舞鶴市
11月23日青森県むつ市
11月26日神奈川県横須賀市
12月3日香川県高松市
12月5日広島県呉市

まぁ、護衛艦は色々と忙しい存在なので仕方ありません。こういう事態も想定してたので潔く諦めましょう。それでは気を取り直して他の護衛艦の見学です。


「あさぎり型」の7番艦 「DD-157 さわぎり」

本日の広報担当艦で上甲板が一般公開されていたので乗艦させてもらいました。今日は特にイベント等ではない”普通の一般公開”なので他の客も少なくゆっくり見る事が出来ました。


前甲板、76mm砲、アスロックなど
 
「はつゆき型」の後継艦なので76mm砲やアスロックなどの基本的なレイアウトは同じですが、詳しく調べてみると変更された箇所も結構ありますね。艦橋構造物が1つ減って2層になった事とか実は大きな変更点です。
その他の大きな変化と言えば対空用レーダー。「はつゆき型」及び「あさぎり型」の1〜4番艦はOPS-14(ネット状)ですが、後期建造の5〜8番艦はOPS-24(プレート状)なのでを見た目のイメージが結構変わります。


第1甲板中央、左舷通路など
 
ハープーン発射筒の位置は「はつゆき型」では左右前方に向けたハの字型配置でしたが、「あさぎり型」では左右交互に交差したX型配置になってます。X型配置は現代護衛艦の標準的な搭載配置ですね。

そして「はつゆき型」及び「あさぎり型」の大きな特徴である屋根付き通路。ヘリ甲板(格納庫)が第01甲板レベルに位置してるので自然と屋根が出来るという訳です。個人的にお気に入りの場所です。


後部甲板、シースパロー発射機、再装填装置など
 
この辺も「はつゆき型」と同じ造りかな〜と思ってましたが、随分と仰々しい感じのシースパロー再装填装置が設置されています。後継艦として技術的な改良が施されてるんだなーと感心しました。

こうして上甲板の一般公開は終了。やはり実際に乗艦すると刺激&勉強になりますね。甲板を案内してくれた隊員様、どうもありがとうございました。この後は岸壁側から改めて艦を見学します。


艦尾

「はつゆき型」は特徴的な3段式甲板ですが、「あさぎり型」は第1甲板が艦尾まで延長されています。なので第2甲板が”屋根付き仕様”になってます。
昭和艦のこういう所が大好きですね。航海中にこの艦尾から海を眺めると楽しそう。平成以降の「むらさめ型」等はこういうスペースが無いのが残念。


ヘリコプター格納庫や艦橋構造物など
 
ステルス性と重量バランスを損なう巨大なヘリ格納庫、煙突とマストの配置が悪くFCSに悪影響を与えるなど何かと評判の悪い部分もありますが、個人的にはこのごちゃごちゃした複雑なデザインが結構好きです。


まだまだ現役で戦い続ける「さわぎり」

1990年に就役した本艦は今年で艦齢27年目。その経歴を調べるとリムパックや遠洋練習航海、災害派遣など様々な出来事を経験してきました。
隊員さんの話によると最近ソマリアに行って来たとの事です。2015年7月5日〜12月18日までの「第22次派遣海賊対処行動」の事だと思います。
艦橋周辺に追加装備された装甲板がその様子を物語っています。「あさぎり型」は艦齢延伸工事が決まっており、もう暫く現役で活動する予定です。


「DDG-172 しまかぜ」

「はたかぜ型」の2番艦として1988年に就役した本艦。就役当初は舞鶴に配備され、その後2007年に佐世保に転属となっています。
「はたかぜ型」の魅力は後部甲板にも5インチ砲を装備している点ですね。後方からの撮影でもカッコイイ絵になる所が素晴らしいです。

本日は「しまかぜ」は一般公開されていないので岸壁から見学です。(※3月25日に清水港で「はたかぜ」を改めて見学する予定です)
そして今年度における個人的な目標の1つが「はたかぜ型」を見学する事なので、とりあえずはこれで目標達成という事になります。


