舞鶴グリーンフェスタ2019 「曳船体験航海・警備犬訓練展示」
2019.5.18


日付が変わって5月18日。いよいよ「舞鶴グリーンフェスタ2019」が開幕です。去年は夏イベントという事でサマーフェスタという名称でしたが、
酷暑で主催者・参加者共に負担が大きかった為か今年から5月開催のグリーンフェスタに名称を変更。このくらいの季節がちょうど良いですね。


海自ファンの朝は早い
 
赤れんがパーク駐車場に車を停めて早速列に並びます。左画像は07:30頃の様子ですが既に多くのファンが並んでいます。
ちなみに自分はとある理由(後述)によりこちらの列には並ばず、会場西側(地方総監部の前)の列に並んで入場を待ちます。


基地内に入場 (08:30頃)
 
手荷物検査をクリアし入場。舞鶴基地は過去何度も訪れてますが「基地の西端」はあまり見学した事が無かったので今回はこちらから入場しました。

左画像の庁舎には「舞鶴港務隊」や「第二ミサイル艇隊」の看板が掲げられていました。ファンとしてはこういう建物や設備を見るのも楽しいものです。


メイン会場である北吸岸壁に到着
 
北吸岸壁(全長約1km)を西から東へ横断しながら会場内の状況をざっとチェック。今年も様々な催しが企画され我々参加者をワクワクさせてくれます。


260トン型曳船による体験航海

名称:曳船58号型基準排水量:260t全長:31m全幅:8.6m深さ:3.6m機関:ディーゼルエンジン×2基
出力:2600馬力速力:11ノット曳航能力:約33t航続距離:約4800km乗員:7名就役:1978年〜
 
今回の舞鶴GFにおいて個人的にメインイベントと言えるのが260トン型曳船の体験航海です。事前応募で見事に当選、ありがたく乗せて頂ける事に。
今回乗船する「YT−05」は広島県福山市の「本瓦造船」で建造された船で2016年に就役。舞鶴港務隊では4隻の同船(YT−01・02・05・72)を運用中だそうです。


十分な安全対策を実施した後に乗船
 
ライフジャケットを着用していざ乗船。普段は大型艦ばかりに注目してるのでこういう小型で凹凸の多い船への乗船は何だか新鮮ですね。


曳船から見える景色

おぉ〜、これが曳船(YT-05)の乗組員さんが見てる日常の景色か・・・
一般的な護衛艦の艦尾と違いロープの巻き上げ装置など入出港に必要な機材が満載された甲板が印象的です。


隊員さんによる見送りを受けながら出港 (09:45頃)
 
手際よく舷梯や係留索を外しあっという間に出港準備が完了。そして帽振れによる見送り。出港作業1つ見ても海自の練度の高さやサービス精神が感じられます。


海上自衛隊版 海軍ゆかりの港めぐり
 
過去何度も民間の遊覧船(あさなぎ)から舞鶴基地を見学してますが、今回は海自の曳船からの見学という事で普段とは一味違う景色と興奮がありますね。


260トン型曳船の細部をチェック
 
曳船(タグボート)の主任務は大型艦が入出港する際に船体を押したり引いたりして接岸・離岸をサポートする事です。

海上自衛隊の艦船に限らず世の中には小型〜超巨大まで様々なサイズの船が存在します。そして大きい船ほど小回りが利かないので曳船の補助によって接岸・離岸を行います。
また入出港の補助作業以外にも放水ポンプを用いた消火作業や物資の運搬なども行っており小さいながらも多目的に活躍するその存在は陸上で例えるならフォークリフトですね。

左の画像は船首です。曳船は自らの船首を相手艦の乾舷に密着させて押したりするので傷を付けない様に古タイヤ(P-3Cの廃棄品とからしい)や布を用いて緩衝材としています。
そして逆に相手の艦を引っ張る事もあるので太くて丈夫な牽引索や強力な巻き上げ装置も有しています。また船首甲板は広く平らになっており作業性を追求した造りとなっています。

右の画像は船尾です。曳船は細かい挙動が要求される船でありこの260トン型曳船ではディーゼルエンジンで駆動する2基のアジマススラスター(旋回式ポッド)を装備しています。


