航空自衛隊 熊谷基地 さくら祭 2019
2019.4.14


昨日の「相馬原駐屯地記念行事」に引き続き今回は航空自衛隊の「熊谷基地 さくら祭」の見学リポートをお送りします。今回さくら祭への参加を決めた理由としては
熊谷基地はまだ行った事が無いので是非とも見学したい、64式小銃が展示されるかもしれないという期待、相馬原記念行事の翌日&距離も近くて都合が良い等です。


道の駅おかべから始まる穏やかな朝
  
かつて某ブラック企業に勤めてた頃はよくココで仮眠取りましたね〜。当時は観光する余裕など皆無でしたが今回はプライベートなのでゆっくりと過ごせます。
数年後に1万円札が改刷される予定ですが、その新しい肖像が実業家の渋沢栄一であり同氏は深谷市の出身という事で大々的にアピールされていました。


熊谷基地に到着 (8:15頃)
 
当初は籠原駅周辺に車を停めて徒歩で向かう予定でしたが現地調査として基地周辺をウロウロしてたら偶然にも良い場所を発見。そのまま運良く駐車する事が出来ました。

熊谷基地を訪れるのは人生初ですかね。同基地の主な任務は第4術科学校で専門技能(通信や気象観測)の教育、そして新入隊員(自衛官候補生など)の教育だそうです。


次々とグランドに着陸する陸海空のヘリコプターたち
 

 
空自の基地ですが滑走路は有しておらずヘリポートがあるのみ。ここに陸海空3自衛隊のヘリコプターが着陸・展示されるというスタイルです。
陸海空3自衛隊のヘリコプターが揃って展示される機会って意外と少ないのでヘリコプター好きにとってさくら祭は贅沢なイベントと言えるかも。

さくら祭は基地の設備や周辺の住宅事情からか派手な展示飛行は行わず地上での装備品展示が主です。こういうノンビリした内容もありかな。


注目の新装備であるドローン

おぉ! 遂に自衛隊もドローンを導入か! 新しい時代の風を感じるな!
展示品の中で一番印象に残ったのがこのドローンです。近年では科学技術の急速な進歩によりこの手の無人航空機(UAV)が急速に普及。
民間では農薬散布や航空撮影など様々な用途でドローンの導入が進んでおり、自衛隊でもいずれは導入される筈だろうと期待していました。


ドローンの詳細
 

 
こちらの機体は名古屋のプロドローンという会社が製作した「PD4-AW-X」という機種です。調達報告書を調べてみると「基地警備用備品」という扱いみたいです。

機体構造としては4枚のローターを備えたクワッドローター式で機体下部にカメラ(GoPro)を搭載し人間がリアルタイムの映像を見ながらコントローラで操縦します。
性能は画像を参照。飛行時間が25分とかペイロードが4kgとか最高速度が時速90kmとなってますがこれって普通なのかな? ラジコンに疎いのでよく分からん。


離陸の為の準備
 
機体上部のカバーを開けてバッテリーを接続していると思われます。横で作業してる隊員さんと比較して分かる様にドローンとしては大型機の部類に入ります。


いざテイクオフ!
 
電動モーターによる静かな駆動音、4枚ローターによる高い安定性、
コンピュータ制御による滑らかな動き、etc・・・ ドローンって凄いな!
 
ローターを回転させて飛行するのでヘリコプターに近い挙動かと思ってたんですが、予想以上にヌルッと飛んでピタッと止まる動きに驚きました。
機体に内蔵された高度なセンサーとコンピュータ、4枚ローターによる細かい姿勢制御があってこそかな。最近の航空機制御技術って凄いね〜。


こんな感じで操縦してます
 
隊員さんがディスプレイの映像を見ながら(もしくは機体そのものを目視しながら)コントローラで操縦しています。こうして傍から見るとスゲェ面白そうですね。
昔のRCヘリだとコントローラから手を離した瞬間に機体が制御を失って墜落するイメージですが最新のドローンなら姿勢維持機能とか付いてるんだろうね。


ドローンが映し出す光景
 
ドローンカメラの映像はリアルタイムで地上に送られ大型ディスプレイでも確認が可能。こういうのってVRゴーグルで操縦したらめちゃくちゃ臨場感あって楽しそう。
それにしてもドローンによる航空偵察って非常に柔軟&便利な活用法だね。OH-6やRF-4とはまた違った利点があります。災害派遣とかで大いに役立ちそうだ。


ドローンのプログラミング
 

 
こちらではドローンの飛行プログラミング(?)体験を実施。離陸、30cm上昇、右へ40cm移動、時計回りに180度回転などの飛行コマンドをパソコンで入力すると
その通りに飛行するみたいです(大盛況で現場が見えず未確認) こんな小さな無人の航空機がプログラムに従って自律飛行する。航空機の進歩は凄まじいですね。