5インチ砲やOPS-11Cなどが配置された後部構造物

「はつゆき型」〜「あきづき型」など現在の一般的な護衛艦の後部構造物はヘリコプター格納庫として設計されているので、「はたかぜ型」のこのデザインは非常に個性的に見えます。
そして73式54口径5インチ砲(Mk.42)と対空レーダーのOPS-11Cは2017年時点で装備してるのは「はたかぜ型」のみというとても貴重な装備です。


5インチ砲(52番砲)                                                          OPS-11C
 
後部甲板に装備された73式54口径5インチ砲。現代の護衛艦で前後甲板にそれぞれ主砲を装備してるのは「はたかぜ型」のみであり、貴重なレイアウトと言えます。

後部構造物にはCIWSやFCS-2等の各種装備が搭載されています。それらの中で一際目立つのがこの”2次元”対空捜索レーダー 「OPS-11C」です。黒い横長の格子状のレーダーですね。
「対空レーダーなら既にマストに装備されてるけどそれとは違うの?」と思いましたが、調べてみるとマストの”3次元”対空レーダー(AN/SPS-52C)を補完するのがこの「OPS-11C」だそうです。詳しくは後述。


艦橋構造物、煙突、3次元レーダー、ミサイル射撃指揮装置など
 
全体的には昭和の護衛艦らしく「はつゆき型」や「あさぎり型」に類似するデザインですが、艦橋直上に2基並んだミサイル射撃指揮装置(Mk.74)などがミサイル護衛艦(DDG)らしいシルエットとなっています。


前甲板
 
主兵装であるMk.13 ミサイル・ランチャー、上甲板より1段高い位置に搭載された5インチ砲、艦首に装備されたブルワーク(波避け)などこれまた個性的なデザインとなっています。


5インチ砲(51番砲)                                                          Mk.13 ミサイル・ランチャー
 
「はたかぜ型」の主砲である5インチ砲。上述の通り「はたかぜ型」は5インチ砲を前後甲板に装備しており、区別の為に前甲板の砲を51番砲、後甲板の砲を52番砲と呼んでいるみたいです。
そして「しまかぜ」の5インチ砲と言えば2015年の観艦式において祝砲を発射するという名誉ある大役を務めました。来年行われる予定の平成30年度観艦式でもまた撃つかも知れませんね。

そして「はたかぜ型」の大きな特徴であるMk.13 ミサイル・ランチャー。今回は停泊中なので模擬弾等は装填されていませんが、装填ガイドレールの形状などを観察できる中々貴重なカットです。


AN/SPS-52                                                        Mk.74 ミサイル射撃指揮装置
 
マスト上には”3次元”対空レーダー「AN/SPS-52C」を装備しています。そして後部構造物には補完用途として”2次元”対空レーダー「OPS-11C」を装備しています。

3次元レーダーは方位・距離・高度の3種類を計測、2次元レーダーは方位・距離の2種類を計測します。当初は「何で異なる2種類のレーダーを装備してるの? 1種類で全て対応出来ないの?」とか思いましたが、
調べてみると「はたかぜ型」及び先代の「たちかぜ型」が建造された1970〜80年代の護衛艦は2次元レーダーが標準であり、高性能な3次元レーダーはミサイル護衛艦など特別な艦にのみ装備されていたらしい。

自分が海上自衛隊に興味を持ち始めた2000年代には「こんごう型」や「むらさめ型」が既に存在し、AN/SPY-1やOPS-24等の3次元レーダーが標準化してたので「レーダーは3次元が当たり前」という認識でした。
なので「はたかぜ型」は3次元と2次元の異なるレーダーを混載している、「はつゆき型」等は未だに旧式の2次元レーダー(OPS-14)で頑張ってるなどレーダーの歴史に関する再発見があり有意義な見学となりました。

右画像はミサイル射撃指揮装置のMk.74です。Mk.13 ミサイル・ランチャーから発射されたSM-1(艦対空ミサイル)はこのMk.74によって目標まで誘導されます。「はたかぜ型」はこの誘導装置を2基装備しています。
射撃指揮装置1基につき1発のミサイルを誘導するので「はたかぜ型」の同時迎撃能力は2目標(使い方や状況によってはそれ以上)と言われています。「こんごう型」が就役するまでは最高レベルの対空迎撃能力でした。


