練習艦「やまゆき」 一般公開
2016.7.16

ここ数年ですっかり定番となった感のある夏と海と車中泊と護衛艦を楽しむ旅

今年の目標の1つが「はたかぜ型」を見学する事です。そこで「はたかぜ型」の一般公開予定を調べると
2番艦である「しまかぜ」が7月17〜18日に新潟市、7月23〜24日に高岡市で公開予定だったので
新潟か富山、どちらかに行こうと計画を練っていたんですが、部隊の都合か両方とも一般公開が中止に。

なので慌てて他の地域・護衛艦の一般公開情報をチェック。色々調べた結果、7月16日に石川県金沢市にて
「港フェスタ金沢」というイベントが開催され、そのイベントの一環として「練習艦やまゆき」が公開される事が判明。
5月の舞鶴・呉旅行でも述べた通り2016年現在稼働している「はつゆき型」は5隻のみで艦齢的に退役が近く、
なるべく近い内にその勇姿を写真に収めておきたいと考えていたので今回は「やまゆき」を見学する事にしました。

今回のルートとしては前日15日の早朝(出勤前)に車に荷物を積み込んでおき事前に準備。
そして勤務終了後に近所の温泉で入浴して20:35頃に出発。途中で食事を済ませつつ
国道148号を北上、糸魚川市まで出たら国道8号を西進し金沢市に向かうルートです。
目的地である金沢港・戸水埠頭には04:50頃に到着。移動距離は約290km、約8時間でした。
(※ちなみに今回は予算節約の為に高速は一切使わず全て一般道のみというルートでした)
・・・どう考えても時間がかかり過ぎですね。出発時間が遅かったのと高速不使用だった事もありますが
途中で何度も中途半端に休憩(仮眠)したのが原因です。ここ最近夏バテ気味で疲労感が半端無くて・・・

金沢港・戸水埠頭に接岸中の「練習艦 やまゆき」 (05:00頃)

本来なら深夜(2〜3時)に夜間灯を点けた状態を撮影したかったんですが到着の遅れで普通の早朝撮影に。

余談としては付近に海上保安庁の巡視船である「えちご」や「はくさん」が停泊してました。詳しくは後述。


「港フェスタ金沢2016」の会場の様子

イベント開始前に撮った写真なのでお客さんが写っておらず寂しい状態ですが、日中は結構賑わってました。


イベントのスケジュールなど

自分としては「やまゆき」が目的だったんですが、イベント主催側としては金沢港をアピールする事が目的であり、
港内の施設の紹介とか体験クルーズなどが組まれていました。同日開催のコマツの工場開放とかも面白そう。

と言うか海保の巡視船の体験航海があったのか!
事前に調べて申し込んでおけばよかった・・・


「やまゆき」の公開は1000から開始なのでそれまでイベント会場を散策。
商業港ならではの面白い施設・光景ばかりで結構楽しめました。詳細は後述。


それでは改めて「TV-3519 やまゆき」を紹介

全長130m、基準排水量3100トン、はつゆき型の8番艦として1985年に就役、2016年に練習艦に種別変更。

「やまゆき」の姿を見るのは5月4日の呉基地以来ですね。あの時はまだ艦番号が129でした。
ちなみにここ最近の「やまゆき」の公開スケジュールを調べてみると7月9〜10日に島根県浜田市で一般公開、
7月22〜24日に北海道釧路市で一般公開という感じ。最前線を退いた艦故か比較的一般公開が多めです。


開会式典?

海上自衛官と言えばスタイリッシュな白い制服! 海自の制服は何種類もあり、これは「第3種夏服」という物です。
海自ファンとしては整列してる隊員さんの階級も気になる所。調べてみると海士長〜1等海尉まで様々です。

画像中央の女性は自衛官ではなくタレント(?)らしい。1日艦長に任命されてました。

この開会式典の後に一般見学者向けの説明があったのですが、そこで驚愕の事実が判明。
本日の見学は上甲板のみとなります。ご了承下さい。
ほあぁぁ!? 第1甲板のみとかマジか(絶望)
それって全然艦内を見学できないじゃん・・・・

これは結構ショックでしたねー。個人的には艦橋とかヘリ格納庫とか見たかったんですが・・・


という訳で大幅にテンションダウンしてしまいましたが折角来たので気を取り直して見学開始。

まずは艦の外見をチェックしていきましょう。艦橋構造物。

いかにも昭和の設計らしいスッキリしない野暮ったいデザイン。でもそれが好きです。護衛艦の艦橋構造物は
伝統的に似た様なデザインが継承されますが、その時代ごとに設計思想に差異があるので実は結構違います。

