平成28年度 富士総合火力演習 前段演習
2016.8.28


いよいよ平成28年度富士総合火力演習の始まりです。まずは装備品紹介をメインとした「前段演習」です。


会場(標的台)の紹介

(※シート席がガラガラですがこれは点射直後の08:15頃に撮った画像の為です。演習開始時は満員でした。)

青・赤・黒・黄などカラーで表示された白い枠の丘が主に戦車砲や機関砲の標的で距離600〜800m。
その上の1・2・3・4・5などと表示された丘が同じく戦車砲などの標的で距離1000〜1800mとの事です。
画像が小さくて各標的台が分かりずらくて申し訳ない。後の射撃&着弾時に改めて拡大画像で紹介します。

天候は生憎の曇り空。背景として冴えないのは残念ですが、炎天下ではないので見学者には優しい環境かも。


目標を示すスモーク

黄色いスモークが三段山、白いスモークが二段山と呼ばれ主に野戦特火(榴弾砲)の標的です。距離は約3000m。

こんな感じで2000〜3000m級の射撃場がある訳ですがこれらは演習場のごく一部です。
富士山東麓一帯が「東富士演習場」と呼ばれ本州最大の面積(8809ha)を誇ります。
そして東富士演習場の一部、畑岡地区と呼ばれる地域が総火演の会場となっています。

今回の記事を書くに当たり自衛隊の演習場について調べてみた所、結構な数が存在してて驚きました。
東富士演習場以外で自分が知ってる(行った事がある)のは群馬県の「相馬原演習場」くらいでしょうか。
陸上自衛隊関係の施設と言うと駐屯地が真っ先に思い浮かびますが、演習場も重要な施設です。
今後は全国各地の演習場の場所や規模や使用部隊とかも調べてみたいですね。


それではいよいよ前段演習の開始です。前段は装備品の紹介がメインとなります。
現役バリバリの物から退役寸前の物まで様々な装備が次々と登場します。

「203mm自走りゅう弾砲」



203mm(8インチ)という自衛隊の火砲では最大級の口径を誇りますが、見ての通り何とも古めかしい外見。
原型は1961年にアメリカで採用された「8インチ自走榴弾砲M110」です。日本では改良型の「M110A2」が
1983年よりライセンス生産され「203mm自走りゅう弾砲」として制式化。合計91両が配備されてるらしいです。


87式砲側弾薬車から203mm砲弾を移動中の様子


射撃準備中の203mm自走りゅう弾砲

本装備は自衛隊最大級の火砲ですが、車体がコンパクトに設計されているので積載スペースに余裕がありません。
その為必要な運用人員(13人)の内、車体に搭乗出来るは5〜7人までで203mm砲弾も2発しか搭載出来ません。

そこで活躍するのが上述の87式砲側弾薬車です。この装備は203mm自走りゅう弾砲と
セットで運用され、残りの人員の搭乗と203mm砲弾の積載(50発)・給弾を行います。


203mm榴弾の発射

連写モードで撮影したんですが上手く発射炎を捉えられませんでした・・・ 


FH70(155mmりゅう弾砲)の射撃

コチラも上手く発射炎を捉えられず・・・ と言うか榴弾砲の発射炎って戦車等に比べて元々控えめの可能性もあるね。


「99式自走155mmりゅう弾砲」

最新の自走式榴弾砲で「ロングノーズ」という愛称が示す通り長い砲身が特徴的な装備です。
砲塔が装甲化してたり自動装填装置を搭載してたりと上述の榴弾砲2種に比べて近代的です。

外見が戦車と似てるので一般人は間違えたりしますが、そもそも根本的な用途が異なります。
戦車は強力な主砲(徹甲弾)と頑丈な装甲にて最前線で敵戦車と正面戦闘を行いますが
自走榴弾砲は比較的安全な後方から長射程の榴弾を発射し前線を援護するのが任務です。