細かく複雑な操船を行う操縦室
 
アジマススラスターという特殊な推進装置を装備してるので普通の船とは操縦方法が多少異なるんでしょうね。ちなみに船長を務めるのは曹長や准尉らしいです。

操縦室から伸びるマストは可倒式になっており、「ひゅうが型」など上甲板が張り出した艦の入出港作業時には折り畳めるとの事。よく考えられたデザインですね。


曳船から舞鶴基地を眺めて・・・

ふぅ・・・ こうして曳船の甲板から舞鶴基地を眺めているとまるで海自の隊員になったような気分だ・・・
海自の体験航海に参加するのは久しぶりですね。2015年の観艦式以来かな? 曳船とは言え「海自の艦船に乗って海に出る」という点に大きな意味があるのです。


頭上をSH-60Kが通過 (09:53頃)
 
ふと航空基地の方を見るとSH-60Kが離陸、そのまま頭上をフライパスしていきました。一般的な航空系イベントでは安全上の制約からか観客席の
真上を飛ぶ事って意外と少ないのでこうして真下から撮影出来た事はラッキーでした。ディッピングソナーの吊下口の位置や形状などが興味深いね。


先行する「YT-02」の船尾を見ながら

自分が乗船してる「YT−05」も先行してる「YT−02」も同型船です。なのでこうして異なる視点から見る事によって「260トン型曳船」への理解がより深まるというものです。

それにしても海自艦船が縦列航行してるこの光景は観艦式を思い出しますね。今年10月には4年振りの観艦式が行われる予定なので是非とも応募、乗艦したい所です。
個人的にははたかぜ型、こんごう型、おおすみ型、ましゅう型、ひゅうが型あたりに当選すれば嬉しいかな。(勿論他の艦でもOK!)


舞鶴湾から見る航空基地
 
今回はスケジュールの都合で不参加でしたが航空基地のイベントも大盛況。MCH-101、陸自のAH-1やUH-1、空自のUH-60なども展示されたみたいです。


舞鶴湾を一周して戻ってきました
 
曳船による「海上自衛隊版 海軍ゆかりの港めぐり」も終わりが近付きます。・・・今更ですけど場所取りに失敗して良い写真が少ないですね。


海側から見る自衛艦たち
 
北吸岸壁や各艦の甲板など様々な場所から艦船を楽しめる舞鶴GFですがやはり海側からの絵は特別ですね。そして北吸岸壁に潜水艦が接岸してる光景が珍しい。


体験航海を終えて接岸する曳船YT-05 (10:05頃)
 
アジマススラスターにて器用に船体をスライドさせて接岸するYT-05、手際よく係留索や舷梯を準備する岸壁の隊員など相変わらず見事な連携プレーが繰り広げられます。


働き者の曳船は次なる航海へ
 
無事に体験航海を終えてほっと一息ついたのも束の間、曳船は次の見学者を乗せてすぐに出航していきました。キビキビと動く隊員の姿がカッコイイですね。
曳船の体験航海という貴重な経験、大いに楽しませてもらいました。どうもありがとうございました!


令和3年頃から退役が始まると言われている「はやぶさ型」ミサイル艇

ここ舞鶴基地には「はやぶさ」と「うみたか」の2隻が配備されていますが、この光景もあと数年で見納めだと思うと名残惜しいですね・・・


個性的なシルエットを持つ「はやぶさ型」

戦後〜現代における海上自衛隊の長い歴史において様々な形状の艦船が建造されてきましたが、3基のウォータージェットを装備した「はやぶさ型」の艦影はやはり特別です。

乗組員さんによる解説案内で「はやぶさ型に搭載されてるエンジンはかの有名な攻撃機A-10と同じなんですよ〜」と言ってて「あれ? そうだっけ?」と思い改めて調べてみると
A-10が装備しているゼネラル・エレクトリック製のTF34を元に開発されたのが「はやぶさ型」にも搭載されているLM500との事。また1つ知識が増えていい勉強になりました。


舞鶴GFでの光景を凝縮した1枚

「はやぶさ」 「うみたか」 「ふゆづき」 「あたご」、多くの参加者で賑わう北吸岸壁、YT-05船尾の日本国旗など舞鶴GFでの1コマを収めた1枚。
上述通りあと数年で「はやぶさ型」が退役します。それまでに可能な限り海自のイベントに参加し「ハヤブサが生きた時代」を記録したいですね。