例えば現代の護衛艦隊の主力である「むらさめ/たかなみ型」と「はつゆき型」を比較すると、
「むらさめ/たかなみ型」はCIWSは艦の前後に配置、アスロック発射機はVLS式となってますが
「はつゆき型」はCIWSを艦の左右両舷に配置、アスロック発射機は旋回ランチャー式で
更に艦橋直下に予備弾庫を備えているなど時代ごとの設計思想があり面白いです。

そのアスロック予備弾庫の側面(救命筏の前方)に4つの丸い蓋がありますが、実はこれは爆風抜きです。
もしもアスロック予備弾が誤爆した際にはこの丸い蓋が開口し、爆風を逃がしてダメージを軽減させるらしいです。


マスト

マストは艦で最も高い位置にあり、戦闘艦としての設計・運用的に重要な場所なので各種電子機器が満載されています。
一番目立つ大型の湾曲した装備は対空レーダーの「OPS-14B」。三菱電機製で探知距離は200km以上との事。


FCS-2-21A

正式名としては「81式射撃指揮装置2型-21」でしょうか。一般的には「艦橋の上に載ってる白い皿状のモノ」とも。
用途は艦首の76mm砲の管制です。この射撃指揮装置と76mm砲は連動しており、共に同じ動きをします。


CIWS

火器マニアとしてやっぱり気になるのはCIWSことファランクス(高性能20mm機関砲)です。
ファランクスにもいくつかのバリエーションがありますが、これは一番古いタイプ(Block1)ですね。

注目すべきは配置場所です。はつゆき型のCIWSは左右両舷に並んでいます。
個人的にはこの配置が凄くカッコイイ!
戦闘艦は縦に長い乗り物なので武装の配置は前後(タンデム)になる事が多いんですが、
「はつゆき型」はCIWSが左右対称(シンメトリー)に配置され独特の設計美があると思います。


ガスタービンエンジンの排気口(煙突)など

外見からは分かりづらいですが「やまゆき」の特徴として上部構造物が全て鋼製で建造されている点が挙げられます。
1982年に就役した1番艦の「はつゆき」は排水量低減の為に上部構造物の多くがアルミ合金製でしたが
他国海軍で起こった事故(1975年のベルナップ衝突事故、1982年のシェフィールド沈没事故)により
アルミ合金製の構造物は耐熱性に問題があるという事が明らかになり、各国海軍は対応(設計変更)を検討。
「はつゆき型」も途中から設計が変更され8番艦の「やまゆき」より上部構造物が全鋼製となりました。


左舷後方から見た上部構造物(ヘリ格納庫、煙突、マストなど)

各種装備がギッチリと配置され、目を凝らして見ないとどこに何があるのか分からない凝縮ぶり。
平成の「むらさめ型」などと比べると洗練されておらず、如何にも昭和チックなデザインですがそこが好き。


左舷後方から見た艦全体像

やはり目を引くのは「はつゆき型」の最大の外見的特徴と言える3段式甲板です。
ヘリ甲板が設置された第01甲板、上甲板とも呼ばれ階層の基準となる第1甲板、
そこから1段下がった艦尾(第2甲板)と並んでいます。


艦尾

上甲板より1段下がった特徴的な艦尾。どうやら「離着岸作業用のスペース」らしいです。


ヘリコプター格納庫

本日はヘリ格納庫の見学は不可能なので岸壁から撮影。通常では対潜哨戒ヘリコプターを1機搭載し運用します。
と言うか護衛艦時代はヘリを運用してたと思いますが、練習艦となった現在はヘリの搭載・運用って行ってるのかな?


それではいよいよ乗艦です。

2016年4月27日に練習艦に変更されたばかりなので、舷梯を覆う「練習艦 やまゆき」の幕が目新しいです。


左舷通路

毎度の事ですが「護衛艦の甲板に上がった際に足の裏で感じる金属の感触」が好きですね。
金属製の甲板なので当然がっつり安定してるんですが、艦船そのものは海面に浮かび揺れている。
この安定感と揺れが融合した独特の感覚が護衛艦という特別な世界を実感させてくれます。


ガスタービンエンジン(高速用:オリンパスTM3B)の吸気口

「はつゆき型」の機関の特徴としては海上自衛隊の護衛艦として初のオール・ガスタービン推進を採用した事です。

「はつゆき型」以前の護衛艦はディーゼルや蒸気タービンなど様々な主機(エンジン)を搭載し運用されていました。
しかしディーゼルや蒸気タービンは本体重量が過大、出力が低い、始動に時間がかかるなどいくつかの問題がありました。
そこで新時代の主機として小型軽量で高出力なガスタービンエンジンが各国海軍で採用され始め、海上自衛隊でも
1980年代よりガスタービンが段階的に採用されディーゼルと組み合わせて(CODOG方式)運用され始めました。