三段山に撃ち込まれる榴弾

こうやって敵陣地にドゴンドゴン着弾する光景を見ると「遂に戦闘が始まったな!」とテンション上がりますね。
着弾点周辺に白いドームみたいのが出現してますが、これは着弾の衝撃波で空気中の水分が弾かれた結果かと。


総火演名物である「山型同時着弾」

203mm、FH70、99式と異なる種類の榴弾砲がタイミングを合わせて射撃し富士山を描くという超絶妙技。
説明によると1/100秒単位の精度で射撃を調整してるらしいです。日本人の職人気質を感じさせる技ですね。


120mm迫撃砲RTを懸架しながら戦場に進入する「CH−47J」

重量物の空輸ならお任せ!  機体下部の懸架可能重量が約12トンなので120mm迫撃砲(582kg)は勿論、
理論上はCH−47JがCH−47J(空虚重量:約10トン)を懸架する事も可能。素晴らしき輸送ヘリですね。

※余談ですがCH−47には「従来のJ型」と「改良型のJA型」があります。写真の機体はやや古いJ型です。


「UH−60JA」からラペリング降下する隊員

地表に降下してるこの隊員達は迫撃砲の操作要員です。上述のCH−47によって
運搬された120mm迫撃砲を受け取り、射撃の為に迅速的確に行動していました。


高機動車によって牽引・展開される120mm迫撃砲RT

120mm迫撃砲はヘリでの空輸も可能ですが、こうして車両での牽引・運用の方がメインっぽい気がしますね。


迫撃砲本体を組み立てたりケースから砲弾を取り出したり慌ただしく準備中



発射用意!

砲弾を持ってる隊員の姿を見てるとこっちがハラハラしますね。間違って手を滑らせたら即発射な訳だし。
余談ですが砲口から投入する以外にロープを引っ張って任意のタイミングで発射させる事も可能らしいです。

そして赤ヘルメットの指揮官(?)がちゃんと指差し確認してるのが如何にも自衛隊っぽい光景ですね。


発射!



発射の瞬間に底盤が地面に沈み込んでる点に注目。重量のある砲弾を撃ち出すので反動も相当なものでしょうね。

そして2コマ目の画像にて砲口から飛び出してる物体ですが、どうやらこれは砲弾ではなく「撃ち殻」的な物らしいです。


3つに分解され迅速に撤収中の「81mm迫撃砲 L16」

画像の様に砲身、支持架、底板の3つに分解可能な点が特徴の迫撃砲です。
総重量も36.6kg(砲身:12.7kg 支持架:12.3kg 底板:11.6kg)と非常に軽量で機動性も高いです。

上述の120mm迫撃砲RTは大口径・長射程の強力な迫撃砲ですが移動性に難があるので
歩兵(普通科)にとってはこういう小型で運び易い迫撃砲の方が使い勝手がいいかも知れません。


軽装甲機動車に搭乗中の隊員から発射される「01式軽対戦車誘導弾」




名前の通り2001年に制式化された比較的新しい装備。0ナンバーという「新時代の装備」感がいいね。
01式は過去に松本や相馬原の駐屯地祭などで見てますが、こうして実弾の発射シーンを
写真に収めたのは今回が初ですね。実弾射撃をメインとする総火演ならではの収穫です。
連写で撮影して気付いたんですが2コマ目にて発射直後に一瞬だけ発射炎が消えています。
これは射手へのバックブラストの軽減を目的とした構造・仕様なのかもしれません。

本装備について調べてみると84mm無反動砲の後継として開発され赤外線画像誘導による
撃ち放し式を採用、2種類の飛行モードを選択できるなど結構なハイテク装備で驚きました。
かつての無反動砲の様に「真っすぐ飛ぶだけのロケット兵器」ってもう時代遅れなんですかね・・・


「96式装輪装甲車」や「軽装甲機動車」などが次々と会場に進入

何気ない普通の光景に見えますが、よく見ると「前線に展開してるのは装甲車両ばかり」という光景です。
従来の73式小型トラック(パジェロ)みたいな非装甲の車両が前線に出る機会は減ってきてるんでしょうね。


