補給艦「とわだ」 一般公開
2018.6.17


今回は富山県高岡市にて一般公開された海上自衛隊の補給艦「とわだ」の見学リポートをお送りします。場所は2015年の「おうみ」見学の時と同じ伏木富山港です。

今回「とわだ」の一般公開に参加した理由ですが、18年4月に横須賀で「ときわ」17年3月に呉で「とわだ」17年3月に佐世保で「はまな」をそれぞれ見学しました。
当初は「とわだ型」3隻がそれぞれの母港に停泊してる姿を写真に収められてとりあえず満足していたのですが、あくまで遠くから見ただけでであり、乗艦していません。
「海自ファンならば実際に甲板に上がって細部までじっくり見学したい!」と考えていた所、今回タイミング良く「とわだ」の一般公開が行われたので参加する事にしました。


02:00頃に自宅を出発し3年前と同じルートで目的地へ。前回は好奇心からわざわざ安房峠(旧道)を走破しましたが、今回は体力温存の為におとなしく安房トンネル(有料道路)を通りました。
 
国道471号や41号を北上しながら富山県へ。「お〜、立派な城があるじゃん。これが富山城かー」とか「え!? 富山って路面電車が走ってるの!? すげー!」など軽く観光気分で富山市街地を走りながら伏木富山港へ。


06:45頃に現地に到着

伏木富山港に補給艦が接岸してるこの光景・・・ 3年前の「おうみ」見学の記憶が蘇るな!
3年前と同じ岸壁(伏木富山港)に同じ艦種(補給艦)が接舷するという今回の一般公開。偶然(?)重なったセッティングにちょっと感動します。


乗艦に関する案内や注意点など
 
一般公開は昨日から行われてて本当は初日に行きたかったのですが16日は天気が悪かったので17日に変更しました。

上述の通り3年前に「おうみ」を見学してるので3年の時を経て新旧2種の補給艦を見学という事になります。
なので今回は「とわだ型」と「ましゅう型」の2艦を比較して構造や機能の違いなどを解説しながらレポートしたいと思います。


「ワタシ達も全力でイベントを盛り上げるデース!」   「もっと自衛隊を知ってもらってもいいんだからっ!」   「本日の見学ありがとうございますなのです!」
  
富山地本もしくは「とわだ」乗組員の中に”提督”がいるようだ。 「艦隊こ○くしょん」はコンテンツが開始して今年で5年目を迎えるそうですが未だに人気ですねー


と言うかね、個人的には海上自衛隊なら「ハイスクール・フリート」とコラボしてもいいんじゃないかと思うんだ。(防衛省が正式に制作協力してる作品だし)

最近ようやく視聴しましたが艦内編制&艦上生活を描いた作品としては結構面白かったです。
航海科や機関科など艦内編制が細かく設定されてて、異なる部署が協力しながら艦を動かして幾多の困難を乗り越えていく内容が
海自・艦船好きとしては中々楽しめました。という訳で今回は”はいふり的感想”も交えながらレポートをお送りしたいと思います。
2000tの駆逐艦「晴風」と8100tの補給艦「とわだ」では外見や構造が全く異なりますが、艦内編制など基本的な部分は共通します。


艦首方向から見た全体像

まずは「とわだ型」と「ましゅう型」の基本スペックの比較です。(※同型艦でも微妙にスペックが異なるので混乱を避ける為それぞれ1番艦のスペックを記載)
とわだましゅう
艦番号AOE-422AOE-425
基準排水量8100t13500t
満載排水量12100t25000t
全長167m221m
全幅22m27m
深さ/吃水15.9m/8.1m18m/8m
主機ディーゼル×2基
 16V42M-A
ガスタービン×2基
 SM1-C
出力26000馬力40000馬力
速力22ノット24ノット
乗員145名145名
就役1987年3月24日2004年3月15日
母港舞鶴
所属第1海上補給隊第1海上補給隊
「とわだ型」と「ましゅう型」では建造・配備に17年の差がありますがその間にかなり船体が大型化しましたね。特に満載排水量なんか2倍以上に増えてます。
はいふり的には第4話で登場した「間宮」が正に補給艦です。(ただし正確には「給糧艦」という糧食専門の艦で燃料の補給は不可能だったみたい)
そして主計科の伊良子美甘(ミカンちゃん)、杵崎ほまれ/あかね(ほっちゃん/あっちゃん)は旧日本海軍の給糧艦「伊良湖」と「杵崎」が元ネタです。