そしてディーゼルから完全に脱却しオール・ガスタービン化を果たしたのが「はつゆき型」です。
主機のオール・ガスタービン化は現代の護衛艦では常識となっている構成なので
「はつゆき型」は海上自衛隊の護衛艦史におけるエポックメイキングな艦となりました。

主機配置はCOGOG(COmbined Gas turbine Or Gas turbine)と呼ばれる方式で
高速用のガスタービン「ロールス・ロイス製オリンパスTM3B」(22500馬力)×2基、
巡航用のガスタービン「ロールス・ロイス製タインRM1C」(4620馬力)×2基
合計4基のガスタービンエンジンを搭載しこれらを状況に応じて使い分けて運用します。

注意したいのがCOGOGは高速・巡航用の2種類のエンジンを”切り替えて”使う構造であり
2種類(4基)を同時に接続・稼働させる事は出来ないという点です。

※ちなみにCOGAG(COmbined Gas turbine And Gas turbine)という方式もあり
コチラは全てのエンジンを接続しフルパワーで稼働させる事が出来ます。


艦橋構造物・左舷側通路

う〜ん、特に目立ったコメントは無いかな〜。強いて言うなら側壁に装備された膨張式救命筏。
左舷側に4つ装備されているんですが2・4・6・8と偶数番号が付けられています。
それに対して右舷側の救命筏は1・3・5・7と奇数番号になっています。
海自は艦内の区画や装備の番号割り当ては右側から数えるとかそんな感じ?


艦首からの光景

76mm砲を先頭にアスロック発射機、艦橋構造物と並ぶ昭和の護衛艦の見慣れた光景。
この光景(船体デザイン)を見られるのもあと何年でしょうか・・・ しっかり記憶に残したい。


艦首

特に目立った特徴が無い標準的な艦首部・・・かと思ってたんですが調べてみるとそれなりの特徴がありました。
1966年に就役が開始された「やまぐも型」など当時の護衛艦では船底に装備するソナーの場所の関係で
「主錨は艦首に1本のみ」という艦が多かったらしく、そんな中で左右両舷に主錨を装備した「はつゆき型」の登場は
新時代の護衛艦としての印象を与えたらしいです。主錨の位置で見る護衛艦の歴史も面白いですね。


74式ロケット・ランチャー

護衛艦における対潜装備としてお馴染みのアスロックを発射する為のランチャーです。
海自での正式名称としては「74式ロケットランチャー Mk112(J)Mod2N」とも呼ばれ
護衛艦への搭載の歴史としては1966年就役の「やまぐも型」から装備・運用されてます。

アスロック(ASROC)とは「nti ubmarine ROCket」の略で、短魚雷にロケットを組み合わせた対潜装備です。
射程距離についてはロケット部分が約11km、短魚雷が約6kmらしいので最大で約17kmくらいという事に・・・?

弾頭(短魚雷)はライセンス生産の「Mk.44」、もしくは国産の「73式短魚雷」らしいですが
73式短魚雷は2011年に運用が終了、2012年には全破棄されてるらしいので
現在装着されてる弾頭は「Mk.44」の後継である「Mk.46」とかでしょうか・・・?

写真の8連装の発射機本体は「Mk.112」と呼ばれ、後部の再装填機構も含めた全体の
システムとしては「Mk.16 GMLS」(Guided Missile Launching System)と呼ばれています。
この「Mk.112」ですが、実はアスロック専用ではなく
ハープーンも装填・発射可能らしいです。

おぉ・・・、意外と汎用性が高いじゃないかこのランチャー。より好きになったぞ。

74式ロケット・ランチャーに関しては「平成27年度観艦式 とね」でも紹介してるのでそちらもどうぞ。

かつては一般公開や体験航海でこのランチャーのデモンストレーションがよく行われてました。
グルグル旋回したり大きく仰角したり発射カバーがパカッと開いたりと派手にパフォーマンスしてましたが
最近ではそういった光景を見る機会も減りました。近年はVLS方式がメインになってきており、
このランチャーもいずれ姿を消す運命なので今のうちにしっかりと記憶に残したいですね。


艦橋構造物

昭和の護衛艦らしい見慣れたデザインの艦橋構造物。窓が並んでるのが艦橋で階層的には第02甲板になります。
今回、艦橋の一般公開は実施されていませんでしたが護衛艦好きとしては是非とも艦橋を見たかったですねー・・・