海上自衛隊におけるミサイル護衛艦の歴史を綴る「しまかぜ」

本日は「しまかぜ」の一般公開は行われておらず岸壁から見学したのみですが、個性的かつ貴重な装備が満載の艦であり大変有意義な見学となりました。
海上自衛隊におけるミサイル護衛艦(DDG)の歴史を振り返るキッカケとなりました。3週間後には清水港で1番艦「はたかぜ」を改めて見学する予定です。

「さわぎり」も「しまかぜ」も既に結構な老艦ですが、国際情勢や防衛の都合で退役が許されず艦齢延伸しながら現役続行してるのが現実です。
そして両艦の乗組員も多忙かつ緊迫した日々を送っていると思います。海自ファンとしては艦と乗組員が無事故で過ごせる事を願っています。


「AMS-4303 あまくさ」
 
「ひうち型」多用途支援艦の3番艦「あまくさ」です。艦名の由来は長崎県南部の天草灘なので佐世保基地にピッタリの艦ですね。休日にも関わらず乗組員が仕事熱心にペンキ塗りしてました。


アメリカ海軍・立神桟橋に停泊する海上自衛隊の護衛艦

現在自分がいる倉島岸壁の西に位置するアメリカ海軍・佐世保基地の立神桟橋の様子です。写真撮影時は「こんごう」「はまな」「あしがら」が停泊中でした。
立神桟橋はアメリカ海軍の基地内にあるのでこれらの艦船を間近で見学する事は困難です。(今回はシーズンオフでしたが)見学は遊覧船がオススメらしい。

佐世保基地は日本国内のアメリカ海軍基地(軍港)としては横須賀に次ぐ規模かな? 本日は不在でしたが強襲揚陸艦「ボノム・リシャール」等が有名です。


倉島岸壁を東西から見た様子
 
「佐世保基地は雰囲気が舞鶴に似てる」と言った理由の1つがこの長大な岸壁です。デジタルマップで測量すると直線距離で約400mあり、舞鶴基地の北吸岸壁(約900m)には及ばないものの結構な長さとなっています。


厚生センターから見下ろした倉島岸壁
 
倉島岸壁内にある厚生センターは小高い丘になっており護衛艦を見下ろす様に眺める事が出来ます。写真では見切れてしまってますが「しまかぜ」の後部ヘリ甲板などもバッチリ見学出来て何気に良いポイントでした。


厚生センターで買い物
 
基地&艦艇の見学を終え最後は厚生センターでショッピングです。今回の見学に関係した艦のグッズが欲しかったので「さわぎり」「しまかぜ」「くらま」の識別帽を購入。他には隊員さん向けの制服とかも売ってました。
こうして時間ギリギリまで佐世保基地見学を堪能させてもらい10:50頃に退場。基地内をネコが散歩してたりと終始穏やかな見学でした。(と言うかドコから侵入したんだこのネコ。もしやアコースティック・キティか?)

人生初の佐世保基地見学は新しい発見と興奮に溢れた素晴らしい体験となりました。佐世保基地の皆様、どうもありがとうございました。


佐世保基地上空で見かけたヘリコプターなど
 
左はドクターヘリ仕様のユーロコプター・EC135ですね。右はシュワイザー・300という機種らしい。過去には陸上自衛隊で「ヒューズ・TH-55」として運用されており、現在では民間向けの改良型が販売・飛行してるみたい。


ランチは佐世保バーガー
 
基地見学を終えて新みなと岸壁に戻ってきたのでランチにします。メニューはご当地グルメとして名高い佐世保バーガーです。佐世保バーガーを食べられるお店は何店もあり、ドコにしようか迷ったのですが
”ブレイブウィッチーズの主人公と同じ名前”という理由により「ヒカリ」の佐世保バーガーに決定。手作りの温かみが感じられるご当地グルメを晴天の下で海を見ながら食べる。これはもう最高のランチですね。


美味しいグルメを狙う野生のハンターが登場
 
その美味そうなバーガーをよこせニャァァン!と鋭い爪で襲いかかってきたり、食べ終わったらゴロ寝してご馳走様でしたニャン♪というポーズを取ったり。畜生め、可愛いは正義か!



