第41回 アメリカ海兵隊/海上自衛隊 岩国航空基地フレンドシップデー
2017.5.5

それでは引き続き岩国フレンドシップデーの午後の様子をリポートします。天気予報だと本日は曇りの予報でしたが、午後からは晴天に恵まれ良好な撮影環境となりました。


午後イベントの先陣を切ったのはエボルブ・エアロスポーツによる高度1万フィートからのムササビスーツ・ジャンプです。
 
左の画像はかなりトリミングした物ですが一応ムササビスーツの形状が確認できます。見ての通りユニークな形状なので滑空中の姿勢制御とか方向転換が非常に面白そう。


ウィスキーパパによる2回目のアクロバット飛行
 
午前中と同じく軽快なアクロバット飛行を披露。午後は雲が殆ど無くなり快晴だったので機体の動きやスモークがより鮮やかに見えました。
右の画像は確か「ウィスキーパパ版バーティカルキューピット」を披露してる写真です。ブルーの技に挑む果敢な姿勢が素晴らしいですね


F-16 ファイティング・ファルコン  (#35OG)  「35th Fighter Wing」(第35戦闘航空団)
 
午前とは別の機体が飛行。「尾翼の350G(さんびゃくごじゅうジー)って何だ・・・?」と思い調べてみると「35th Operation Group」(第35運用群)の司令官機だと判明。
第35運用群は2個の戦闘飛行隊によって構成され、尾翼上端の2色の塗装(フィンチップ)は赤は「第13戦闘飛行隊 パンサーズ」を、黄色は「第14戦闘飛行隊 サムライズ」を意味しているとの事です。
更に尾翼に大きく描かれたWWの文字(テールコード)はWild Weasel(凶暴なイタチ)の略で、敵の防空網制圧(レーダー破壊)という危険な任務を担当している機体という意味らしい。
こうやって色々調べると機体に描かれた文字やマークの意味、所属先を理解するのって楽しい!って思います。今後は航空機に関する知識や情熱が加速しそう。


F-2B  (#53-8130)
 
築城基地(福岡県)から飛来した第8航空団隷下・第6飛行隊のF-2B。何だかんだでF-2はじっくり観察&撮影した事って無いですね。今後別の航空祭とかで改めてチェックしたい。


室屋義秀氏による2回目のアクロバット飛行
 
午前中と同じくアクロバット飛行を行う同氏。注目すべきは右の画像でスポンサーであるレクサスのロゴを描くをいう妙技を披露してました。ウィスキーパパと同じくチャレンジャーですね。


KC-130J(#7923号機)                                                    パラシュート降下するゴールデンナイツ
 

 
去年と同じく華麗なパラシュート降下を披露。ミリタリーにおけるパラシュートって作戦実行用の実用本位なイメージでしたが、こうして広報活動として使われる時代になったんですね。平和で良い時代だ。



海兵空陸任務部隊(MAGTF) デモンストレーション

今回のフレンドシップデーにおける注目すべきイベントの1つが海兵空陸任務部隊(Marine Air Ground Task Force : MAGTF/マグタフ)によるデモンストレーションです。
アメリカにおいて陸軍・海軍・空軍に次いで「第4の軍隊」とも言われる海兵隊は独自の装備・戦術によって構成されており、単独での作戦遂行能力を備えてる点が大きな特徴です。
そして海兵隊内において作戦実行の為に必要な部隊を集めて編成されるのがMAGTFであり、「指揮」 「地上戦闘」 「航空戦闘」 「兵站」の4つの部隊によって構成されています。

今回は海兵隊及びMAGTFとしての作戦遂行能力を披露すべく、上述の4つの部隊が互いに連携しながらオペレーションを実行する様子がデモンストレーションとして行われました。


海兵隊の航空戦力の主力! AV-8B ハリアーUの離陸(15:00頃)

冒頭でも述べましたがハリアーはF-35Bに更新される事が決定しています。なのでハリアーが見られるのは(100%断言できませんが)今回が最後と言えます。
My Most Favoriteな航空機のAV-8Bの最後の勇姿を! この眼に焼き付けよう!という想いで撮影開始。
ただ有料観覧席の制約により使用したカメラが135mmレンズだったので撮影距離を詰められなかったのが残念。なので画像はかなりトリミングした物です。


AV-8B ハリアーU (#WL05)  VMA-311 ”Tomcats”