艦橋直下、第1甲板前面に見える扉はアスロックの予備弾庫です。アスロックを再装填する際には
この扉が開いて再装填装置のレール(?)が出現、そのまま前方のMk.112ランチャーに再装填するみたいです。


右舷通路・ハープーン

現代の護衛艦にとって標準的装備とも言えるハープーン。護衛艦で最初にハープーンを装備したのは
1981年就役の「いしかり」ですが、次に装備したのが1982年就役の「はつゆき」でした。
なのでハープーン搭載艦としては最古参に分類されます。ハープーン装備の黎明期故か
「はつゆき型」はその搭載位置に特徴があり、斜め前方に向けられる形で装備されています。
斜め前方に向いてるという事は基本的に艦の進行方向にしか発射できないという事ですが
「はつゆき型」以降の護衛艦の多くが左右両舷に向けて交差させる形で搭載している事を考えると
この斜め前方に向けての設置方法は使い勝手が悪かったのかも知れませんね。


後方から見たハープーン

発射炎を反射させる為のリフレクターが目立ちますね。ハープーンの搭載数については本来なら
4連装キャニスターを使用しますが、本艦のハープーンの搭載数は片舷2発ずつの合計4発です。
護衛艦から練習艦に種別変更になり戦闘の可能性が低下したので兵装減少したとかそんなんでしょうか?
ただよく見るとリフレクターの付近に装着器具らしき部品が置いてあるので必要に応じて追加搭載可能っぽい。

※ちなみに最近の護衛艦のハープーン搭載状況としては5月の舞鶴の例を見ると
「みょうこう:6発」「ふゆづき:6発」「はやぶさ:3発」「あさぎり:0発」でした。


右舷通路・短魚雷発射管

コチラは場所的にはハープーンの真下に位置します。なのでもし何らかの理由でハープーンの
発射炎が甲板を突き破ったら短魚雷に引火・誘爆する可能性があるという地味に危ない場所。

しかしメリットもあります。見ての通りハープーンの設置スペースの甲板が
そのまま上甲板の屋根代わりになっているので日除け場所としても有効です。


68式3連装短魚雷発射管

艦載武装の中では比較的地味で注目される事は少ないですが、対潜装備としては十分な性能を備えた装備です。
元々はアメリカ海軍が開発した「Mk.32」という装備で1959年より艦船への搭載が開始。我が海上自衛隊も
当初は輸入品を搭載していましたが、後にライセンス生産に移行し「68式3連装短魚雷発射管」として正式化。
海自で最初に搭載したのは「うみたか型駆潜艇」及び「みずとり型駆潜艇」との事です。

製造期間が長い装備なのでいくつかの型式があり、はつゆき型に搭載されてるのは初期型の「HOS-301」、
あさぎり型以降は「HOS-302」、むらさめ型以降は「HOS-302A」、ひゅうが型以降が「HOS-303」という感じらしい。
「短魚雷発射管なんてそんなに重要な装備じゃ無いでしょ?」と甘く見ていましたが、意外と歴史と種類があるんですね。
※ちなみに製造元としては福岡県の渡辺鉄工という会社が作ってるらしい。

発射管の口径は324mmで使用する魚雷は「Mk.44」「Mk.46」「73式短魚雷」など。
最新型の「HOS-303」では「97式短魚雷」や「12式短魚雷」の使用が可能らしいです。


右舷通路

場所的には7.9m内火艇の真下です。相変わらず一般人には用途不明の機械や設備が満載ですね。
艦の側面から伸びてる湾曲したレールは内火艇を海面上まで移動させる為のガイドレールです。
そして写真中央の機械はその内火艇を吊り下げ・回収する為の電動ウインチとの情報が・・・?


上部構造物の後部にある”ちょっと特別な空間”

場所的にはヘリコプター発着甲板の直下くらいの位置です。私的にはココは”ちょっと特別な空間”と認識しています。
左右両舷を移動する為の通路的な場所ですが、縦幅×横幅が大きいのでスペースとして余裕があり風通しもまあまあ。
天井もあって直射日光も防げるし、場所的にガスタービンの鼓動も感じられるというファンにとっては中々の良ポイント。

自分は過去に「みねゆき」の体験航海に参加した事があるんですが、その際にはこの場所でよく休憩してました。


右舷後方の洋上受油装置

「はつゆき型」は艦の前後両舷、計4ヵ所に洋上受油装置を設けてるらしい。
ここからガスタービンの燃料である軽油(※他にも種類あり)を給油する訳です。


右舷後部通路

直上の01甲板がヘリ発着甲板になっている為、必然的に屋根が出来ています。なので日除けとしても有効。
この時代の設計思想故か「はつゆき型」やその改良版である「あさぎり型」はこういった「屋根付き通路」が特徴ですね。