艦尾方向から見た全体像

ヘリコプター格納庫の有無の違いなどがありますが全体的には「とわだ型」も「ましゅう型」も類似した艦影です。任務が同じなので似るのは当然ですが・・・


艦首

「とわだ型」は一般的(?)なブルワーク構造なのに対し、「ましゅう型」は1層高い船首楼構造になっています。補給艦として考えた場合、
艦内空間の有効活用という点で船首楼構造の方が優れるのかも知れませんが、デザイン的な点ではブルワークの方がカッコイイです。


補給ステーション

補給艦における最大の外見的特徴であり洋上給油/輸送における重要な設備である補給ステーションです。
「とわだ型」では左右の柱が梁で繋がったゲート型ですが、「ましゅう型」では梁が無くなり柱だけとなってます。


それぞれ能力や機能が異なる6ヶ所の補給ステーション

補給ステーションは全部で6ヶ所ありそれぞれに番号(※画像参照)が付いています。@ADE番は燃料などの液体用、BC番は貨物用です。


艦橋構造物

基本的に戦闘を行わない艦なのでレーダー反射面積(RCS)やステルス性を無視した巨大な箱型の艦橋構造物になってます。この点は「ましゅう型」もほぼ同じです。
補給艦は大量の物資を積載する必要があるので第1甲板より下層は大部分が保管庫やタンクになっており、科員居住区等は上部構造物内に存在してるみたいです。


煙突・マスト・作業艇など

ヘリ格納庫の有無、マストの形状など細かい違いはありますが、艦橋構造物、煙突、作業艇など基本的なレイアウトは「とわだ型」も「ましゅう型」もほぼ同じです。


艦尾

艦尾の構造も基本的には「とわだ型」、「ましゅう型」共に同じですが、「ましゅう型」の方が2m程乾舷が高いです。
また形状を比較すると「とわだ型」は湾曲して丸っこいのに対し「ましゅう型」はシャープで鋭い感じになっています。


艦尾に架けられた舷梯より乗艦します
 
2015年に「おうみ」を見学した際は船体中央・第2甲板の舷門から乗艦したので艦尾は見学出来ませんでした。なので今回の「とわだ」の様に艦尾を見学できた事は幸運です。
そして個人的には艦尾・第2甲板のこの場所が好きです。開放的で風通しが良く、屋根(上甲板)があるので直射日光も防げます。ここから航跡を見ながら海を眺めるのが好き。

左画像のドラム型の装置は「魚雷に対するデコイ曳航装置」みたいです。自艦に向かってくる魚雷に対して本装置を海中に投下・曳航、音響や磁気を発して魚雷を誤爆させます。

はいふり的には第3話にて海中に潜む伊201に対して掃海具や爆雷を投下したり、最終話にて武蔵に向けて噴進弾を発射したりと大活躍だった場所がこの艦尾です。


左右両舷に大型の扉があり、この奥が第2甲板・保管庫になっています
 
wikipediaによると「両舷通路に埋め込まれたレールに沿って電動式サイドフォークが移動して貨物の受け渡しをする」とか「ダンネージ式で貨物コンテナ格納するので効率が良い」とか色々紹介されてますが
実際に見学しないと十分に理解できないです。今回は保管庫の一般公開は行われずその点が残念でした。(ちなみに2015年の「おうみ」の時は保管庫までバッチリ見学できました)

はいふり的に注目してほしいのが竹の棒です。第6話でミカンちゃんが竹で機雷を突っつくシーンがあって「あー、そういう使い方もあるのか。多目的に使える木材って便利だなー」とか思いました。


艦尾から見た光景

最近の自衛艦はヘリコプター格納庫が標準化してきてるので、今回の「とわだ」の様に艦中央に巨大な煙突がそびえ立つレイアウトが逆に新鮮ですね。


ディーゼル主機に繋がってる煙突
 
主機は三井造船製の「16V42M-A型」というディーゼルエンジンを2基搭載しています。2基のディーゼルエンジンが変速機を介して両舷2軸の推進軸に接続しています。
1基の主機で1本の推進軸を稼働させるのでCODADやCODOGみたいな複雑な方式とは無縁のシンプルな構造です。16V42M-A型エンジンは「おおすみ型」や「しらせ」などにも採用されています。
ちなみに「ましゅう型」ではガスタービンエンジン(スペイ SM1C)を2基搭載し両舷2軸にそれぞれ接続しています。エンジンの種類は違いますが1主機につき1軸を駆動させるという点は共通ですね。

はいふり的には柳原麻侖(マロンちゃん)が率いる機関科の担当部署です。マロンの性格だと「どうでぃ! こいつがウチ自慢の2万6千馬力のヂーゼルエンジンなんでぃ!」とか言いそう。
「晴風」の主機はボイラー式なので「とわだ」のディーゼルエンジンと比較するのは無理がありますが、デカイ、暑い、騒音がヒドイ等の共通点があります。(←全部ネガティブじゃねーか!)