今回ラストフライトを行ったAV-8BはVMA-311に所属する#WL05号機です。本当なら正確なシリアルナンバーを確認したい所ですが、この画質では厳しいです・・・
そして同機が所属する部隊であり、現在岩国基地に展開しているのが「VMA-311 Tomcats」です。今年1月28日にアリゾナ州ユマ基地から到着・展開しています。
指揮官はクレイグ・E・シャフナー中佐、約200名の隊員と8機のAV-8Bにより構成されているとの事です。(※追記 : 同部隊は5月31日にユマ基地に帰還しました)


F/A-18D ホーネット (#DT02)  VMFA(AW)-242 ”Bats”
 
ハリアーUと並び海兵隊の主要な航空戦力であるF/A-18D。しかしよく考えるとD型も結構古いですね。調べてみると2000年8月に生産は終了したとの事。今後はE/F型(スーパーホーネット)に移行するんでしょうか?


KC-130Jから空中給油を受けるF/A-18D (15:03頃)

去年と同じく空中給油のデモを披露。ただ去年は2機のF/A-18に対し同時に空中給油を行っていたので、「今年は1機だけか、何か中途半端だなー」と思ってたんですが
調べてみると前日の予行演習ではF/A-18DとハリアーUが2機並んで空中給油を受けるという素晴らしい内容だったらしい。
しかし予行演習の際にハリアーに問題が発生したらしく(緊急で燃料放棄とかしたらしい)、その結果本番での2機種同時空中給油は中止となった模様。悔しい展開ですね。


F/A-18Dによる模擬地上爆撃 (15:07〜15:13頃)
 
航空支援として地上の敵を攻撃するF/A-18D。模擬地上爆撃のシーンは去年も見てるので「あ、そろそろ爆撃来そうだな」って感じである程度タイミングを予測して撮影出来たのが幸運でした。
※余談ですが前日の予行演習の際にも模擬地上爆撃を行ったみたいですが、その時の爆発が大き過ぎて(火が消えなくて?)消防車が出動する騒ぎになったとか・・・ 安全管理は大事ですね。


海兵隊員を輸送するMV-22B (15:11頃)
 

 
敵陣地に強行着陸し海兵隊員を展開させた後に迅速に現場を離脱するMV-22B。こういう実戦的なシュチュエーションを見せられるとMV-22が将来有望な汎用機として期待されているという事を実感します。

そして軍用機には実戦性能のみならずユーモアも必要です。右下の写真はホバリングを披露している場面ですが、この際に機首を上下に動かして観客に対し”お辞儀”を披露。お茶目な一面を見せてました。

それにしても垂直尾翼に描かれた「VMM-265 ドラゴンズ」のマークがカッコイイですね。見学記念にこの部隊のパッチを買っとくべきだったと後悔してます。今後は日米でV-22の部隊が増えてくんでしょうね。


地上に展開した海兵隊員はそのまま前進
 
自分は元々ガンマニアなので銃や迷彩服など装備をチェックしたかったんですが遠過ぎて無理でした。現用海兵隊装備についてはまたいずれ。

こんな感じで「航空戦力の発進」→「空中給油による作戦継続」→「地上爆撃」→「MV-22によるヘリボーン」→「海兵隊員による進撃」という流れを見学。
「ほぅ、これが海兵隊のオペレーションの一例か。安全面を考慮してる為か、自衛隊の演習に比べてちょっと地味かなー」と言うのが正直な感想。
(爆薬による模擬地上爆撃とかは確かに迫力満点ですが、個人的には戦闘車輌が爆走する場面とかヘリからのラペリング降下とか空包射撃とかが好き)


再び戦場の空を舞うAV-8BとF/A-18D (15:21頃)

MV-22の離着陸や海兵隊員の進撃を写真撮影する事に夢中で、会場に進入するAV-8BとF/A-18Dに気付くのが遅れ良い写真が撮れませんでした・・・

写真ではAV-8BとF/A-18Dという海兵隊が装備する2種類の航空機が写っており、「ペアで行動する姿がカッコイイな!」と一言で済んでしまいそうですが、
機体のメカニズムや運用方法で考えると両機は全く異なる航空機であり運用思想の違い等が見れて面白いです。例えばAV-8BはVTOL能力を備えてるので
洋上の揚陸艦から離着艦が可能ですが戦闘能力はやや貧弱、対してF/A-18Dは戦闘能力は高いけど陸上基地の滑走路からの離着陸に限定されるなど。


