Operation 京阪神
2019.5.17〜19
海自ファンの自分にとって「年に1度は舞鶴基地を見学に行く」という事が恒例行事です。という訳で今回は「舞鶴グリーンフェスタ2019」に参加する訳ですが
折角だから舞鶴以外の海自基地も見学したいな。例えば神戸の「阪神基地」とか。
と考えて色々と予定を調整。
最終的に「舞鶴基地(京都)と阪神基地(神戸)を見学して関西エリアにおける海自基地の理解を深めつつ大阪で軽くショッピングする事」を目的に計画を立案。
これを
「Operation 京阪神」
と命名しました。京都・大阪・神戸という関西を代表する3大主要都市を(限定的ですが)巡る行程となります。
16日の22:30頃に自宅を出発。駒ヶ根IC→小牧JCT→養老SA(休憩)→米原JCT→敦賀JCT→舞鶴東IC(¥4790)というルートで現地へと向かいます。
舞鶴は過去に何度も行ってますがやはり遠いですねー(疲弊) もっと効率的なルートとかあれば嬉しいですが・・・ (例えば岡谷JCTと敦賀JCTを直線で結ぶ新高速の建設とか)
※追記:調べてみると松本市と福井市を結ぶ「中部縦貫自動車道」というのが計画中らしいですね。完成(開通)するのはまだまだ先らしいですが完成したら是非通ってみたい。
舞鶴市に到着 (09:30頃)
舞鶴グリーンフェスタ自体は18日の開催ですが最近は体力の低下が著しくてハードなスケジュールは厳しいので有給を取って前日に現地入り。平日の穏やかな時間帯にのんびりと舞鶴を観光します。
まずは北吸岸壁の状況をチェック。「相変わらずましゅうはデカいなー」とか「ひゅうがは整備中か、じゃあ明日のGFには不参加かな・・・」など久し振りに見る舞鶴基地の光景にテンションが上がります。
「ふゆづき」の入港を確認
ふと舞鶴湾を見ると「ふゆづき」が入港してきました。どこかで訓練を行っていたんでしょうね。お疲れ様です。明日のGFでの公開が楽しみです。
とれとれセンターで新鮮な海の幸を堪能
海自基地と並んで舞鶴の魅力となっているのが新鮮な海の幸。プリプリの岩牡蠣など上質な舞鶴グルメを堪能します。疲労気味の身体にとって牡蠣の栄養は効果的ですね。
海上保安庁・第八管区
とれとれセンターと隣接する海上保安庁の基地(第八管区)も軽く見学。海上保安庁は専門外ですが海自と同じく海の治安を守る組織なのでその存在や活動には敬意を表したいです。
「PL75 わかさ」 「PLH10 だいせん」
船体が白色で塗装されている、大口径砲やミサイルを搭載していないなど海自の護衛艦とは構造や運用方法が異なるのが海保の巡視船。いつかどこかで見学出来る機会があればいいですね。
「監視艇 あおば」 「客船 ル・ソレアル」
左画像は大阪税関・舞鶴税関支署に所属している監視艇「あおば」です。白い船体なので海上保安庁の船かと思いましたが税関の船なんですねー。「密輸入・密入国は許さへんでぇ!」って訳やな。
そして舞鶴西港の奥の方には何やら豪華客船が停泊中。調べてみるとフランスの「ル・ソレアル」という小型豪華客船で南極クルーズや美味しいフレンチが楽しめるみたいです。羨ましいですなぁ・・・
北吸岸壁や海保基地を見学した後は車を走らせ舞鶴市の北部へ
舞鶴には過去何度も来てますがいつも見て回るのは市街地のみであり北部まで足を延ばしたのは実は今回が初めてですね。クレインブリッジを渡ったその先には緑豊かな山々、
美しい舞鶴湾に面した海浜公園や漁村などがあり、「舞鶴って海自基地と商業港のイメージが強かったけどこういう自然豊かな場所もあるんだなー」という新しい発見がありました。
ランチは「ひうち」のキーマカレー
舞鶴北部へ赴いた理由がこの「ひうち キーマカレー」です。挽肉がたっぷり入ってて辛さも丁度いいルーが絶品、そして舞鶴湾を眺めながら食べるというロケーションが素晴らしいです。御馳走でした。
自然やグルメが楽しめる親海公園