上述のリポートでは今回の熊谷基地・さくら祭で初めてドローンを見たかの様な書き方をしましたが、実は自衛隊でも無人機自体はかなり昔から研究・運用されており
陸自では「遠隔操縦観測システム」や「無人偵察機システム」、海自では訓練支援艦の「くろべ」や「てんりゅう」に「ファイヤービー」や「チャカV」が装備されています。
そして航空自衛隊では数年内に「RQ-4 グローバルホーク」を導入予定です。自衛隊でも無人機の導入が着実に進んでおり、今後追跡調査を強化したい分野です。



警備犬による訓練展示


今回のさくら祭でドローンに次いで面白かったのがこの警備犬の訓練展示です。犬はその優れた嗅覚や身体能力により官民問わず様々な場所で活躍しています。
その高い能力故に軍隊でも「軍用犬」として採用され危険物探知、不明者の捜索、伝令、基地警備などで活躍。自衛隊でも「警備犬」として採用されている存在です。


入間基地・警備犬管理班から出張してきた警備犬たち
 
ハンドラーと並んだ姿が微笑ましい警備犬たち。左がヒエン号、右がレオ号という名前です。○○号という名前がちょっとお堅い感じかな。
航空自衛隊では1961年から基地警備などを目的として「歩哨犬」が導入され、2013年に「警備犬」という名称に変わり現在に至ります。


まずは基本的な動作である服従訓練から披露
 
ハンドラーの横にピタリと付いて同じ速さで一緒に歩く、その場でじっと待つ、遠くから呼び寄せる、投げた物を持って来させるなど基本的な動作を披露。
自衛隊に所属する犬なのでこういった基礎的な訓練は大事です。そしてハンドラーと警備犬の信頼関係が良いですね。これぞベストパートナーって感じ。


警備犬ならではの多彩な身体能力
 

 
ここで選手交代、ロック号という別の警備犬が登場です。歩くハンドラーの脚の間を器用にくぐり抜けたり、不安定な足場を走破したり、障害物を飛び越えたりと
警備犬らしい運動能力の高さを披露。特に4本脚の犬にとって水平梯子を渡るのは中々に困難でありロック号が一歩ずつ慎重に進んでいく姿が印象的でした。
警備犬は基地警備以外にも災害発生時に瓦礫の中から生存者を捜索するといった任務を行う事もあるのでこういった障害物突破能力も必要という事ですね。


優れた嗅覚を活かした捜索訓練
 

 
これは基地内に侵入・潜伏いる不審者を捜索する訓練です。複数の箱が用意されその中の1つに隊員が潜伏、それを警備犬が嗅覚を頼りに探し当てるという内容です。
この捜索訓練を行うのはトム号という警備犬です。次から次へと箱の匂いを嗅いで回るトム号は黄色い箱の前で激しく咆えてハンドラーに合図、見事に見つけ出しました。
犬の嗅覚を最大限に利用したこの訓練。今回は不審者の捜索という内容でしたが災害時における行方不明者の捜索などにも大いに活躍する事間違いなしの技能です。


謎の不審者パンケーキマン現る (笑)
 
こうして和やかに進行していた警備犬の訓練展示ですが突如会場内にアラームが鳴り響き見るからに不審な男が乱入。男は自らを「パンケーキマン」と名乗り
「俺はパンケーキが大好きなんだけどぉ・・・ 会場内のどこにも売ってねえじゃん! もうこんなイベントは滅茶苦茶にしてやんよ!」等と身勝手な意見を主張。
そして通報を受けたハンドラーとヒエン号が現場に急行。「おい、パンケーキマン! 大人しく投降しないと警備犬に襲撃させるぞ!」と警告し緊迫した状況に。


ヒエン号がパンケーキマンを喰らう!
 

 

 
投降する気配の無いパンケーキマンに対しヒエン号が攻撃を開始。いやぁ、もう凄かったですよ。警備犬の勇敢さと獰猛さがMAXでしたね。
ハンドラーの手から離れたヒエン号は一直線にパンケーキマンに突進、相手の腕にガブリと噛みつき、ジャイアントスイングで振り回されても絶対に離さず、相手の体力をジワジワと削り、
倒れ込んだパンケーキマンの腕を食い千切らんとばかりに頭を激しく左右に振り、ハンドラーがパンケーキマンを取り押さえてようやく大人しくなりました。警備犬の攻撃能力ってスゲェ・・・


拳銃を持った不審者にも臆する事無く突撃!
 

 
パンケーキマンを取り押さえたのも束の間、今度は拳銃を持った別の不審者が現れハンドラー達に向けて発砲します。しかしヒエン号は怯む事無く不審者に突撃!
正義の牙が悪を討つ! 牙突! 不審者を物陰から引き摺り出し執拗に攻撃しこちらも御用となりました。警備犬の身体能力の高さを存分に魅せた展示でしたね。


熊谷基地の平和を守ったハンドラー&警備犬に拍手!
 