上甲板(第1甲板)後端から見た光景

自分がいるのが上甲板(第1甲板)で、それより1段高い第01甲板にヘリコプター発着甲板が設けられています。
ヘリ甲板がこの様な高い位置になった理由としてはヘリの発着艦に際し波浪の影響を避ける為だったらしいです。
そしてシースパロー発射機がこの位置(上甲板)に設置された理由はヘリの離着艦への干渉を避ける為との事です。


ヘリコプター甲板後端及びシースパロー発射管制室

壁面に見える小窓はシースパローの発射管制室です。その横の大きな扉はシースパローの予備弾庫らしいですが
アスロック予備弾庫と違って控えめなデザイン。内部に大掛かりな再装填装置とかが入ってる風には見えませんが・・・

ただアスロックの重量は約490kgなので機械による装填は当然ですが、シースパローの重量は
約230kgとの事なので人力+小型の運搬装填装置とかで再装填が可能なのかも知れません。


ヘリコプター甲板及び格納庫

う〜ん、第1甲板からでは十分な撮影アングルが確保できないですね。飛行甲板と格納庫を見学したかった・・・
飛行甲板は全長25m、幅13.6mでヘリの発着艦を支援する為のベアトラップなどが装備されています。

艦載ヘリは当初は「HSS-2B」(シコルスキー S-61)でしたが、後に「SH-60J」に機種変更されました。

格納庫右上の白いレドームは「FCS-2-12A」と呼ばれる射撃指揮装置で主にシースパローの誘導を行います。
レドームで覆われた形状故に全く別の装備に見えますが、機能や型式的には艦橋直上に設置された
「FCS-2-21A」のバリエーションの1つです。レドームカバーのお蔭でスッキリしたデザインになっています。
右舷側に寄せられてますが、これはヘリコプターが左舷側から進入する際の視界を考慮した為らしいです。


シースパロー発射機「GMLS-3」

昭和の護衛艦の艦対空ミサイルとしてお馴染みの箱型8連装シースパロー発射機。第1甲板後端に設置されてます。
型式としては「Mk.29」だと思っていたんですが種類が違うらしく、1〜5番艦に装備されたのがアメリカ製の「Mk.29」、
6〜12番艦がイタリアのアルバトロス発射機をライセンス生産した「GMLS-3」(短SAM発射機3型)との事らしい。
「Mk.29」と「GMLS-3」は外見や性能が類似してて識別は困難。相違点はマウント形状らしい。ややこしいな。
でもわざわざイタリア版をライセンス生産したって事はそっちの方が何かしら優れた点があったんでしょうね。

昭和の護衛艦でお馴染みと書きましたが、本発射機を搭載した艦を改めて調べてみると
「はるな型」「しらね型」「はつゆき型」「あさぎり型」「たかつき型」の5種類のみでした。
もっと多くの艦船に搭載されてたかと思ってましたが意外と少ないです。昭和の護衛艦にとって
艦対空ミサイルの装備が如何にエポックメイキングな事だったかを物語っている気がします。
2016年7月現在で稼働してるのは14基(くらま×1・はつゆき型×5・あさぎり型×8)のみ。

平成以降の護衛艦(こんごう型やむらさめ型など)の艦対空ミサイル発射機はVLS方式になっているので
この箱型発射機もいずれは姿を消してしまいます。今の内にしっかりと記憶に残したい装備品ですね。


艦尾

乾舷が低く海面が近いのでダイレクトに海を感じられるであろう場所。
もし自分が乗組員だったら航海中にウェーキ(航跡)を見ながら黄昏たい。


夏の青空をバックに

これですよ、これ。夏の青空と白い雲、そして威風堂々たる護衛艦が並んだ構図が撮りたかったんです。


こんな感じで「やまゆき」の見学は終了。会場を後にしました。

自分が去った後も見学希望の長蛇の列が続きます。旧式艦とは言えやはり護衛艦は人気ですね。

正直に言ってしまうと今回の見学は不満が残るものでしたね・・・・ まさか第1甲板のみとは・・・
と言うか「はつゆき型」の第1甲板のみ公開って2014年の「まつゆき」見学と同じじゃないか。
(更に言うなら「まつゆき」の時の方が人が少なくて見学としては好条件だった)

それと記念グッズ(識別帽)の販売も期待してましたが、それが無かったのも残念でした。
今回のイベントは金沢港(商業港)の紹介がメインで、「やまゆき」はゲストという感じですね。
護衛艦をがっつり見たければこういうイベントではなく、海自主催のイベントの方が良さそうです。