ホバリングを披露するハリアーU (15:23頃)

今回はカメラの制限によりズーム写真が撮れないので、だったら逆に開き直って広角で会場全体を写そうと考えブルーインパルスを一緒に交えた構図で撮影。


それでもやっぱり最後のハリアーUの姿を写真に収めたいので135mm限界まで詰めて撮影した後にトリミング

写真写りは見ての通り。今回はカメラ制限があるので仕方ないですね。不幸中の幸いとも言えるのがAV-8Bが真正面でホバリングしてくれた事。

余談ですが自分が座っていた席の真後ろ(6時方向)にはF-35Bが展示中でした。つまりハリアーのパイロットはF-35Bを見ながら操縦してた筈です。
最後のホバリングを披露するハリアーUが見ていた光景は、後継機であるF-35Bの姿だった。
偶然こうなったかどうかは不明ですが新旧VTOL機が一直線に並んだ光景は世代交代の儀礼みたいでした。そしてその間に居た自分は幸運でした。


その後徐々にエンジン出力を絞り着陸態勢に


そのまま垂直着陸 (15:24頃)


その後は滑走路をランディングし退場

え!? 今年はこれで終わり!? これがハリアーUの最後!?というのが率直な感想です。正直言ってちょっと物足りない内容で残念でした。
いや、だって去年は午前と午後でそれぞれ飛んで、空中で長時間ホバリングして、何度も垂直離着陸を披露してたので今年もそれくらい派手にやるかと思ってたので。


アレスティング・フックで着陸するF/A-18D (15:27頃)
 
上述にてF/A-18Dは陸上基地からの離着陸に限定されると書きましたが、こうしてアレスティング・フックで着陸してる姿を見るとやっぱり艦載機だなーと再認識します。

アメリカ海兵隊による演目はこの辺で終了。フレンドシップデーのラストを飾るのは我が航空自衛隊が誇るブルーインパルスです。


展示飛行に向けて準備をするブルーインパルスのクルー達 (15:34頃)

・・・え〜、こんな事を言うのも大変申し訳ないと思うのですが・・・ スミマセン、いくら何でも始まるの遅過ぎます。(困惑)

実はこの時会場内の装備品展示の写真を殆ど撮ってない状態でした。ブルーの飛行を待ってたら装備品の見学・撮影が
間に合わなくなるのは明白。なので非常に申し訳ないと思いつつブルーインパルスの撮影は諦め有料観覧席を離脱、装備品展示の撮影に移行しました。

※ちなみに自分以外にもこういう人は居た様で、酷い人だと「ツアーバスの時間が迫ってるからもう帰らなくちゃ・・・」と言って会場を抜けた人もいました。
ミリタリーイベント系ツアーはスケジュールが合理的で移動の負担も少ないから利用を検討する事もあるけど、こういう場合だとデメリットになりますね。


装備品展示を見学しながら撮影したブルーインパルス
 

 

 


エプロン(観客席)から結構離れた場所で装備品展示を見学しながら撮ったのでイマイチな写真ばかりですが、天候は青空が映える素晴らしい「1区分」でした。
調べてみるとウォークダウンが始まったのが16:00過ぎで全てのフライトを終えたのが17:00過ぎだった模様。今回はブルーにとっても普段と異なる条件でした。

紹介してる画像の何枚かは構図を意識して「米軍機とブルーインパルスが1枚に収まる写真」を狙って撮影。こういうのもアリかな。


こんな感じで第41回フレンドシップデーは終了。個人的な感想としてはスケジュールの予測と対応に失敗したなぁ・・・と思いました。
前日の車中泊の場所取り失敗、ハリアーUの飛行スケジュールが去年と同じでバンバン飛ぶと勝手に期待した事、装備品展示の見学と撮影を後回しにした事、
折角入場したんだからと有料観覧席に固執して135mmレンズで撮り続けた事などです。特に135mmで撮影を続けた事に関してはやはり望遠不足を実感。
場合によっては有料観覧席の外に出て300mmレンズで撮影すべきでした。(ただ有料観覧席からだと滑走路や離着陸を撮れるのが利点なので甲乙付け難い)

それにしても今年はハリアーUはあんまり派手に飛ばなかったですねー・・・ 今年で実質最後のフライトなのにちょっと寂しい幕引きとなってしまいました。
と言うか去年が特別だったと言うべきか。去年はフレンドシップデー開催40回目の節目だったりブルーインパルスが不参加だったりと特別な年だったので、
海兵隊航空戦力の象徴とも言えるハリアーUが派手に活躍したって感じでしょうか。ハリアー好きにとっては去年のフレンドシップデーは神イベントでした。


午前の展示飛行に戻る               装備品展示の紹介へ進む


イベントが終わったので後はさっさと帰投すべくゲートへ向かいます
 
途中の売店でスプライトやマウンテンデューが閉店価格(50セント)で売ってたのでお土産として購入。せっかく米軍基地に来たんだからこういうアメリカンドリンクも買わなくちゃね!
 
