航空自衛隊 岐阜基地 航空祭
2017.11.19
今回は航空自衛隊・岐阜基地の航空祭のレポートをお送りします。自分にとって今年唯一参加した航空自衛隊のイベントです。
(※10月15日の「エア・フェスタ浜松」は悪天候の為、11月3日の「入間基地航空祭」は目当てであるF-4が不参加の為、それぞれ参加を断念した結果です。)
前日18日の11:10に自宅を出発。国道19号をひたすら南下して岐阜基地へ向かいます。今年は収入が激減し予算が厳しいので全て一般道での移動です。
道の駅・木曽福島から見る紅葉の木曽路 南信地方の名物である五平もち
道の駅・木曽福島で五平もちを食べたり紅葉を眺めながら休憩。本日は生憎の空模様ですが晴天時には御嶽山が見えます。御嶽山と言えば2014年の噴火災害を思い出しますね・・・ 犠牲者の方々のご冥福をお祈りします。
この後更に国道19号・21号を進み志野・織部の道の駅で休憩した後に17:45頃に岐阜基地(各務原市)に到着。GPSアプリによると最後に各務原市を訪れたのは2012年10月に仕事で来た時以来みたいです。
岐阜基地・正門
現地偵察と情報収集を兼ねて基地周辺をぐるりと一周。画像は基地の西に位置する正門です。既に翌日の航空祭の準備が進んでいます。(※ちなみに自分は北門から入場予定)
余談ですが岐阜基地の真向いに陸上自衛隊・岐阜分屯地がある事をこの時初めて知りました。守山駐屯地(愛知県)の分屯地との事。空と陸が並ぶ面白い立地ですね。
かかみがはら航空宇宙科学博物館 (閉館中) 夕食のあんかけスパゲティー(ミラカン)
本来なら「かかみがはら航空宇宙科学博物館」も見学予定だったのですが、リニューアル工事の為閉館中でした。同館の展示物の中で個人的に注目してるのが三式戦闘機・飛燕です。今後改めて見学したい案件です。
夕食は「あんかけスパゲティー」です。本来は名古屋グルメですが岐阜県にも結構浸透してます。個人的に大好きな料理なのですが、長野県内で食べられる店は多くありません。という訳で久し振りに美味しく頂きました。
こうして現地偵察や夕食を済ませた後に事前に調べておいた車中泊ポイントへ。明日の航空祭に備えて早めに就寝です。この日はそこそこ寒冷な夜でしたが長野県人の自分からすれば全然問題ないレベルでしたね。
日付けが変わって19日、いよいよ岐阜基地航空祭の始まりです。途中で川崎重工の敷地内を通過しつつ岐阜基地の北門を目指します。
随分昔に岐阜基地航空祭に参加した際は三柿野駅周辺で入場待ちの混雑に巻き込まれた記憶がありますが、今回は川崎重工が迂回路として開放されていた為か比較的スムーズに進む事が出来ました。
それにしても川崎重工の内部に入ったのは初めてですね。写真撮影禁止だったのでただ通り過ぎただけですが、航空機や潜水艦の製造で有名な同社の内部を垣間見れただけでも非常に貴重な体験です。
手荷物検査を済ませ07:45頃に基地内に入場
岐阜基地航空祭に参加するのは何年ぶりでしょうか・・・ え〜と、17年振りくらい?
過去の記憶が曖昧でハッキリと断言出来ませんが、1999年頃に父親に連れられて参加したのが最後かも。去年の百里基地と同じく空自イベントの空白期間が酷いですね・・・
今回の参加者数は約130000人だそうです。ちなみに去年は約60000人らしいので2倍以上に増えてます。4年振りのブルーインパルスや室屋氏の参加が理由かな。
基地内の様子 (北会場)
約17年振りの岐阜基地という事で基地内の写真をいっぱい撮ったのですが・・・カメラの設定を間違えてISO感度12800のまま撮影してたのでまともな写真がありません。
一応弁解させてもらうと昨晩に夜間撮影の練習をしててその際にISO12800に設定してたんですが、うっかりその設定のまま本日の航空祭に参加、撮影し続けてました。途中(09:20頃)で気付いて慌てて設定を戻しましたが
それまでに撮った何十枚もの写真は見るに堪えない状態となっていました。全ては自分の未熟なカメラテクニックが原因ですが、「ISO感度を上げ過ぎるとこういう写真になる」という勉強になりました。今後は気を付けたいです。
それでは気持ちを切り替えてレポートを続けましょう。岐阜基地は「飛行開発実験団」を擁する少々特殊な基地であり、珍しい機種が多数配備されています。その中で個人的に最も衝撃を受けた航空機がコレ↓
F−4EJ ”特別塗装機” (87−8409号機)
何かスゲェェ珍しい迷彩のF-4がいるじゃぁぁん!?