「96式装輪装甲車」(A型)と96式40mm自動てき弾銃

くそ! またジャム(装填不良)った!とか言ってるかも知れない1コマ。
フィードカバーを開けて何やら操作をしています。演習中に何度もジャムを起こしてる様に見えましたが・・・

そもそも96式40mm自動てき弾銃の性能とか信頼性ってどの程度なんでしょうね?
グレネード・マシンガンは日本にとっては開発経験が無く、不慣れなカテゴリーの火器です。
しかも作動方式は銃身が前後する「ブロー・フォワード式」です。
日野式自動拳銃と同じじゃん! やっぱり日本人はHENTAIなのか!?

一応、製造元は64式小銃や89式小銃の開発実績がある豊和工業ですがその性能や如何に・・・?

(と言うかブロー・フォワードで作動する様子を動画・連写で撮影しておくべきだったと後悔してます)


「96式装輪装甲車」(B型)と12.7mm重機関銃(ブローニングM2)

ヘヴィーマシンガン界のレジェンド、ブローニングM2を大絶賛射撃中。50BMG弾をバリバリ撃ちまくってました。

96式装輪装甲車は武装として「96式40mm自動てき弾銃」、もしくは「12.7mm重機関銃」を装備している訳ですが
40mm自動てき弾銃を装備している方を「A型」、12.7mm重機関銃を装備している方を「B型」と区分してるらしいです。

そして生産比率としてはA型:B型=10:1らしいのでA型の方が圧倒的に生産数が多いです。
ちなみにA型・B型は銃火器のマウント形状が違うらしいので武器の互換性が無いらしい・・・


96式装輪装甲車から降車・展開する隊員

これより普通科(歩兵)による小火器戦闘に入ります。ミニミを抱えながら降車する隊員の姿がカッコいい!


立射で射撃中の89式小銃&ミニミ

やはりガンマニアとしては小火器の射撃シーンは興奮するな! よーし、家に帰った後は東京マルイの89式で復習だ!
そして89式、ミニミ共に光学サイトが装備されてますね。これからの時代は光学サイトが標準装備になるんでしょうね。


「06式小銃てき弾」

89式小銃の先端に取り付けるタイプのライフルグレネードです。64式小銃にも使用可能らしい。
ガンマニアとしては小銃用のグレネード・ランチャーと言ったらM203みたいなアンダーバレル式を
思い浮かべますが自衛隊ではこの様な銃口装着型のライフルグレネードタイプを採用しました。

発射の方式としては5.56mm通常弾で直接グレネードを飛ばすらしい。以下連続画で紹介。


発射!



撃ち終わった後に銃口部に残った薬莢みたいな部品を取り外してるのが確認できますね。
Wikiによると弾丸トラップ部と飛翔分離部で構成されてるらしいのでトラップ部ってヤツかな?

ところでコレって水平方向の肩撃ちは出来るの?
射撃姿勢を見ると旧日本軍の「八九式重擲弾筒」の如く地面にストックを
接地させて発射してるので結構な反動がある様にも見えますが果たして・・・


「対人狙撃銃」 (レミントン・M24 SWS)

対人狙撃銃のデモンストレーションなんですが角度が悪過ぎて全然見えないです。
まぁ、対人狙撃銃については松本駐屯地祭で結構ハッキリ見させてもらったんで今回は別にいいですけど。


対人狙撃銃の標的

今回は車の中の人物を狙撃するという設定です。アナウンスによると標的までの距離は約800mだそうです。
対人狙撃銃、つまりレミントンM24のスペックから考えると今回の射撃はどのくらいの難易度なのか?