※更に追い打ちをかける余談
苦悩と後悔の選択  「舞鶴サマーフェスタ」

同日7月16日に京都の舞鶴基地で「舞鶴サマーフェスタ2016」が開催されました。
実は舞鶴サマーフェスタにも興味があり参加すべきか真剣に悩んでいたんですが
舞鶴は遠い(片道400km)上に5月に行ったばかりだったので今回はパスしました。
でもそれが完全な失敗でした。
行かなかった事をすごくスゴイ後悔しました。
だって「あさしお」の一般公開があったから。

イベント告知ポスターに潜水艦の写真があったので「もしかして潜水艦が来る?」
という予想はしてたんですがまさか「あさしお」が来るとは・・・・ 
「はるしお型」の最終艦であり最後の涙滴型船体である「あさしお」。
2017年に退役予定であり、それまでに間近で見学しておきたかったので
今回の貴重なチャンスを逃したのは正に痛恨の極みです。

他にも舞鶴基地で艦艇の一般公開が行われたり、タグボートの体験乗船があったり、
第23航空隊のSH-60Kが派手に飛んだり、オリジナルドッグタグ製作があったりと
贅沢の極み過ぎる内容のイベントだったみたいです。

今回の不参加は本当に残念ですが今更嘆いても何も変わりません。
とりあえず来年の舞鶴サマーフェスタは絶対参加します!

・・・とまぁ、こんな感じで結構残念な結果になってしまった「やまゆき」見学ですが
「はつゆき型」を見学できた事には
やっぱり大きな意味がありました。

第1甲板のみとは言え久し振りに見学した「はつゆき型」。装備品を実際に触ったり
詳細な写真を撮ったりと何だかんだで有意義な体験と情報収集が出来ました
現在稼働中の「はつゆき型」は5隻のみで退役も近いと考えられます。
なのでもう1〜2回くらい一般公開に参加して艦内の写真とか撮りたいですね。



「やまゆき」見学については上述の通り。今回は「港フェスタ金沢」という金沢港のイベントなので
その辺についても紹介したいと思います。海上保安庁の巡視船なども公開されていました。

「つがる型巡視船 PLH-08 えちご」

1990年竣工、全長105m、常備排水量3652トン、主機関:ディーゼル(8000馬力)×2基、
主武装:エリコン35mm機関砲×1・20mmバルカン砲×1、速力23ノット、乗員69名。

海保の巡視船について調べてみたんですが設計思想や運用方法などが海上自衛隊と大きく異なっており
情報収集に苦労しました。下手に間違った情報を書いても悪いので紹介は軽めに済ませます。


左舷後方

立派なヘリコプター甲板を備えてますね。搭載機としては「シコルスキー S−76D」を運用してるらしい。

今回「えちご」は体験航海を実施していたので、本イベントで一番活躍した船と言えるかも。
500人の一般人を乗せ1時間の体験航海を2回行ったそうです。事前申し込み式だったので
当日の乗船は不可能でしたが、今後機会があれば海保の船も乗ってみたいですね。


「あそ型巡視船 PL-43 はくさん」

2006年竣工、全長79m、総トン数770トン、主機関:ディーゼル×4基、
主武装:ボフォース40mm機関砲×1、速力30ノット超、乗員30名。

1999年の能登半島沖不審船事件や2001年の九州南西海域工作船事件が発端となり建造された巡視船。
設計思想や運用状況などが「はやぶさ型ミサイル艇」と似ている船です。(排水量など船体規模は違いますが)


船尾

個人的に最も驚いたのがウォータージェット推進を4基も装備してるという点。
「ウォータージェット4基とか絶対速いわ!」と思って調べたら速力は30ノット超との事。
「はやぶさ型」(44ノット)に比べると意外と遅いですね。海保の運用基準的にはOKなのか?


「あそぎり型巡視艇 PC-104 かがゆき」

1997年竣工、全長33m、総トン数101トン、主機関:ディーゼル(2600馬力)×2基、速力30ノット

かつては「なおづき」という艇名でしたが途中から「かがゆき」に改名されたらしい。その「なおづき」時代の1999年に
能登半島沖不審船事件に遭遇。不審船に対し9丁の64式小銃で1050発も射撃したという衝撃の事実が判明。
あの歴史的事件に関わった戦歴の船という点は勿論凄いですが、個人的に(銃マニアとして)驚いたのが64式小銃での射撃。
1050発って凄いな。平均すると1丁辺り117発(弾倉約6個分)の射撃です。自衛隊員の年間射撃数を凌駕してるな。


「すずかぜ型巡視艇 CL-150 わしかぜ」

2008年竣工、全長20m、総トン数23トン、主機関:ディーゼル(910馬力)×2基、速力30ノット、乗員5名。

建造数160隻以上という量産記録を誇る巡視艇。これから沿岸のパトロールに向かう所でしょうか?