海上自衛隊 佐世保史料館(セイルタワー)

美味しい佐世保バーガーを食べた後は次の目的地である「海上自衛隊 佐世保史料館」へ向かいます。現在位置(佐世保駅)から結構離れた場所に在るのでバスで向かいます。


佐世保史料館や旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館など
 
佐世保史料館に向かう途中で見つけた歴史情緒が漂うこの建物。1923年に「海軍佐世保鎮守府凱旋記念館」として建てられ、現在は市民文化ホールになっています。
そして看板には旧日本海軍の佐世保鎮守府が日本遺産に指定された事を祝うメッセージが掲げられています。今後機会があれば佐世保鎮守府も見学したいですね。


海上自衛隊  佐世保史料館(セイルタワー)
 
12:40頃に佐世保史料館に到着です。広島県の呉史料館(てつのくじら館)と並び海上自衛隊の歴史を紹介するとても有意義な史料館です。
開館したのが1997年なので呉史料館(07年開館)よりも長い歴史があります。建物は独特なデザインとなっており、ガラス面は青く広大な海原を、屋上部のアーチは帆(セイル)を表しているそうです。
手前の2階建ての豪華な造りの部分は旧海軍時代に将校向けの宿泊・福利厚生施設だった「佐世保水交社」の建物の一部を再利用しているそうです。旧時代の海軍と新時代の海自が共存してますね。

そんな佐世保史料館ですが館内は撮影禁止となっています。てつのくじら館が史料館内は勿論、「あきしお」艦内まで撮影OKな事を考えると随分とルールが厳しいです。理由は色々あるでしょうが
海上自衛隊の歴史と伝統を重んじる史料館なので、厳格な姿勢と態度で見学に臨んで欲しいという事なのかもしれません。靖国神社の遊就館みたい。

という訳で受付のロッカーにカメラを預けて見学に臨んだ訳ですが・・・ 手書きのメモ帳を持参するべきだったと後悔しました。(2回目)
自分のホームページ制作の過程は現地で何百枚も写真を撮影し、家でじっくり細部までチェックし、更にネットで情報を追加収集し考察するです。
今回みたいに写真撮影禁止だとかなり厳しい所であります。「本当のファンならば目で見た光景を脳裏に焼き付けろ!」と言われればその通りですが、恥ずかしながら自分の記憶力では限界がありまして・・・

という訳で今回の見学で個人的に強く印象に残ってる事やスマホへの断片的なメモを元に簡単に感想をまとめてみました。画像が無いので文字ばかりですがどうぞご覧下さい。

佐世保史料館は7階建て構造になっており、エレベーターで最上階まで上がった後に順次下りながら見学していくスタイルです。(余談ですが一部が改装工事中となっていました)
階層          主な展示物など                                    個人的な感想
7F・展望ロビー

・映像ホール
   上映作品「5つのスピリッツ」「波とうを超えて」

・陶板画
・最上階が展望ロビーになっており佐世保基地(立神桟橋や倉島岸壁)や自衛隊佐世保病院を高い位置から見学する事ができます。
 ※ただし眼前に西九州自動車道が通っており景観が遮られてしまうのが難点です。
 展望ロビーからの景色のみ写真撮影OKと言われたのでスマホで撮ったのですが、綺麗に撮れてないので画像掲載は見送りました。