まず使用弾である7.62×51mm弾ですが、有効射程が600〜800m位なので距離的には何とか射程範囲内です。
次にM24の命中精度ですが仮に1MOAとした場合、100ヤード(91m)で1インチ(25.4mm)の集弾性能となるので、
800m先では約223mmのグルーピングとなる計算です。そして標的となる画像の人間の横顔シルエットの大きさを
30cm×20cmと仮定した場合、何とかギリギリ1発で仕留められる標的だと思います。

と言ってもこれらの意見は民間人のガンマニアである自分が知識のみで考え得た予想に過ぎません。
そもそも狙撃というのは多くの要素が絡む複雑で繊細な射撃です。例を挙げると射手の体調を始めとして、
弾薬の銘柄、弾頭重量、ボアとグルーブ、火薬の種類、ライフリングピッチ、気温、湿度、風、雨など多種多様です。
上述の意見は民間人ガンマニアである自分が勝手に予想(妄想)した物だという事をご理解ください。

で、実際の射撃結果はどうだったのかと言うと、窓ガラスを粉砕したのは確認出来ましたが
標的に命中したかまでは分かりませんでした。(だって自分の席から約1kmも先の標的だし)

ただ間違いなく言える事は狙撃手に狙われたらほぼ確実に助からないって事です。
本当に腕の良い狙撃手&高性能スナイパーライフルなら1000m先のメロンとかも撃ち抜きますからね。


「89式装甲戦闘車」

家に帰った後に写真を確認したら89式装甲戦闘車の戦闘中の写真が殆ど無かったという残念な事実が判明。
今回の総火演では戦車、りゅう弾砲、ヘリ、小火器などに撮影の重点を置いてたので89式は殆ど撮ってませんでした。
画像は35mm機関砲を発射してる写真で唯一まともに撮れた写真とも言えます。今後改めて撮りたい課題の1つです。


「87式自走高射機関砲」


制式化されて30年近く経ちますが高価格(15億円)という問題から生産が終了し52両しか存在しない貴重な装備。
しかし連装式の35mm砲や対空機関砲という特殊なカテゴリー故に魅力が全く色褪せない装備でもあります。


35mm機関砲を発射!

砲口から飛び出す曳光弾、舞い上がる発射煙、ボロボロと排出される薬莢など個人的にはよく撮れたと思う1枚。

87式は本来なら対空機関砲ですが画像の様に水平射撃も可能。近年は「93式近SAM」や「11式短SAM」など
優秀な地対空ミサイルの登場により防空任務が変化しつつある中で地上射撃に活路を見出した例とも言えます。


続いてヘリコプター部隊が進入

空を制する者は戦場を制す。昔から戦場における航空優位は重要です。
所でこの写真、「AH−1S」「OH−6D」「87式自走高射機関砲」と古い装備ばかり。
「1990年代の総火演の写真」と言っても通用しそうな光景です。


「AH−1S」から発射される対戦車ミサイル「TOW」


対戦車ミサイルとしてお馴染みの「TOW」。由来は「Tube‐launched, Optically‐tracked, Wire‐guided」の略らしい。
TOWの特徴(と言うか欠点)とも言えるのが有線誘導式という点です。画像では確認しづらいですが
ミサイルと発射機がワイヤーで繋がれており、コックピット前席のガナー(兵器操作担当)が誘導しています。
発射から着弾まで終始誘導が必要で発射後の即離脱が出来ないなど機体の生存性に問題があるので
後継機である「AH−64D」では撃ち放し式(Fire and forget)の「ヘルファイア」を装備しています。

過去の総火演にて何度もTOWの発射シーンは見てますがこうして写真に収めたのは初ですね。


「AH−64D」     「OH−6D」

戦闘ヘリのAH−64Dと観測ヘリのOH−6Dが揃って行動。陸自・航空科にとっての矛と眼ですね。


ホバリングしながら30mmチェーンガンを射撃中

砲口から火を噴きながら撃つ30mmチェーンガンは勿論いいですが、やっぱり目立つのはミリ波レーダーですね。
メインローター上に搭載された饅頭みたいなこの装置。正式名称は「AN/APG-78 ロングボウ・レーダー」といい
目標の捜索や照準、優先攻撃度判定などの機能を搭載した非常に高性能なレーダーだそうです。