F-4を見学する事が目的の自分にとっては今回の特別塗装機は非常に刺激的かつ魅力的な出会いでした。
通常塗装のF-4EJやトリコロールカラーのF-2など
これらの地上展示機や各種装備品などは装備品展示のページでまとめて紹介してるのでそちらをご覧ください。
飛行展示
それではいよいよ飛行展示のスタートです。そして例の如く今回も多くの写真をトリミングしています。いい加減にまともな望遠レンズが欲しいですねぇ・・・
T-7によるオープニングフライト
上述しましたがこの時点ではまだISO感度の設定を間違えたまま撮影してたので完全に撮影失敗してます。フィルムカメラで撮った下手くそな写真みたいになってしまい申し訳ない・・・
KC-130H (85-1080号機)
小牧基地の第401飛行隊から参加したKC-130H。世界的にも有名な傑作輸送機であるC-130シリーズ。航空自衛隊では何十機も保有し全国の基地に配備されているのかと思ってましたが、
調べてみると保有数は16機で全ての機体が小牧基地・第401飛行隊で運用されているとの事です。更に画像の85-1080号機は空中給油機能が追加装備された”K”C-130Hとなっています。
F−4EJ”特別塗装機”が離陸 (10:15頃)
貴重な特別塗装機の離陸シーンなのですが、実はこの時第3格納庫で各種エンジンを見学してたので撮影失敗気味に・・・ しっかりと状況を確認し計画を立てて行動したいですね。
F−15やF−2も離陸
私の撮影テクニックが未熟な上に今回は天候が不安定で晴れと曇りの差も大きかったので相変わらず良い写真がありません。どうか寛大な心でご覧いただければと思います・・・
F−2A (13−8514号機)
私の未熟な撮影テクニックは勿論ですが、暗く濃い目の洋上迷彩に曇り空という厳しい条件なので尚更上手く撮れず・・・
F−15DJ (12−8078号機)
今回のF−15の場合はたまたま晴れ空をバックに撮影できた(光量を取り込めた)ので、自分の腕前としては多少良く撮れたかなーとも思ったり。
F−4EJ ”特別塗装機” (87−8409号機)
今回の航空祭の目玉とも言える特別塗装機のF−4EJ。 ・・・なのですが写り具合については画像の通り。なので最早何も弁明する事はありません・・・
機体底面に描かれた”各務原飛行場百周年”の文字
今回のF−4は独特の暗緑迷彩が特徴ですが、機体底部には各務原飛行場の開設100周年を記念した特別メッセージが。詳しくは装備品展示を参照。
余談ですが帰宅後に写真を確認してて気になったのですがF-4の背中(暗緑迷彩)を写した写真が殆どありませんでした。
自分は基地の北会場から見学・撮影してたのですが、F-4や他の航空機の飛行は北会場の観客に機体底面を魅せる飛行ルートだったのかも知れませんね。
逆に言えば南会場の観客は機体の背中がよく見えて底面が見えなかったという事に。南会場には常設展示機があるらしいので今後改めて見学したいですね。
※折角なので悪い撮影例も紹介
思いっきり逆光になってて被写体のF−4が真っ黒になっている点は勿論ダメなのですが、一番の問題点はカメラのセンサーに付着したゴミ。
撮影中は気付かなかったのですが、家に帰ってじっくり画像をチェックしてたら発覚。全ての画像に写ってる訳ではなく特定の撮影条件でのみ出現する様です。
「交換レンズ式カメラにとってセンサーのゴミは宿命」と言いますが今回それをハッキリと実感。とりあえずブロアーで吹いて簡易清掃したので暫くは様子見です。
KC-767による空中給油のデモンストレーション
空中給油は岩国フレンドシップデーでも見ましたが、アメリカ海兵隊がプローブアンドドローグ式なのに対し、航空自衛隊はフライングブーム式なのが対極的で面白いですね。
余談ですが昔「エースコンバット」シリーズをプレイしてた頃は空中給油が苦手でしたねー。位置調整が難しくて・・・ なので自分にはフライングブーム方式の方が合ってるかも。
KC-767 (87−3601号機)
小牧基地の第404飛行隊の機体です。ベース機が旅客機であるボーイング767なので、空中給油機能以外にも貨物や人員の輸送能力も有してて航続距離も長いので輸送機としても活躍する事もあるらしい。
午前の飛行展示が一区切り付いたので昼食&グッズ購入
焼きそば、唐揚げ、牛タンフランクなど。今年は入場者数が去年の2倍以上なので売店エリアも激混みでした。イベントのプロならば弁当持参が常識なんでしょうけど自分はお祭り気分を味わいたいのであえて現地派です。
ブルーインパルス及び室屋義秀氏によるアクロバット飛行
岐阜基地では4年振りとなるブルーインパルス参加だったのですが画像の通り最悪の空模様。今回の岐阜に限らず2017年は天候不良が多いですね。空自にとってもファンにとっても残念な年です。
悪天候により予定が一部変更となり撤収するF-4EJ(77-8398号機)とF-15J(02-8914号機)
パラパラと小雨が降り出すなど最悪な天候となってしまいスケジュールが一部変更。異種大編隊飛行に参加予定だった機が撤収していきました・・・・
岐阜基地航空祭名物である異種大編隊飛行
岐阜基地航空祭の名物として名高い異種編隊飛行なのですが、画像の様に今回はたった3機のみです。全然大編隊じゃない・・・
自分にとっては10数年ぶりの岐阜基地航空祭なので異種大編隊飛行を楽しみにしてたのですが今回は非常に残念な結果に・・・・ 来年以降に期待ですね。
F-2やF-15なども単独で飛行
異種大編隊飛行が残念な結果となってしまったので、その不足分を補うべく(?)頑張って飛行を披露してました。 「例えグループ結成が失敗しても! ソロで頑張るぜ!」的な感じかな?