DDG-177 「あたご」                            DD-118 「ふゆづき」
 
米国製のAN/SPY-1Dを装備する「あたご」と日本製のFCS-3Aを装備する「ふゆづき」。設計思想や搭載位置が異なる2種類の対空レーダーを見比べるのも一興ですね。


DDG-175 「みょうこう」                                                  DDH-181 「ひゅうが」
 
「みょうこう」と「ひゅうが」はJMUに係留され舞鶴GFには不参加でした。また来年以降ですね。ちなみに「ひゅうが」は今年で就役10周年の節目となっています。


MSC-682 「のとじま」                                     海軍ゆかりの港めぐり 「あさなぎ」
 
「のとじま」もJMUにて整備中。そう言えば掃海艇ってあんまり一般公開される事が無いですね・・・ 機雷掃海という特殊な任務で機密が多いからかな?
・追記

舞鶴グリーンフェスタから約1ヶ月後の2019年6月26日に広島県・三原港沖にて「のとじま」と貨物船が衝突する事故が発生。
「のとじま」の損傷は深刻で多額の修理費がかかると見積もられ費用対効果の点から修理を断念。翌2020年6月12日に除籍となりました。
掃海艇は普段からあまり熱心にチェックしてないんですが、海自ファンとしてはこういう事故による不本意な引退はやはり悲しいものです。
なので(整備中ではありますが)事故前の無傷な状態の「のとじま」を撮影出来た事は幸運でした。「のとじま」の今までの活躍に敬礼!


そして舞鶴市の公式観光船である「あさなぎ」も多くの観光客を乗せて元気に運航中です。ちなみに右端に写ってる黒い物体は「くろしお」の垂直舵です。


今回の舞鶴GFでは魅力的な艦船が多数公開されておりそれらを全部まとめて一度に紹介するのは困難です。なので別ページに分割して紹介してます。



警備犬による訓練展示


今回の舞鶴GFにおける目玉イベントの1つがこの「警備犬による訓練展示」です。 (11:00頃)
 
「海上自衛隊=艦船の運用を中心とした組織である」という固定観念を覆し、柔軟かつ多様(そして可愛い)な任務を紹介するという新しい企画ですね。


舞鶴警備隊で活躍する警備犬たち
  
現在の舞鶴警備隊では上記の6頭の警備犬が活躍している模様。ユーモアを織り交ぜてつつ各警備犬の個性を紹介している点がGood!


見せてもらおうか、海上自衛隊の警備犬の実力とやらを!
 

 
トップバッターは全身真っ黒の毛並みが特徴の嵐です。ジャーマン・シェパードの毛色って茶&黒が一般的だと思ってたので黒一色は珍しいですね。

訓練展示ではまずはウォーミングアップとして伏せ、お座り、その場での待機指示→呼び寄せ、脚側行進(横に並んで歩く)などの基本的動作を披露。

そして格好良いハーネスも激写。軍用/警察犬を表す「K-9」のワッペン、各種装備品を取り付け可能なMOLLEなどタクティカル仕様となっています。


物品持来や障害飛越など
 

 
訓練員が投げた物を咥えて持ち帰る「物品持来」(ぶっぴんじらい)等も披露。この辺は一般家庭でも行ってる普通の訓練かと思いますが海自警備犬の場合はもう少しレベルが高くて
「警備犬が物を咥える直前に待ての号令をかけて動作を中止させる」という芸も披露。指示に対する警備犬の理解力や自制心、そして訓練員との絆が試される興味深い展示でした。

現在の舞鶴警備隊には6頭の警備犬が所属しており、その中でも嵐は最年少(約1歳)で期待のルーキーとの事。今後も更に訓練を積み立派な警備犬として活躍して欲しいですね。


新たなる警備犬が登場
 
ここで選手交代、次に登場したのはランボー(5歳)です。まるで幾多の戦場を渡り歩いてきたベテラン傭兵の様な名前ですが性格は明るく活発で人懐っこいそうです。


臭気選別
 
ランボーが披露するのは「臭気選別」という特技です。とある隊員が長時間着用して臭いが染み付いた軍手を用意し片方を木箱に入れて隠します。そしてもう片方の軍手の臭いを
警備犬に嗅がせて臭いを記憶させて同じ片割れが入った箱を当てさせるという訓練内容です。犬の嗅覚は人間の数万倍と言われており、この臭気選別も楽勝だろうかと思いきや
警備犬にとって匂いを理解・選別する事自体は簡単だが、問題は「その匂いを追跡せよ」という訓練員の命令を理解させる事が難しいとの事です。あぁ〜、そういう事か!
人間と犬は言語が異なるので意思疎通が簡単ではありません。なので目の前に臭い布とか置かれても警備犬にとってはどう反応すればいいのか分からず???となる訳ですね。