と言うかヘリの捜索レーダーって今まであんまり意識した事が無かったですね。フライトゲーム等では
360度捜索で敵味方識別も完璧なレーダーが装備されたりしてますが、現実のヘリのレーダーって
限定的な捜索性能しかないと思うので、改めてAH−64Dのミリ波レーダーの凄さを再認識します。

世界最強クラスの戦闘ヘリとして名高いAH−64D。陸自がこのヘリの採用を決定した時は
マジかよ! 陸さん英断したな! そして日米同盟に感謝!
とか思ってたのですが価格が高すぎる事やアメリカ本国での生産終了などの事情により
僅か13機で調達終了という悲惨な結果に。墜落による損失が怖くて安易に飛ばせないな。

AH−64D及びAH−1Sの後継機種については未だに防衛省から明確な回答が無いですね。
AH−64シリーズの最新型(ブロックV)である「AH−64E アパッチ・ガーディアン」
AH−1シリーズの最新型で主に米海兵隊で使用されている「AH−1Z ヴァイパー」
観測ヘリのOH−1をベースとした新開発の純国産戦闘ヘリ ※不正談合により白紙化
などいくつか案がありますがハッキリしませんね。陸自の空の守りはどうなってしまうん・・・?

個人的にはカモフ Ka-52 アリガートルとか採用してくれると嬉しいですな。



それでは前段演習もいよいよ終盤。陸戦の王者であり総火演の目玉でもある戦車の登場です。

「10式戦車」

現在の陸上自衛隊・機甲科における最新の戦車です。総火演には2012年から初登場してるらしい。

10式戦車と言えば「現代の日本における戦車運用に最適化された車体」というイメージですね。
例えば先代の90式戦車は重量が50トンもあるので自走(トレーラでの輸送)できる道路が限られますが
10式は自重44トン(モジュラー式装甲を外せば40トン)なので自走・輸送の自由度が向上しています。


可変サスペンションによる前傾姿勢

10式戦車の特徴の1つが柔軟な足回りです。全転輪が油気圧式になっているので74式戦車と同じく
車体を前後左右上下に傾斜させる事が可能です。(※90式は前後上下のみ)

10式がこの様な高性能サスペンションを搭載した理由は「主砲と車体重量の関係」だと言われています。
日本の道路事情に合わせて車体を小型化したいし武装は強力な120mm滑腔砲を装備したい。
だけど40トン級の車体じゃ軽すぎて120mm砲滑腔砲の強烈な反動を受け止めきれない・・・
そうだ! だったら足回り(サスペンション)を高性能化して反動を吸収する構造にすればおk!

という開発コンセプトの元、この様な高性能サスペンションを搭載する事となりました。
この辺は技術大国であり職人気質の日本人ならでは発想という感じですね。


後退する10式戦車

車体は後退しつつ砲塔はしっかりと目標をロックオン。全旋回式砲塔を持つ車両ならではの光景ですね。

一般的に戦車は後進が苦手な車両ですが10式の最高後進速度は70km/hを誇るらしいです。速えぇぇ!

10式に搭載されてるエンジンは「水冷式4サイクルV型8気筒ディーゼルエンジン」です。出力は1200馬力。
90式のエンジン(1500馬力)に比べてパワーダウンしてる様に見えますが、その分車体が小型化してるので
出力重量比的にはそれ程劣っていません。更に新型の無段階変速機によりスプロケット(起動輪)への
パワー伝達効率が向上されているとの事なので、実質的な出力重量比的は90式以上とも言われてます。


44口径120mm滑腔砲を発射!