「DEEP BLUE SPIRITS 〜海上自衛官 5つのスピリッツ〜」というプロモーションビデオが素晴らしい内容でした。
 「決断」「信念」「挑戦」「団結」「情熱」という5つのテーマに分かれ、自他共に厳しい姿勢で任務に当たる「あしがら」艦長、
 領海侵犯の監視に眼を光らせるP-3Cの搭乗員、男性にも負けじと厳しい訓練に挑む女性自衛官、
 抜群のチームワークを誇るLCAC(くにさき)のクルー、多数の資格・技能を有し”スーパーマン”と呼ばれる航空士など
 海上自衛隊の各部門で責任と誇りを持って任務に就くプロフェッショナルの姿を紹介した素晴らしいプロモーションビデオです。
 ここだけのオリジナル上映作品という訳ではなく、海上自衛隊公式PVとしてYouTubeにもアップされているので是非ご覧下さい。
6F・海軍の軌跡 T
   「徳川幕府海軍から明治海軍へ」
・ペリー艦隊の来航(1853年/嘉永6年)、勝海舟らによる咸臨丸での太平洋横断(1860年/万延元年)などが紹介されていましたが
 自分にとってはあまり興味の無い分野だったので軽く見学しただけでスルーしてしまいました。ごめんなさい・・・
5F・海軍の軌跡 U
   「日清・日露戦争時代の日本海軍」
・記念艦として有名な「三笠」の武勇伝、日露戦争においてバルチック艦隊に華麗に勝利した日本海軍などが紹介されています。
 そしてこの辺も自分にとってはあまり興味の無い分野なのでスルー。申し訳ない・・・
4F・海軍の軌跡 V
   「太平洋戦争時代の日本海軍」
・20世紀最大の戦争であり古今東西の海軍ファン、戦史ファンからも人気の高い第二次世界大戦(太平洋戦争)のコーナーなのですが
 自分が関心があるのは戦後の海上自衛隊なのでこの辺もじっくりは見学しませんでした・・・ 本当に申し訳ない・・・

・大戦中の大日本帝国海軍は現在の海上自衛隊の前身とも言える存在なので本来なら勉強しなければならない分野なのですが、
 錯綜する各国の思惑、広範囲に及ぶ海戦エリア、複雑な戦闘記録、多種多様な軍艦などあまりにも情報が膨大で覚えきれません・・・

・これら展示物の中で個人的に印象に残ったのが太平洋を中心として主要な海戦場所を解説した巨大ジオラマです。
 それぞれの海戦ごとに解説VTRが流れており、映像と地図(模型)の相乗効果により比較的分かりやすい展示演出でした。
3F・海上自衛隊 T
   「我が国における海上防衛」
・創設期から現在に至るまでの海上自衛隊の歴史・組織・艦船・装備などが細かく紹介されています。
 なので戦後昭和〜現代の海上自衛隊が好きな自分にとっては非常に見応えのある展示内容となっています。
 特に昭和20〜40年代の海自に関する資料(写真、書籍、模型など)は貴重です。(世間一般では創設初期の海自は不人気っぽい・・・?)

・歴代の制服なども展示されており、護衛艦見学などの際に現役の隊員さんの服装と比較するのも楽しいです。(コスプレの参考にしたい)

・市販品の艦船模型は1/700スケールが主ですが、ここでは1/100スケールの艦船模型が数多く展示されており大迫力となっています。
 これら艦船模型の中で個人的に特に感激したのが戦後初の純国産護衛艦である「DD-101 はるかぜ」の模型です。
 現在の護衛艦の基礎を築いた記念すべき艦であると同時に、模型市場では殆ど見かけない非常にレアな艦船模型だからです。
2F・海上自衛隊 U
   「平時の海上自衛隊と史料閲覧室」

・操艦シュミレーター
・こちらは昭和後期〜現在までの海上自衛隊の組織編制や活動内容や各種装備品などが紹介されています。
 1分隊2分隊3分隊4分隊5分隊といった艦内の各部署(Division)、アスロックや76mm砲弾の精密模型(カッタウェイ)、
 艦内の食事で使用する凹凸ステンレストレー、南極観測任務の様子などここ20〜30年の海上自衛隊の活動や生活が紹介されています。
 艦艇や基地の一般公開などに極力参加し、リアルタイムで海上自衛隊を追いかけてる自分にとっては非常に勉強になるコーナーです。