この場所は親海公園として整備されており上述の「ひうち カレー」といったグルメは勿論、フィッシングや散歩や可愛い野生動物(?)などが楽しめる隠れ観光スポットとなっています。
「エル・マール まいづる」 見学
上述の通り「ひうち カレー」を目的に舞鶴北部まで来た訳ですが、そこで出会ったのがこの「エル・マール まいづる」です。この船については完全にノーチェックで今回現地で初めてその存在を知りました。
関西電力のPR施設 「エル・マール まいづる」
「エル・マール まいづる」は関西電力が運営している広報施設で生活に関わる各種エネルギーの解説、舞鶴市の歴史の紹介、プラネタリウム等を展示しています。
退役した船を改造・再利用したという訳ではなく、客船の外見を模して新規に造られたらしい。こういう遊び心のあるデザインは良いですね。ちなみに入場無料です。
展望室 (3F)
施設の3階(船で言うと02甲板)はブリッジを模した造りの展望室になっており、船橋の雰囲気を楽しめると同時に美しい舞鶴湾を眺望する事が出来ます。
テレグラフや号鐘など
舵輪、コンパス、テレグラフなど操船に関する機器は実物を設置してる様で雰囲気はバッチリ。画像のテレグラフは「AHEAD−SLOW」なので「前進微速」といった感じですね。
展望デッキ
広々とした展望デッキからは美しきリアス式海岸や古き良き時代の面影を残す漁村などを眺める事が出来ます。甲板には双眼鏡、伝声管、航海レーダー等もあり船の機器的にも楽しめます。
船の体験館 (2F)
施設の2階(船で言うと01甲板)は豪華客船の内装をイメージした造りとなっており、高級家具、航海道具、クルーズ船の生活などが展示紹介されています。
クルーズ旅行や海運会社のポスター
日本は海洋国家なので海外との取引や往来は必須です。これらのポスターを見ると日本の古くからの貿易の歴史を感じさせられますね。
キャプテン・ルーム
この船長室は「1900年代初頭の英国の豪華客船」のイメージで作られたそうです。海洋関連の書籍が並んだ本棚、船長が愛用してるパイプタバコや万年筆、
紳士の嗜みである正装コートやチェス盤、世界中から集められた珍しい品々が飾られたとてもエレガントな空間となっておりアンティーク好きには堪らないです。
まるで豪華客船のような内装
メインフロアには上等なテーブルセットが並べられ、いつの間にか豪華客船に乗船していたかの様に錯覚してしまいます。
船に関するライブラリー
壁には結索や信号旗のサンプル、船の運用に関するQ&Aや小ネタが紹介されており船に関する理解をより深める事が出来ます。
船員たちの生活様式
船員の役職や階級、航海で使用する道具(六分儀や航海記録簿)なども紹介されています。艦船好きとしても見応えがあり面白いですね。
船上で提供される極上のサービス
素晴らしきクオリティーで提供されるベッドメイキングや食事。左画像は毛布を器用に折り畳んで作られる「花毛布」という芸術品の様な逸品です。
小さなテーブルの中に広がる大きな世界
テーブルの中には世界各国の絵ハガキや記念切手、航海に関する小物等が展示。小さなテーブルの中に世界各国の異文化が詰まっています。
精巧な模型と共に豪華客船の進化の歴史を紹介
のんびりとクルーズを楽しむ事を目的とした豪華客船は19世紀末頃に登場し時代と共により大きくエレガントに進化してきました。
自分の収入やライフスタイルだとこういった豪華客船とはほぼ無縁ですが、今後機会があれば色々と詳細を調べてみたいですね。
舞鶴体験館・プラネタリウム (1F)
施設の1階(船で言うと上甲板)はプラネタリウムや地元・舞鶴の紹介コーナーとなっています。プラネタリウムとかもう何十年も見てないですね・・・
舞鶴の港 その歴史と役割
軍港として栄えてきた東港、商業港として発展してきた西港など舞鶴の歴史がパネルで分かりやすく紹介されており、官民双方への理解がより深まります。
他にも縄文時代から現代に至るまでの舞鶴の歴史や文化、市内の観光名所など舞鶴の魅力が余す所無く紹介され、ミリタリーと観光を併せて楽しめます。