飛行展示のラストを飾るのはC-1 FTB (28-1001号機)
戦後初の純国産輸送機として開発されたC-1。画像の機体は1970年11月12日に試作1号機「XC-1」として初飛行を行った日本で最初&最古のC-1です。
「XC-1」として誕生した本機はその後「C-1 FTB」(Flying Test Bed)と名前を変え飛行実験機として現在も活躍中
機首に装備された長い計測用プローブが大きな特徴です。飛行実験機なので様々な装備を取り付けて試験を行っており
過去には片方の主翼に3基目のエンジンを取り付けた状態で試験を行ったりしたそうです。
長い歴史を持つC-1初号機
今から47年前に初飛行を行った本機が実験機として最新の装備を搭載・試験しながら現役バリバリで飛んでるってスゴく凄い事ですね。
輸送機らしからぬアクロバットな飛行を披露
C-1の得意技とも言える機体を90度近くバンクさせた状態での旋回。他にも600mで離着陸が可能など随所に優れた性能が備わってます。
日本に1機だけの特別なC-1
本機は記念すべきC-1初号機であり、同時にFTB(飛行実験機)という特別な存在です。飛行開発実験団を擁する岐阜基地ならではの機体と言えますね。
そしてこの機体はカラーリングから「銀ちゃん」と呼ばれ親しまれているそうです。こうして銀ちゃんと出会えた事は自分にとって素敵な思い出になりそうです。
これにて飛行展示は全て終了です。岐阜基地隊員の皆様、お疲れ様でした!
今回は生憎の天候によりスケジュールが変更になったりしましたが、岐阜基地(飛行開発実験団)ならではの珍しい航空機を多数見れて有意義なイベントでした。
速やかに撤収準備を行う隊員達
F-4のコックピットに搭乗してるこの人はパイロットじゃなくて整備員かな? それにしてもキャノピーの水滴を見て分かる様に今回は本当に残念な天気でした。イベントが終わる頃には寒さに震えながら写真撮ってました・・・
帰投するブルーインパルス
2017年の航空祭は全国的に悪天候が多く、各地へ展開したブルーインパルスも練習の成果を発揮出来ずに悔しい思いをしたと思います。来年こそは綺麗な晴れ空に鮮やかなスモークを描けるといいですね。
陸自のヘリが帰投したりエンジンにカバーをかけたり
15:50頃に基地を離脱
夕食とか戦利品とか
夕食は昨日と同じくあんかけスパゲティーです。今回はバイキングというシーフード系メニューをチョイスしました。長野県に帰ったらほぼ食べられないグルメなので名残り惜しみながらじっくり味わって食べました。
この後国道19号を北上しながら長野県に向けて帰投。途中の賤母の道の駅でやっぱり寝落ち(熟睡)してしまい、帰宅したのは何と翌日20日の07:15でした・・・ まぁ、事前に有給取ってたので問題ないけど。
今回の走行距離は約510km。百里とほぼ同じ距離ですね。長野県を中心として見た場合、百里と岐阜は対極にある基地と言えるかも。そして撮影した写真は約960枚でした。(最終的には510枚程まで整理)
右の画像は今回の戦利品です。岐阜基地及び飛行開発実験団(旧:実験航空団/APW)のワッペンや宇宙食、ブルーインパルスのパンフレットなど。 ※F-4EJやF-104JのプラモはAmazonで通販した物です。
これらの中で珍しいのが2017年航空観閲式の記念ワッペンかな。観閲式自体は悪天候で中止でしたが、B-1BとB-2が参加予定という神イベントだったのでせめてワッペンだけでも。
そして微妙に失敗したなーと思ったのがATLA(Acquisition Technology & Logistics Agency/防衛装備庁)のワッペンを買わなかった事。岐阜基地は飛行開発実験団を擁しておりATLAのロゴを多く見かけたので。