車体は前進しつつ砲塔は後方を向きながら射撃してる1コマ。「戦場から離脱しながらの射撃」って感じですね。

10式の特徴の1つが「C4Iシステム」の装備です。C4Iシステムの概要の説明は難しいんですが簡単に言うと
戦車、ヘリ、歩兵など異なる部隊・装備の情報がコンピュータによって
リンクされ、情報を共有し迅速な作戦行動が可能となる総合情報網です。

比較的最近になって提唱された新しい概念で自分もハッキリ理解してないんですが多分こんな感じです。

この画像で説明すると2両の10式が並走してますがこの2両はコンピュータによってデータリンクされていて
「奥の10式が射撃した1秒後に手前の10式が射撃せよ!」みたいな事が可能なのかもしれません。



「90式戦車」

登場から25年以上経ちますが未だに魅力が色褪せない、と言うか重厚感が半端ない戦車です。
90式の重量は50トンですが、先代の74式が38トン、後継の10式が44トンなので陸自の主力戦車で一番重いです。
更に複合装甲や自動装填装置の採用、1500馬力エンジンなど日本の戦車史においてエポックメイキングな90式。

1980年代に生まれ1994年からミリタリーの世界に入り1996年から総火演に参加してる自分としては
「90式は陸自を象徴する最強の戦車!」という絶対的なイメージがありますね。


44口径120mm滑腔砲を発射!・・・した直後

残念ながら発射の瞬間を捉える事が出来ませんでした。と言うか戦車の主砲発射を撮るのって難しいですね。
今回の総火演では90式や10式が行進間射撃を多く披露していましたが、移動しながら射撃する戦車に
カメラの照準が追い付かずいい写真が撮れませんでした。全く、戦車は厄介な相手ですよ(褒め言葉)


後進中の90式戦車

車体は後退しつつ砲塔はしっかりと目標をロックオン。全旋回式砲塔を持つ車両ならではの光景ですね。(2回目)
砲塔上の車長が身を乗り出しちゃんと後方確認しながら後進してるのが分かります。安全確認は大事ですからね。

90式に搭載されてるエンジンは「水冷式2サイクルV型10気筒ディーゼルエンジン」で出力は1500馬力です。



「74式戦車」

後継である90式や10式の配備に伴い徐々に姿を消しつつある74式戦車。今回の総火演の目的の1つが
「退役が迫る装備を写真に収め、稼働している姿を記録に残す事」なので、74式は多めに写真を撮りました。


今回、74式戦車の主な射撃場所となっていた丘

90式と10式は会場の大広場で派手な行進間射撃などを披露してましたが、74式は標的台近くの丘で
待ち伏せ射撃を中心に展開してました。就役から40年以上経つ老兵なので激しい機動は厳しいんでしょうね。

しかしこの丘は観客席から一番近い射撃場所でもあるので、比較的間近で撮影できる良いポイントでした。
また行進間射撃をしない(停車中の射撃が多い)という事は安定して撮影できるという意味でもあります。


可変サスペンションにより前傾姿勢中の74式

74式戦車の最大の特徴と言えばやはり可変式の油気圧サスペンションですよね。
前後に6度、左右に9度、上下に20cmづつの姿勢変更が可能。
日本は山岳国家であり自衛隊の主任務は国土防衛(待ち伏せ射撃)なので、それらに適した構造、
つまり地形の傾斜に沿って車体を展開し主砲を安定させ発射する事を目的として開発されました。

74式はサイドスカートを装備してないので車体、転輪、履帯などの状態をハッキリ確認出来るのがいい所。


51口径105mmライフル砲を発射!・・・した直後

まーた発射の瞬間を撮り逃してしまいました。特に退役が迫る74式の射撃シーンを撮り逃すのは痛いですね。

今回の総火演では貴重な稼働・射撃シーンを披露した74式ですが、確実に退役が近づいています。
Wikiによると2015年3月末の時点での保有数は約290両らしいですが、年間約40両のペースで
退役が進んでるらしいので、このままのペースで行くと2022年頃には完全退役する見込みです。

退役の一例として松本駐屯地では既に展示品扱いになっています。
今の内になるべく稼働している姿を写真に収めておきたいですね。


こんな感じで前段演習は終了。悪天候で空挺降下が中止になった以外はスムーズに行われました。


「会場紹介編」          「後段演習編」


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