エネルギー体験館 (B1F)
エル・マールまいづるは関西電力の広報施設なので地下1階(船で言うと第2甲板)はエネルギーに関する展示となっています。正に「船の底部の機関室」という感じですね。
蒸気機関・内燃機関・電動モーターといった動力源の種類、ダイムラーやファラデーなどエネルギーの発見・発明に関する偉人、火力や原子力など現代の発電方法の種類、
そして現在の日本におけるエネルギーの発電量及び消費量のバランス等とにかくエネルギーに関する紹介が豊富で、理系の人間にとっては非常に見応えのある展示です。
舞鶴発電所
舞鶴に発電所があったなんて初めて知ったよ・・・
と言うのが第一印象。石炭による火力発電を行っているそうです。舞鶴の新たな一面を発見ですね。
こんな感じで「エル・マールまいづる」の見学リポートは終了。偶然発見して何気なく立ち寄った施設でしたが予想以上に充実した展示内容であり、お薦めの舞鶴観光スポットです。
舞鶴市街地 散策
当初の予定ではこの後「引揚記念館」を見学する予定だったのですが、エル・マールまいづるの見学で予想以上に時間を費やしてしまったので引揚記念館の見学は断念。
そして本日最後の見学予定地である共楽公園へと向かいます。
共楽公園は去年も訪問しましたが目的であるアロハ桜が未見学
だったので今回はアロハ桜が目的です。
戦後の日米友好を願って植えられた平和の桜
去年とは異なり今年は正面ルートから共楽公園を散策。するとすぐに目的のアロハ桜の記念碑を発見しました。解説文によると
第二次世界大戦終結後の舞鶴市は戦争の爪痕によって酷く荒廃した状態となっており、その様子に心を痛めたハワイ出身の日系二世アメリカ人兵士らが
「我々日系アメリカ人は人種差別という苦難の歴史を歩んできた。そして終戦直後の荒廃した舞鶴市やそこで懸命に生きる人々は自分達の境遇と重なる。
なので日本を祖国とする日系アメリカ人として舞鶴市の戦後復興と平和を願い、日米友好の証しとして約100本の桜を寄贈・植樹しました。 (意訳)
といった歴史が紹介されていました。(ちなみに桜を植えた日系アメリカ人兵士達はその後に勃発した朝鮮戦争に出兵していったそうです・・・)
日系アメリカ人という複雑な立場で先の大戦に参加し戦後は祖国・日本の戦後復興に尽力する。未来に語り継ぎたい心温まるエピソードです。
現在は5月なので桜は散ってしまい新緑が眩しい季節ですが今後機会があれば「満開のアロハ桜に彩られた春の舞鶴」も訪れてみたいところ。
改めて共楽公園を散策
去年は酷暑による夏バテで十分に見学出来なかった共楽公園を改めて散策。上述の通り多くの桜が植えられ春には地元民によるお花見で賑わうようです。
そして北吸岸壁も少しだけ眺める事が可能。毎年舞鶴を訪れ様々な場所を歩き新たな景色を発見する。こうして舞鶴への理解が深まるのは良い事ですね。
日時計や慰霊碑など
共楽公園内をブラブラと散策してるといくつか気になる物を発見。左画像の大砲の様な物は日時計との事。微妙にアートチックな知的教養遊具ですね。
そして戦争や軍隊に関する記念碑も発見。真ん中は東郷平八郎に関する忠魂碑、右は昭和20年7月の舞鶴空襲で犠牲となった舞鶴海軍工廠の学徒
の慰霊碑だそうです。軍港として敵の攻撃を受け多くの人命が失われた舞鶴。自分は他所者ですが亡くなられた戦争犠牲者達に哀悼の誠を捧げます。
海軍墓地も再訪し慰霊
この場に相応しくないゴミ等によって荒らされていれば綺麗に片付けようかなどと考えていましたが、有志による清掃が行き届いており安心しました。
夕食は「ましゅう」のカレー
これにて舞鶴観光の1日目は終了です。夕食には美味しいましゅうカレーを頂きました。プルプルとろとろの牛すじが絶品、ご馳走様でした。
この後は光の湯で入浴し疲れた体をリフレッシュ。そして明日のグリーンフェスタに備えてとれとれセンターでのんびり車中泊となりました。
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