基地のゲートを抜けて外に出たのは17:50過ぎでした。ありがとう岩国基地! 今年も楽しませてもらったよ!(←下手くそな英語を話す余裕すら無い程に疲弊)

この後疲れた体を引き摺る様に歩いて岩国駅へ辿り着くも当然激しく混雑中。電車の乗車率が150%だったり体調不良で倒れる人がいたりと結構な修羅場になってました・・・
そして岩国駅から電車に乗って大竹駅で下車、徒歩40分かけて何とか車に到着です。今回は移動でかなり体力を削られましたね。その後19:55頃には大竹市を出発しました。


Operation M.K.I 2  帰投編
2017.5.6

帰投ルートは去年とほぼ同じで大竹IC→宮島SA(夕食)→篠坂PA(休憩)→三木SA(朝食・給油/48L)→神戸JCT→吹田JCT→米原JCT→尾張一宮PA(昼食)→小牧JCT→岡谷ICという感じ。高速料金は10050円でした。


宮島SAで焼き牡蠣や尾道ラーメンなどを喫食
 
宮島SAで焼き牡蠣を食べるのは恒例となりつつありますね。そして広島名物という事で尾道ラーメンも。本場の尾道ラーメンを食べるのは2008年の広島旅行以来でしょうか。


篠坂PAの観光案内                                                        尾張一宮PAでのランチ
 
篠坂PA(岡山県)で疲労が限界に達してしまいそのまま寝落ち(笑)、翌日の06:00頃までコチラで爆睡してました。観光案内によると岡山県は降水量が少なく「晴れの国」と呼ばれてるそうです。
それとミリタリーや天候とは全く関係ないんですが、現在「ひるね姫 〜知らないワタシの物語〜」というアニメ映画が公開されており、この映画の舞台が岡山県倉敷市という事でPR活動してました。

右の画像は尾張一宮PAでランチとして食べたはなまるうどん。自分はどちらかと言うと○亀製麺派なんですが、はなまるうどんも昔はよく食べていたので久し振りに美味しく頂きました。


そんなこんなで16:10頃にようやく帰宅。累計走行距離は1713kmでした。去年と比べると大幅に時間がかかってしまい体力の消耗も激しいオペレーションとなりました。
ちなみに今回撮影した画像の総数は約2500枚でした。今回もいっぱい撮りましたねー。ここからピンボケやダブリなどを選別・削除して最終的には1400枚程まで整理。


岩国フレンドシップデー2017における記念品
 
上述した通り今回は装備品展示(売店)をチェックする時間があまり取れず、入手した記念品も少なめです。それでも最後のハリアー部隊である「VMA-311」関連のグッズを中心に頑張って購入。
VMA-311のパッチやメダルには「HARRIER FAREWELL TOUR/さよなら、ハリアー海外派遣」や「LAST AV-8B 31ST MEU/第31海兵遠征部隊における最後のAV-8B部隊」などと描かれており
最後の記念品を入手出来た喜びと共に日本でハリアーUが見られる機会はこれで本当に終わりなのかぁ・・・とちょっとセンチメンタルな気持ちになったり。

※余談ですが今回のOperation M.K.I 2では現金予算として4万円を持参したと紹介しましたが、その予算にはUSドル紙幣が33ドル分含まれていました。大昔に面白半分で換金した物です。
今回は予算不足を補う為にその33ドルを持参、VMA-311のグッズ購入費に充てました。米軍基地内のAV-8B部隊のショップでUSドルで記念品を購入する。これは良い思い出になりました。

他にはアメリカ以外の国で初のF-35B配備部隊となった「VMFA-121 Green Knights」、展示飛行で活躍した「VMFA(AW)-242 Bats」のパッチ等も購入。Batsのパッチは去年と色違いです。


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