そして余談ですが「晴風」のボイラーの”音”は海上自衛隊最後のボイラー艦であった「くらま」で収録されたそうです。2017年の「くらま」退役に伴い、海上自衛隊から全てのボイラー艦が
姿を消しましたがハイスクール・フリートという作品においてはボイラー機関の心音は半永久的に響き続ける事でしょう。そう考えると「はいふり」は音響資料として価値ある作品と言えます。



後部飛行甲板
 
ヘリ格納庫こそ有りませんが広大な飛行甲板を備えておりHSS-2やMH-53Eなどの大型ヘリコプターの発着艦も可能です。(余談ですがこの日の夕方に岐阜県でHSS-2を見学しました
そして後継の「ましゅう型」では新たに立派なヘリ格納庫が設置され、同じく広大な飛行甲板も備えているので大型ヘリの発着艦&格納にも対応。ヘリによる補給・輸送も重要な任務ですしね。
ちなみにHSS-2とMH-53Eはどちらも既に退役済みなので今後はSH-60J/KやMCH-101が運用される事になります。(過去には陸自や空自のヘリが発着艦した事例もあるみたいです)


ヘリコプターの発着艦に関する装備など
 
発着艦しようとする航空機に対して位置や姿勢を指示する装置(?)や燃料補給用(消火用?)のホースなど航空機の運用に関わる装備が備わっています。
艦船の構造についてはそれなりに理解してるつもりですが、「艦船と航空機の運用に関わる装備」に関してはまだまだ勉強不足ですね。もっとガンバリマス。


上甲板と第2甲板・保管庫を繋ぐゲート                                           左舷に搭載された7.9m内火艇
 
艦上で各種補給作業を行う為に上甲板と第2甲板・保管庫を繋ぐゲートが飛行甲板や前甲板など複数の場所に設けられています。如何にも補給艦らしい構造ですね。

左舷には7.9m内火艇を搭載。「とわだ」は大型で小回りが利かない艦なのでこういう多目的に使える小型艇は重宝しますね。(ちなみに右舷には11m作業艇を搭載)
はいふり劇中では「スキッパー」という架空のジェットスキーばかりが大活躍するので忘れられがちですが、第7話の海難救助回では内火艇が活躍してました。


防火服や迷彩作業服も展示
 
どの自衛艦でも標準的な装備と言える防火服や酸素ボンベなどが展示。ただ個人的には(現時点では)あまり興味が無い装備なので写真を撮っただけでスルーしてしまいました。申し訳ない。
はいふり的には応急長である和住媛萌(ヒメちゃん)と応急員の青木百々(モモちゃん)の装備品。仮に「晴風」が被弾・炎上した場合にはヒメちゃんモモちゃんがこの防火服を着て
被弾現場に急行し消火作業を行いダメージコントロールを行うという設定の筈ですが・・・流石に劇中でそういうハードなシーンは無かったですね。萌えミリアニメの描写の限界かな。


そして右画像は例の新型迷彩作業服です。こうして間近でじっくり見学(凝視!)したのは初めてですね。厚木とかの陸上基地では普及が進んでるみたいですが艦船部隊はどうなんでしょうね?
こうして展示してるって事は少なくとも「とわだ」乗組員への配備は進んでるって事かな? (実際に艦上でこの迷彩作業服を着てる隊員さんを見かけましたし)今後も普及状況の調査に努めます。
はいふり的には”被服”の管理としてはモモちゃん、”備品”の管理としては等松美海(ミミちゃん)の担当かな。「晴風乗員31人分+予備6着で過不足無し!」とか細かく管理してそう。


ドライカーゴ用コンテナと結索展示
 
艦船における必須技術とも言える結索も展示。海自ファンとして基本的な結び方は何種類か知ってますが、「ひばり結び」や「引き綱結び」など初めて見聞きする結び方も多数展示されてました。
近くにいた隊員さんに「どうですか? 挑戦してみませんか?」と聞かれ「え!? い、いえ、自分、不器用なんで・・・」と思わず返してしまう有り様。艦船における運用員の重要性を再認識しました。

