飛騨エアパーク 見学
2018.6.17


今回は岐阜県の山奥に存在する「飛騨エアパーク」の見学リポートをお送りしたいと思います。今回なぜ飛騨エアパークを見学しに行ったのかと言うと「君の名は」というアニメ映画がキッカケです。

今年1月に地上波で「君の名は」が放送されました。「これが世間で話題のアニメか、線が細くて美麗な作画だ」とか「高校生の男女が入れ替わってしまうのか、それは変態・・・もとい大変だ」とか
「ヒロインは飛騨地方に住んでる巫女なのか。それにしても糸守町って諏訪市っぽいなー・・・ って監督は長野県(小海町)の出身者なのか」という感じでそこそこ楽しく視聴させてもらいました。

で、物語の舞台となった岐阜県の飛騨地方について調べていた所、「飛騨エアパーク」という施設を発見。どんな施設か興味があったので富山県で「とわだ」を見学した帰りに立ち寄ってみました。


高岡市から高山市へ
 
「とわだ」の見学を終え12:45頃に伏木富山港を出発、富山市街地や国道41号を走り抜けながら高山市を目指します。(予想以上に時間がかかってしまい現地に到着したのは17時過ぎでした)

飛騨地方は古くからの歴史を今に伝える観光地として有名であり、見ての通り山や田んぼが広がる静かな土地となっています。「本当にこんな場所に飛行場があるのか?」と半信半疑で進むと・・・


「飛騨エアパーク」に到着

ホ、ホントにあったー! 山奥に飛行場は存在した! 山の奥深くにこういう施設を発見すると冒険の末にお宝を発見した様な気分になりますね。

こちらの施設は正式名称を「飛騨農道離着陸場」と言うらしいです。「農道離着陸場・・・って何だ? 普通の空港とは違うのか?」と疑問を感じて調べてみました。
・「農道離着陸場」とは農道を拡幅して造った飛行場の一種であり、空港法では場外離着陸場に分類される。

・バブル期真っ只中の1980年代末期に農林水産省によって「小型航空機で良質な農産物を全国各地に空輸し農業を振興させる」という目的で建設が決定。
 しかしバブルの崩壊、割高な輸送コスト、設備の建設・維持費が高い、悪天候による欠便など多くの問題が発覚し「バブルに浮かれた失敗事業」という結果に。

・この「飛騨農道離着陸場」(飛騨エアパーク)は1995年6月に開場。標高は714mであり飛行場(※)としては日本一の高さである。(※空港とは区分が異なる)

・飛騨以外にも北海道、福島県、岡山県、大分県など全国8ヶ所に同様の農道離着陸場が建設され、現在も細々と運営中・・・らしい。

・農産物の空輸という当初の目的は頓挫したが、近年では災害時における救助活動拠点やレジャー用途の多目的広場など新たな利用方法を模索している。


飛行場内の様子
 

 
飛行場内は関係者以外立ち入り禁止&現地到着が遅れたのでじっくりと見学する時間が無かったのですが、ざっと見た感じだと滑走路やエプロン等はそれなりに立派です。
滑走路は長さ800m×幅25mで舗装面の強度の関係で小型機の離着陸が主となっています。他にはヘリポートも備わっており意外と航空機運用能力が高くて感心します。

「バブル期のイケイケGoGo感が生み出した商業的見通しが激甘の飛行場」というのが実態ですが、山奥にこのレベルの飛行場が整備されているという点は評価すべきかと。


管理棟
 
管制塔ではなく管理棟です。周囲の景観に合わせた木造の建物がいい感じですね。そして航空機ファンとして注目なのが飛行場としてのスペック表(許容限界値)です。
離着陸可能な機種や重量が記載されており、「この許容限界値を自衛隊のヘリで換算すると・・・UH-1は余裕だけどUH-60は厳しい?」って感じで考えるのも楽しい。


HSS-2B 「ちどり」 (#8114)

実は今回の飛騨エアパーク訪問のもう1つの目的がこのHSS-2Bです。事前調査により退役したHSS-2Bが展示されているという情報を掴んでおり、
海自ファン&航空機ファンとして是非とも見学したいと思っていました。自分が自衛隊に本格的に興味を持ち始めたのが2000年頃とかなり遅いので
HSS-2Bが現役で飛び回っている場面は殆ど見た記憶がありません。だからこそ退役した展示機を通して当時の活躍ぶりに想いを馳せたい所です。


昭和の海上自衛隊で活躍した対潜哨戒ヘリコプター

元々はシコルスキー・S-61というヘリコプターです。海上自衛隊において対潜哨戒ヘリとして1963年から調達が開始されHSS-2・ちどりと命名されました。
吊り下げ式ソーナーを備えた本機は敵潜水艦の探知任務に従事。昭和の海上自衛隊における主力対潜哨戒ヘリとして活躍し2008年の退役までに185機が製造・運用されました。
海自の艦船に対する視点で見ると1970年代〜1990年代にかけて「はるな型」「しらね型」「はつゆき型」「あさぎり型」「とわだ型」等で艦載ヘリコプターとして活躍していました。

この8114号機は平成9年まで徳島県の小松島航空隊で使用されていた機体で、現役時代には天皇陛下を乗せて小笠原諸島行幸啓に参加した事もある名誉ある機体との事です。


機内の様子
 
残念ながら機内の見学は叶わなかったので外から見える範囲でパシャリ。アナログ計器が並んだコックピットとか固そうな機内シートに時代を感じますね。


かつて日本の海を守った老兵は山奥で静かに余生を過ごす

昭和の海上自衛隊にて活躍したHSS-2ですが1990年代後半からSH-60Jへの機種転換が進み2000年代に全機がひっそりと退役しました。
上述の通り自分はHSS-2の現役時代の姿を殆ど知らないので、こうして間近で実機を見学出来た事は大変に有意義でした。海の守護神に敬礼!


KM-2 「こまどり」 (#6277)
 
海上自衛隊の初等練習機であるKM-2 「こまどり」も展示されてました。この機体は山口県の小月教育航空群の第201教育航空隊で使用されていたみたいです。


飛騨地方の豊かな自然と海上自衛隊の航空機が楽しめる場所
 
上述の通り飛騨エアパークは多目的広場として時々イベントが開催されています。イベント+海自の航空機見学という楽しみ方もオススメですので機会があれば是非。


飛騨・高山地方を観光するつもりでしたが・・・
 
せっかく飛騨・高山地方に来たのでご当地グルメである高山ラーメンでも食べようと思い事前に下調べしておいたラーメン屋に向かったんですが残念ながら休業中みたいでした。
高山ラーメンが駄目ならばせめてお土産(赤かぶら漬けとかさるぼぼ人形)でも買って帰ろうと思ったんですがお土産屋も軒並み休業状態になってました。何か運が悪いですね・・・


 
余談ですがこちらのドライブステーションには故・高倉健の映画で使用された車両や小道具の展示コーナーがあるらしく、それも見てみたかったんですがそちらも閉鎖中でした・・・


とりあえずこんな感じで「とわだ」+飛騨エアパークの見学は無事(?)に終了となりました。ちなみに今回撮った写真は「とわだ」が約650枚、飛騨エアパークが約115枚でした。


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