・個人的にコレは面白い!と思ったのが「操艦シュミレーター」です。自動車教習所の運転シュミレーターみたいな機械があり
 ハンドルでの操舵、ボタンによる左右への視点切り替え、微速・原速・一戦速(3ノット刻み?)といった速度操作を行い艦を操縦します。
 この操艦シュミレーターの感想としては艦船は慣性エネルギーが強い&死角が多いです。
 例えば出航直後の最微速では速度が遅く舵も十分に利かないので我慢できずについ原速などに増速してしまいますが、
 そうすると数百メートル先の民間船が徐々に進路変更したり死角から小型船が接近したりと様々な危険が発生。
 慌てて減速(CPPリバース)するも車の様にすぐに止まれるはずもなくヒヤリハットするという場面が何度もありました。
 2008年に起こったイージス艦衝突事故の際に「最新鋭の艦なのに何で回避できなかったんだ!」みたいな声が多くありましたが
 結局、艦船を操縦してるのは人間であり100%安全な航海は不可能だと実感しました。
 また軍艦、民間船問わず艦船は死角が多いのでレーダーを過信せず見張り員(航海科)による肉眼での視認が重要だと再認識しました。
 ※ちなみに今回の操艦テストでは比較的優秀な成績を収めた為か終了後の評価で「艦長になれるかもしれません」と言われました。
 いやはや、とてもありがたい評価ですが自分には航海科は向いてないかなー。もし選ぶんだったら機関科がいいなーとか思いました。
1F・企画展示

・佐世保地方隊史料展示

・売店
・自衛艦の就役や退役、特別訓練などの際に製作される「記念楯」が壁一面に飾られ壮観な光景となっています。
 特に「たかつき型」「やまぐも型」「ちくご型」など既に退役し現在では存在しない艦型の記念楯は歴史的価値があります。

・72式魚雷(カッタウェイ)が展示されており複雑過ぎる内部構造を見学(撮影不可)出来ます。呉史料館にも同じ物が展示されてますが、
 あちらは薄暗い館内で見上げる様にしか見学出来ないのに対し、佐世保の方は明るい場所で間近でじっくり観察できるのでオススメです。
 
・売店にて「おうみ」と「佐世保史料館」の識別帽、さわぎりカレーを購入。販売してる識別帽は種類豊富でコレクターには嬉しい品揃えです。

こうして1F〜3Fの海上自衛隊コーナーを中心にじっくりと館内を見学。時計を見たら何と3時間半以上も見学してました。好きな事をしてる時の体感時間って短いですねー。

という訳で佐世保史料館(セイルタワー)の見学は終了。呉史料館(てつのくじら館)と並び海上自衛隊を紹介する史料館ですが、この両館を比較すると方向性が異なっており
掃海と潜水艦なら呉 海上自衛隊の歴史・組織・装備(水上艦)なら佐世保という感じでしょうか。

海上自衛隊の歴史を知る上で大変に有意義で価値ある場所だと思います。
数年後にまた見学に来たいと思ってるのでその時はよろしくお願いします。



※佐世保史料館は写真撮影禁止ですが、個人的には今後もこの方針を継続すべきだと思います。写真撮影をOKにすると色々とマナーが悪化する可能性があります。
自分も他人にあれこれ言えるほどマナーの良い人間ではありませんが、海上自衛隊の歴史と伝統を尊重したいと考えており、今後も真摯な姿勢で関わりたいと思っています。



佐世保基地 自衛艦旗降下


今回は「昭和の夕暮れ作戦」なので夕暮れ時(自衛艦旗降下)の護衛艦の写真を撮りたいと思い再び佐世保基地に戻ってきました。

事前に調べた情報によるとこの時期の佐世保市の日没時間は18:20頃との事。昨日は自衛艦旗降下に間に合わなかったので今日は早めにスタンバイです。


自衛艦旗降下 (18:20)
 
後部甲板にて自衛艦旗に敬礼する「さわぎり」と「しまかぜ」の乗組員たち。 ・・・う〜ん、残念ながら綺麗に撮れてませんね・・・ 夕暮れ時の撮影テクニックの向上が今後の課題かな。