そして結索展示の竹を架けてあるこの金属製のカゴがドライカーゴ用コンテナです。ここに食糧や物品などを積載し移送します。出来ればコンテナに荷物を満載した状態を見学したかったですね。


「とわだ」に関するイラストや写真など
 
航空管制室の壁には格好いい龍のイラストが展示されてました。こういうイラストを見ると識別帽が欲しくなりますね。今後機会があれば入手したいです。

そして就役から現在に至る31年間の活動記録写真も掲載。既に退役した「ひえい」に洋上給油してる写真等もあり、31年という長い艦歴を実感させます。


艦尾での見学を終え上部構造物内へ
 
右舷側の通路より上部構造物内へと進みます。通路扉は2重構造になってて中間区画は艶消し黒で塗装されています。夜間航行時に甲板に出入りする際に艦内の明かりを一時的に遮断する為の構造です。

はいふり的には第3話にてヴィルヘルミーナ(ミーちゃん)が「夜戦中に照明を点けてるとは何事だ!」と怒鳴る場面がありました。夜間には灯火管制を行い自艦の存在を秘匿する事は重要です。


上部構造物内の様子
 
「とわだ」の上部構造物は5層構造(04甲板)になっています。対して「ましゅう型」は7層構造(06甲板)となっています。上部構造物も結構な違いがあるんですね。
この上部構造物内に補給管制室やCICや乗組員居住区等が配置されてるみたいです。ちなみに各階層の一般公開は行われておらずただ通り抜けただけでした。

「晴風」の艦内は広々と作画されていましたが現実はこんな感じです。なので第7話の伊勢桜良(サクラちゃん)の例の描写もあり得なくはないとも言える。


記念楯や活動記録写真など
 
通路の壁には今までに参加した各種訓練や活動記録などに関する資料が展示されていました。立ち止まってマニアックにチェックするのも迷惑かと思って軽く写真だけ撮って通り過ぎてしまいましたが、
貴重で有意義な資料が数多く並んでいました。例えば「○○年△月に陸自のヘリが初着艦した」とか「○○年△月に☆☆港に入港した」等です。他国の海軍との合同訓練を記念した楯も多数ありました。


上部構造物(第03甲板・右舷)から見える光景
 
上部構造物の右舷・03甲板から艦外へ出ます。煙突とか作業艇の揚貨装置など様々な設備が立体的に並んでる光景が良いですね。右舷には「11m作業艇」が搭載されていました。左右舷で違う艇なんですね。


艦橋・右ウイング
 

 
ラッタルを登って04甲板へ。ここは艦橋や左右ウイングなどが設けられ航海の指揮を行う重要なフロアです。「とわだ型」は大型艦なのでウイングも比較的広いと感じました。

はいふり的には右ウイングは航海科・右舷航海管制員の内田まゆみ(まゆちゃん)の配置です。太陽光が当たる場所なのでこれ以上の日焼けに気を付けないと。



艦橋・左ウイング
 
多少の違いはありますが基本的には右ウイングと同じ左右対称の構造です。ちなみに左ウイングではラッパや探照灯の実演が行われていました。

はいふり的には左ウイングは航海科・左舷航海管制員の山下秀子(しゅうちゃん)の配置です。まゆちゃん(右舷)としゅうちゃん(左舷)の
配置の違いが覚えられないという人は「うげんのうちだ、ひだりげんのひでこ」と覚えれば理解しやすいかも。自分はそうやって覚えました。



30cm信号探照灯                                                      66cm測距儀
 
相手に発光信号を送ったり夜間に海面を照射したりと様々な場面で活躍するのがこの30cm信号探照灯です。説明によると最長照射距離は約6マイル=12000mと紹介されていました。
当初は「1マイルは約1.6kmだから9km強じゃないの?」と思いましたが、「・・・あぁ! ノーチカルマイル(海里)か! じゃあ1.8km計算で約12000mになる訳だ」と改めて納得しました。
自分は元々ガンマニアなのでつい陸上の基準で考えてました・・・ なので「1マイル=1.6km」という認識が染み付いてて即座に理解できませんでした。いや〜、勉強になるいい機会ですね。