見事に軍手を探し当てたランボー
 
意外と難しい臭気選別ですがそこは訓練員と警備犬の信頼関係の見せ所です。「軍手を探せ」という命令をちゃんと理解し見事に軍手が入った箱を探し当てました!

今回はあくまで訓練展示でしたが既に現場での活動実績もあり、2018年の西日本豪雨の際には呉基地所属の警備犬3頭が行方不明者の捜索に尽力したそうです。


人間にとって犬はベストパートナー
 
犬はその優れた嗅覚などにより近年では益々重要性が高まってきており、警備犬・災害救助犬・探知犬など様々な使役犬が登場し活躍の場を広げてきています。

自衛隊では1961年から警備犬を導入してるそうですが本格的な教育・運用が始まったのは2000年代以降という印象ですね。訓練員さんの話によると自衛隊の
警備犬はまだ認知度が低く今後より多くの国民に知ってもらえれば幸いとの事。今回の自分のリポートは拙い物ですが警備犬の魅力が少しでも伝われば幸いです。


パネルによる警備犬の紹介
 

 
警備犬の訓練では難解な呼称(訓練員の横に並んで歩く脚側停座・行進など)の動作が多いのでこうしてパネルで紹介されるとわかりやすいですね。


ファンサービス精神に溢れる舞鶴の警備犬たち
  
警備犬と言うと近付き難いイメージがありますが全然そんな事ありません。画像のヨーゼフ(9歳)の様にお触りや写真撮影もOKでファンを楽しませていました。

先月の熊谷基地さくら祭でも警備犬の訓練展示を見学したのでこれで空自・海自の警備犬を見学した事になります。(陸自の警備犬もいつかリポート予定です)
それぞれの警備犬の能力や練度、展示の内容などに様々な工夫が見られ自衛隊ファンとしては大いに楽しめました。警備犬の更なる成長と活躍に期待ですね。


荷物を車に仕舞う為に一時的に会場を離脱 (13:35頃)
 
赤レンガ倉庫群や造修補給所を抜けて駐車場へ。車とイベント会場が近いとやはり便利ですね。そして無造作に置かれたアスロック・ランチャーとか相変わらず凄い光景だ。

それにしても今回の舞鶴GFは魅力的な企画が盛り沢山で予想以上に見学に時間がかかりますね。(昼食に海自カレーを食べる予定でしたがあまりの混雑ぶりに断念した程)


SH-60Kによる洋上ホイスト訓練 (13:45頃)

赤れんがパーク駐車場に到着すると海側からヘリのローター音が聞こえるので何事かと思ったらSH-60Kが洋上ホイスト訓練を行ってたので慌てて撮影。


主な活動の場が海である事を活かした海自ヘリによる展示飛行

望遠レンズに換装してる時間が無かったので通常レンズで撮影しトリミングしたので画質悪いです・・・ 陸海空問わず自衛隊ヘリによるラペリング/ホイストの訓練展示はよく見ますが、
ヘリのダウンウォッシュにより海面が激しく波打つ様子やウェットスーツに身を包んだ救助員などは海自ならではの光景でしょうか。


「ましゅう」の上甲板は最高の見学場所?

洋上ホイスト訓練を終えたSH-60Kは暫く現場をホバリング。ちょうど「ましゅう」の艦首と一緒に収まる光景になったので1枚パシャリです。これを見てふと思ったんですが
「ましゅう」の上甲板とSH-60Kの高度がほぼ同じだ! これってかなり上等な見学&撮影位置なのでは!?
これは意外な発見ですね。飛行中のヘリコプターをほぼ同じ目線の高さ(しかも超至近距離)で見学・撮影可能と言う素晴らしい環境です。来年のGFでは改めて撮影したい。



こんな感じで舞鶴グリーンフェスタのリポートは半分くらい終了です。魅力的で面白い展示が多数あるので分割して紹介します。続きは以下のページ(↓)をどうぞ〜


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