本日の業務が終了

夜間灯などを点灯させ夜間停泊状態に移行。面白いのが「さわぎり」のヘリ格納庫です。シャッターを降ろしていかにも業務終了という状態になってました。


この後は佐世保駅周辺をブラブラしながら夕食を食べたりお土産を買ったり明日の電車の乗車券を用意したりして再びホテルにチェックイン。


夕食は長崎ちゃんぽん                                                           今回の戦利品
 
昨日は皿うどんを食べたので今日は長崎ちゃんぽんを喫食。ザク切りの大盛り野菜と太麺がボリューム満点な逸品。長野県内のリンガーハットでちゃんぽんや皿うどんをよく食べますが、やはり本場は別格ですね。

右画像は今回の佐世保基地訪問における戦利品です。自分が実際に乗艦した、もしくは間近で見学した艦の識別帽などを購入しました。他には長崎県らしいお土産としてカステラや九十九島せんぺいなども購入。

今日は色んな場所を見学して回ったので流石に疲れましたね・・・ ホテルが用意してくれた風呂にゆっくり浸かり、綺麗にメイクされたベッドで就寝です。よく体を動かして健康的な1日を過ごしたので熟睡出来ました。


長崎県・佐世保から広島県・呉へ
2017.3.5


「昭和の夕暮れ作戦」も3日目に突入。楽しかった佐世保観光もいよいよ終わりが近づきます。
 
佐世保市での現地滞在時間は約37時間でした。その間に佐世保基地や佐世保史料館などを見学し充実した時間を過ごしましたが、本当は他にも見学したい場所が山ほどありました。
例として佐世保教育隊、相浦駐屯地(水陸機動団が新編予定)、三菱重工 長崎造船所(DD-119 「あさひ」が艤装中)、
針尾送信所、長崎原爆資料館(平和公園)
等も見学したかったのですが時間的・場所的に無理だったので今回は諦めました。全部見るには3泊4日は必要かな。

ミリタリーも歴史観光も両方楽しむ事が出来る長崎県。たくさんの楽しい思い出をありがとう! 数年後にまた来るぜ!


それでは次の目的地である広島県・呉へ向かう準備です。佐世保から呉へは電車でGo!です。
鉄道旅行など殆ど行った事が無い自分が時間と予算を考慮しつつ考えたルートが以下の通り。

07:08  佐世保駅  出発  (特急みどり4号・博多行き)

09:03  博多駅   到着  弁当やお土産を購入

09:33  博多駅   出発  (山陽新幹線・のぞみ18号・東京行き)

10:34  広島駅   到着

11:00  広島駅   出発 (呉線・安芸路ライナー・快速)

11:33  呉駅    到着


運賃
・佐世保→広島市内(乗車券)   ¥6990
・佐世保→博多(自由席特急券) ¥1230
・博多→広島(自由席特急券)   ¥3340
合計 ¥11560+その他
知らない駅での乗り換え間違いを防ぐ為に有名な駅だけに限定して選んだルートですが・・・ これは果たしてどうなんでしょう?
ちょっと贅沢過ぎるルートな気もしますが・・・・ 鉄道ファン(乗り鉄)ならもっと効率の良い最善のルートを導き出すんでしょうね。


スタイリッシュな特急みどり4号                                                      九州縦断・味めぐり弁当
 
自分は電車にはあまり興味が無く、種類とかよく分かりませんが画像の「みどり4号」はスタイリッシュで格好いいですね。ツヤ消しグレーのボディが何か「ロボコップのパトカー」っぽいと思いました。

そしてみどり4号に乗車し博多駅へ。博多駅での滞在時間は30分ですが、駅構内で軽く迷ったりトイレに行ったり弁当やお土産(ひよ子や二○加煎餅)を買ってたら時間ギリギリで危なかった・・・

次は山陽新幹線で広島へ。後の予定の事を考え10:00頃に昼食にしました。「九州縦断・味めぐり弁当」です。九州7県の自慢料理が彩り豊かに詰められた逸品。旅が楽しくなるお弁当ですね。


「佐世保市 探索編」に戻る                           「呉基地 紹介編」に進む

イベント一覧へ戻る