「リーチスタッカー」

海上コンテナを直接ホールドして積み降ろしする為の荷役機械です。リーチスタッカーは5月の岩国基地でも見ましたが、
こうして実際の作業風景を再現した様子を見ると断然理解が進みますね。ちなみにコチラの車両はイギリスのリンデ社の
モデルをコマツが代理店となって販売しているらしい。全長11.6m、全幅4.2m、自重73トン。90式戦車より重いのか!


海上コンテナへの荷物の積み込み

商業港らしくコンテナへの荷詰め(バンニング)が行われていました。世間では休日なのにご苦労様です。


金沢港の紹介

内陸県人の自分にとっては「港なんてどこも似た様な構造でしょ? 適当に接岸させればOK」みたいな
甘い考えがありましたが、こうして港湾の紹介図を見ると「港って合理性の塊なんだなー」と理解を改めます。

金沢港内には複数の埠頭があり、水深も異なるので接岸出来る船(積み荷)の種類も異なります。


貨物船の種類

自分の得意分野は戦闘艦なので貨物船って完全に専門外なんですが、輜重兵(輸送科・補給科)を名乗る以上、
多少は興味ある分野です。日本は完全な海洋国家であり資源や食糧の大部分を輸入に頼っている現実があります。
そして海自の重要な任務の1つがシーレーン防衛であり、日本の海上貿易を守る為に日々活動しています。
他にも「ましゅう型補給艦」や「おおすみ型輸送艦」を装備するなど日本にとって輸送・補給は重要な分野です。


船の航行を安定化させるメカニズム

フィンスタビライザーについてはコンピューター制御で揺れを感知・軽減させるといった仕組みは既知でしたが
ビルジキールの役割は今回初めて知りました。ただ船底に付いてるだけの細長い板かと思ってましたが
このビルジキールによって水流がはがれて渦ができ、船の揺れを50〜80%も抑えるらしいです。スゴイ!

何気に興味深かったのが船酔いのメカニズム。三半規管が関係してるというのは軽く知ってましたが
三半規管は回転運動を感知、耳石器は直線運動を感知、そこに視覚による映像情報が加わり
体感情報と視覚情報のズレによって船酔いが起こるらしいです。



こんな感じで「やまゆき」、海保の巡視船、金沢港などの見学を終了。11:40頃には金沢港を出発しました。

近所の海鮮市場で北陸の海の幸(カキ)を喫食

やっぱり新鮮な海の幸と言えばカキですね。栄養がたっぷり詰まったその身は夏バテに効きそう。


昼食は「ゴーゴーカレー」のメジャーカレー(エコノミー) ¥1000

海上自衛隊のイベントなので昼食はやっぱりカレーを食べたい思い近辺のカレー屋をチェック。
すると金沢市はゴーゴーカレー発祥の地との事なので昼食は「ゴーゴーカレー金沢本店」で食べる事に。
このボリューム・トッピングで1000円は安い! ココイチの強力なライバルになり得る店ですね。



陸上自衛隊  金沢駐屯地

実は今回「やまゆき」の見学以外にいくつか目的がありました。その1つが陸上自衛隊・金沢駐屯地の見学です。
石川県内の自衛隊情報を調べた所、金沢市内に陸自の駐屯地がある事が判明。昼食を食べた後に行ってみました。

金沢駐屯地・正門

今日はイベントでも何でもない普通の日なので通常通り運営されてます。当然中には入れないので外から見学。
と言うか何だかんだで2016年初の陸自駐屯地・施設の見学ですね。
今年前半はオペレーションM.K.Iに全力を注いでて陸自イベントは完全不参加だったので・・・
金沢駐屯地のスケジュールを調べてみると9月25日に創立記念行事を行う予定みたいです。
上述通り2016年7月現在、陸自イベントには全く参加してないので都合が付けば行ってみたい。


「第14普通科連隊」の表札と門衛の隊員さん

我が長野県の松本駐屯地が「第13普通科連隊」なのでナンバリング的に親近感・兄弟感を感じますね。

そしてガンマニアとして地味に驚いたのが89式小銃に弾倉が装着されているという事。
流石に薬室(チェンバー)には装填されてないと思いますが、一昔前ならば弾倉未装着が当たり前でした。
やはり昨年の安保法案改正や近年のテロ事件頻発に対して自衛隊も警備を強化してるという印象ですね。


駐屯地奥の駐車場?