はいふり劇中において何度か発光信号を行うシーンがありましたが、個人的に特に印象に残ってるのが第3話で夜間の海面に向けて照射し魚雷を探知・迎撃するシーンでした。

66cm測距儀は100〜10000m間にある目標の距離を測る機器です。左右の目で2つのレンズを覗き、内部の目盛りのズレを修正すると目標までの距離が測れるという構造らしいです。
試しに覗いてみましたが説明を十分に理解していなかったので上手く扱えませんでした・・・ ちなみにベテランの艦橋見張り員ともなると目視である程度の距離が解るそうです。流石ですね。

はいふり劇中で測距儀が活躍したシーンは・・・意外と思い浮かばないな。と言うか航海用ではなく攻撃用(主砲の照準)として小笠原光(ヒカリちゃん)がよく使用してた気がする。


   12cm双眼鏡                                                         方位環 (従羅針儀)
 
左右のウイングに装備されているのがこの12cm双眼鏡です。これぞ見張り員!という感じの定番の装備品です。ちなみに倍率は20倍です。

「晴風」でも左右ウイングに双眼鏡がありますが、航海管制員のまゆちゃん・しゅうちゃんが操作してるシーンは少なかった気がする。
むしろメイタマ(西崎芽依&立石志摩)が艦橋内の双眼鏡(※九七式方位盤と一体化した物など)を使用するシーンの方が多かった。

方位環は目標物の方角位置を知る為の装備です。目標物に対して斜導線とコンパスの数字の目盛りを合わせると方角が分かる優れ物です。
艦橋中央にはより大型の主羅針儀(ジャイロコンパス)があり、左右ウイングの従羅針儀と連動しているそうです。詳しくは艦橋内の紹介にて。

ファンブックで「真方位と相対方位」に関するコラムがあり、「これが相対方位かー」という感じで見学しました。ほどよい角度で見てね。


2分隊・航海科によるラッパの演奏や探照灯の実演なども
 
ラッパの演奏も行われ総員起こし、出港用意、巡検などを披露してました。陸海空3自衛隊で使用されるラッパですが海自の場合は狭い艦内で使用する為「縦持ち」で吹奏します。
このラッパは音程を調整するボタン等が付いておらず吹奏者の唇や舌の動きだけで音を出す職人技が必要とされる楽器です。演奏した隊員さんも一生懸命練習したんでしょうね。

はいふり的にはラッパを吹くのは万里小路楓(まりこうじさん)のお仕事です。最初はかなり下手でしたが後日談(OVA後編)では随分と上達してて感心しましたね。
ただ彼女は本来「水測員」で正式なラッパ手ではありません。晴風の中でラッパを吹ける者がいなかったので楽器全般が得意な彼女が担当していたという設定です。

信号探照灯の動作実演も行われ、隊員さんが慣れた手付きでレバーを操作して発光信号を打ったりしてくれました。発光信号は短と長の2種類を組み合わせて発信するので
「意味は分からなくてもせめて短・長の識別くらいはするぜ!」と挑みましたが、高速の発光信号に対して識別が全く追い付かず、ただ光の点滅を見てるだけの状態でした・・・

発光信号(モールス符号)は大きく分けて欧文(アルファベット)と和文(いろは)の2種類があり、隊員さんに「欧文と和文ではどっちが打ち易い(読み易い)ですか?」と聞いたら
「どっちも問題なく打ち読み出来るけど欧文の方が1文字ごとに区切るので識別し易い」的な事を言っていました。何だかんだで英語は世界標準語なんだなーと実感しますね。


国際信号旗
  
風になびく様々な柄の旗にはそれぞれアルファベットや数字などの意味があり視覚的な信号として運用されます。画像の旗は「WELCOME TO TOWADA」という意味を表しているそうです。

はいふり的には航海科の担当。劇中でも何度か信号旗を掲げてるシーンがありました。今までは信号旗って興味ありませんでしたが、はいふりを見てからは少し興味を持ちました。
それと信号旗以外で注目したいのが手旗信号。劇中で野間マチコ(マッチ)が手旗信号で交信するシーンがあって「手旗信号までやるのか! よく出来たアニメだなー」と感心したり。



12.7mm重機関銃用マウント
 
補給艦は基本的には非武装であり、有事の際にはこのマウントに12.7mm重機関銃(ブローニングM2)を取り付けて射撃します。「とわだ」における唯一の武装です。
計画ではCIWS(20mmファランクス)を搭載する予定だったみたいですが、予算や運用上の都合からか未だに装備していません。この点は「ましゅう型」も同様です。