警備犬の訓練展示を見たのは今回が初めてですが大胆で印象に残る面白い展示であり警備犬への理解も深まりましたね。ハンドラー&警備犬の皆様、ありがとうございました!

そしてミリタリーファンとしてはハンドラーの装備にも注目。空自迷彩服の上下にMOLLE仕様のタクティカルベストや各種ギアというコーディネートが格好良いです。こうして優秀な
市販品を積極的に採用するのは良い事だと思う。更に警備犬には専用の防弾ベストを着せてれば尚良しかな。銃を持った相手に対して警備犬の命を守るのに必要な装備だし。





C-1による展示飛行 (13:40頃)
 
さくら祭は装備品の地上展示が主ですがC-1によるフライ・パスも実施。やはり空自のイベントなので何らかの形で飛行機が飛んだ方が盛り上がりますね。


グライダーの展示飛行も
 
こちらは空自イベントとしては珍しいグライダーの飛行です。機械的な原動力を有さず静かに滑空する姿が印象的ですね。今後機会があればより詳しく調べてみたい航空機です。


主立った展示も終了したので熊谷基地の中をノンビリと散策
 
熊谷基地は新入隊員の教育が主任務であり滑走路も有していない事から比較的穏やか環境&設備の基地という印象ですね。広々とした芝生などがいい感じです。


基地内の施設など
 
左画像の立派な建物は第4術科学校です。こちらでは通信機器の取り扱いや気象観測などを教育しているそうです。ちなみに未公開(?)で内部は見学出来ず。

右画像は名前の通り補給倉庫です。一般的な基地の倉庫と違い開口部が小さい点が特徴・・・かな? 本日はドローンのプログラミング体験が行われていました。


かつて空自で運用されてた展示機を眺めたり厚生センターで買い物したり
 
左の画像は「みいず通り」と呼ばれ空自における歴代の運用機や桜並木が楽しめる道路となっています。展示機の紹介についてはコチラをどうぞ。

そして厚生センターでお買い物。建物内にはミニストップが入っており空自隊員の生活を垣間見る事が出来ます。こちらでは生徒隊の識別帽を購入。


熊谷基地にも長き歴史あり
 
熊谷基地の歴史を調べてみると1935年(昭和10年)に「熊谷陸軍飛行学校」として創設されたのが始まりで当時は大日本帝国陸軍のパイロットや整備士を育成していました。
そして1945年の終戦に伴い閉鎖され米軍が接収。アメリカ陸軍・第43師団が暫く進駐した後に1958年(昭和33年)に航空自衛隊・熊谷基地として再編され現在に至ります。

左画像は昭和13年(1938年)に昭和天皇が御臨幸された記念碑です。右画像の「荒鷲の碑」は熊谷基地が発足してから現在までの殉職者を慰霊する為に建てられた物です。
他にも陸軍飛行学校時代にこの場所から巣立ち、そして戦地で散華していった若鷲の慰霊碑もありました。こうした慰霊碑から熊谷基地の歴史を学ぶ事も中々に有意義ですね。


お花見したりランチしたり
 
もうこの時期では埼玉県の桜は散り始めておりやや寂しくはありましたが立派な桜並木も堪能。(先週買ったハブドリンクと共に)ランチもそこそこ楽しみました。


入間基地へ帰投するCH-47
 
楽しかったさくら祭も終わりが近づきCH-47も帰投準備に入ります。陽気なクルー達によるお別れの挨拶など最後まで我々ファンを楽しませてくれます。


凄まじいダウンウォッシュと共に離陸するCH-47



ぐわぁぁ! すげぇぇDownWashだぜ! 巻き上げられた芝が目に刺さるぅぅ! 目が! 目がぁ〜!
相馬原などで陸自チヌークの離陸はよく見学しますがあちらはコンクリート製の滑走路で尚且つ距離があるのでそれ程強烈なダウンウォッシュは感じませんが、
今回の熊谷の空自チヌークは芝生&至近距離なのでダウンウォッシュが実に凄まじく、チヌークの能力を体感できる大迫力の離陸シーンに興奮させられました。

これにて熊谷基地・さくら祭は終了。初めて見る基地、初めて見る装備品ばかりでとても楽しいイベントでした。熊谷基地の皆様、どうもありがとうございました。


この後15:30頃に会場を離脱、20時過ぎに帰宅となりました。熊谷って思ったより遠くないですね。ちなみに今回のさくら祭での撮影枚数は約1400枚でした。


今回の戦利品

空自イベントとは関係ないグッズもいくつか混じってますが良い物があればTPOに拘らず買うスタイルなので購入。はいふりストラップとか投げ売り状態で可哀想だったので・・・

あと戦果に関してですが64式小銃の展示が無かった事がちょっと残念です。戦後初の国産小銃ですが徐々に退役が進んでいるので出来る限り現役稼働状態を見ておきたい。


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