高機動車がズラリ。綺麗にピッタリ駐車してあるのは規則に厳しい自衛隊ならではかな。
そして手前には詳細不明の特殊車輌が多数。退役して保管(放置)されてるっぽい感じ。

上述した通り今日は通常日であり駐屯地内の見学は不可能。
なので周辺を軽く1周して観察した後に大人しく離脱しました。
いつか駐屯地祭に参加するかも知れないので事前調査的な感じですね。



航空自衛隊  小松基地

海自の「やまゆき」、陸自の金沢駐屯地を見学したら「空自の基地も見たい」と思うのが自衛隊ファンの性。
という訳で小松市内にある航空自衛隊・小松基地も軽く見学。石川県内の陸海空の自衛隊施設をコンプリート!

小松基地・正門。

車で基地の前を通り過ぎざまに撮った1枚です。入口では警備の隊員が入門車両に対する
厳しいチェックを行っていて車を停めてじっくり写真撮影できる雰囲気ではありませんでした。
この基地は「小松空港」として民間でも併用されている重要な空港なので警備が厳しいのは当然かと。
そして数日前にフランスでトラックによるテロ事件が起きたばかりなので更に警備を強化してる感じ。

そんな小松基地の航空祭は9月19日(敬老の日)に開催予定との事です。
小松基地の航空祭って参加した記憶が無いですね。機会があれば行ってみたい。

※余談ですが小松基地って小牧基地(愛知県)と名前が似てるので混同しがちだよね。


空港/基地(滑走路)を南西から見た様子

比較的好条件な撮影ポイントなのか、自分以外にも何人かの「飛行機マニア」らしき人達が写真撮影してました。


カーゴルックス航空のボーイング747-8R7F(LX-VCC)   ※16:40頃に離陸

ルクセンブルクの国際貨物航空会社「カーゴルックス航空」の保有機との事。4発のエンジンが力強くて逞しい!


全日空(ANA)のボーイング737-881(JA62AN)   ※16:45頃に離陸

小型ジェット旅客機としてはベストセラーの機種らしい。翼端のウィングレットが目立ちます。

個人的には旅客機ってあんまり興味ないカテゴリーですが、航空機好きとしては
無視できない立派なジャンル。「ハッピーフライト」とか改めて観て勉強したい。


管制塔とかレーダーなど

空港を安全に運営する為の重要な施設です。航空祭などで基地内に入る機会があれば改めてじっくり見たい。


アートチックな壁面

小松基地に限らず空自の基地は機密保持の為かコンクリート壁で囲まれてる事が多く
やや殺風景なんですが、こうして色鮮やかなイラストが描かれてると心が和みますね。
このイラストは1961年の小松基地開庁から50周年を記念して描かれた物みたいです。


こうして小松基地の見学も終了。この時点で17:00過ぎだったので風呂に入るべく隣の加賀市へ移動。
加賀市に来るのは2014年以来かな。前回は片山津温泉に行ったので今回は山中温泉にて入浴。
加賀市と言えば帝国海軍の空母「加賀」、そして海上自衛隊のヘリ空母「かが」の由来の地です。
「かが」は2017年に就役予定なので、その頃には現地の海自ファンは盛り上がるんじゃないでしょうか。

こうして入浴を済ませた後に19:30頃に山中温泉を出発。
後は夕食や仮眠を取りつつ国道8号をひたすら東進します。

新潟県糸魚川市(親不知)から見た日本海。(17日 08:00頃)

17日の富山・新潟の天気は曇り&雨という残念な天気。夏の晴れ空と日本海という景色は楽しめませんでした。

その後国道148号を南下、帰宅したのは17日の正午12:00頃でした。ちなみに今回の累計走行距離は約730km。
帰路も随分と時間がかかりました。と言うか途中休憩(仮眠)のサイクルが滅茶苦茶で疲労が色濃く残りました・・・



今回の「やまゆき」見学(石川県内自衛隊見学)の感想ですが、完全な準備不足でしたね。
冒頭でも述べた通り元々は「しまかぜ」の見学が中止になった事を受けて急遽計画した旅行でしたが
目的地までの往復にかかる時間、イベントの詳細な内容の確認、現地での巡回ルート選定など
色んな部分で準備不足が目立つ旅行でした。(舞鶴サマーフェスタを逃したのも非常に痛い)
来年の夏は時間・体力・資金などを考慮した上で無理なく十分に楽しめる旅行プランを組みたいです。



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