はいふり的には砲雷科の担当する装備です。「晴風」は25mm機銃を装備していましたが、「とわだ」においてはこの12.7mm重機関銃がそれに相当します。
「晴風」は駆逐艦(戦闘艦)なので大口径砲や魚雷などの武装が充実してますが、「とわだ」の武装は重機関銃のみなので砲雷科に絡めたコメントが難しい・・・
立石志摩(タマちゃん)なら「おめぇらにやられるタマじゃねぇんだよぉぉ!!」、日置順子(じゅんちゃん)なら「ダダダッと撃っちゃうよ!!」とか言って撃ちそう。



Mk.137 チャフ・ランチャー
 
自艦に向かってくる敵対艦ミサイルに対して薄い金属箔を空中に発射・拡散させてシーカーを誤認させ直撃を回避させる装備です。CIWS等を持たない「とわだ」では唯一の防御策と言えるかも。
「Mk.137」というのは発射機自体の名称であり、他にも「Mk.164制御盤」「Mk.160電源装置」などと組み合わせて「Mk.36 SRBOC」と呼ばれるデコイ展開システムを構築してるみたいです。

はいふりの世界では航空機(ミサイル)が未発達という設定なのでチャフ自体が存在しないかも。西崎芽依(メイちゃん)だったら「チャフでも何でもいいから撃っちゃえ!」とか言いそう。


左ウイング側から見た煙突

間近で見るとその大きさ(と言うか太さ)を実感しますね。ここから高温のディーゼル排気を出す訳です。ディーゼル艦の機械室ってやっぱり暑いんだろうなぁ・・・

第9話で機関科の若狭麗緒(レオちゃん)が「湿度90%超えたぁー・・」とか、広田空(ソラちゃん)が「温度も40度超えてる、ヤバイよ・・・」とか言ってて
ボイラー艦の機関科って過酷だなぁ・・・と同情しました。だから機関科の娘達が汗だくになって服を脱ぐ描写が多いのは喜ばしい致し方ない事ですね。

レオちゃん達の台詞が本当かどうかは不明ですが、ボイラー艦だと温度と湿度が高いのは間違いないです。なので機関音を収録した「くらま」は勿論、
「はるな型」「たちかぜ型」「たかつき型」などかつて海上自衛隊に存在したボイラー艦の機関科はかなり厳しい環境で勤務してた筈。頭が下がります。



マスト
 
マストはシンプルなタワー構造です。対空レーダー等の重量物を装備する訳では無いので、護衛艦の様なラティス(格子)構造にする必要が無かったのかも知れませんね。

はいふり的には航海科・見張員の野間マチコ(マッチ)の配置です。劇中ではマストに設けられた見張台にて周囲を監視、対水上レーダーよりも先に敵を発見し
的確な報告で何度も晴風のピンチを救ってきましたが、流石に現代ではマストに人が常駐するスペースは無いです。「この艦には私の居場所が無いだと・・・?」



対水上レーダー 「OPS−18−1」                                     衛星通信アンテナ 「NORA−1」 「NORQ−1」
 
対水上レーダーは「OPS−18−1」という機種です。形状がネット状なのでぱっと見では対空レーダーと誤認しがちです。「はつゆき型」や「あすか」も同じ物を装備しています。
このOPS−18ですが1型〜3型まであるらしく、1型は画像の様にネット状ですが2〜3型は横長の箱型との事です。例として「はやぶさ型ミサイル艇」は3型を装備しています。

※余談ですが2・3番艦の「ときわ」と「はまな」には全く別機種であるOPS−28が装備されています。後から建造された艦により新しいレーダーが搭載されるのは世の常ですね。

はいふり的には航海科・電測員である宇田慧(めぐちゃん)の担当です。「晴風」の対水上レーダーは設定上はOPS-28らしいので「とわだ」より高性能という事に・・・?
と言うかめぐちゃんの出番をもっと増やしてほしかったなー。電測員という重要な職種なんだし。キャラデザも可愛いし。それと「例のランキング」ありがとうございました!


05甲板に装備されているこの白い球体が衛星通信アンテナです。手前が「NORA−1」、奥が「NORQ−1」という機種らしいです。通信関係は苦手分野なのでコメントしずらい・・・

はいふり的には航海科・電信員の八木鶫(つぐちゃん)の担当。ただしあの世界では航空機が未発達で通信衛星も存在してないので、用途不明の機械として扱われそう。



「とわだ」は洋上補給関連の特殊な装置を多数装備しており、紹介すべき箇所が多岐にわたるので「艦尾〜上部構造物」と「艦橋〜前甲板」という2つのページに分けて紹介します。


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