松本駐屯地 創設65周年 記念行事
2015.4.18
世間では桜が開花し春を感じる今日この頃。という訳でお花見兼ミリタリーという事で松本駐屯地へ行ってきました。
今回なぜ松本を選んだかという点については自宅から最寄りの駐屯地という事もありますが
「去年の駐屯地祭にて64式小銃 狙撃型が展示された」という後日情報があり
去年行かなかった事を大変後悔した為です。なので今回は64式が目当てとも言えます。
駐屯地内の様子
基地内には桜が咲き露店も多数。ミリタリーとお花見が同時に楽しめます。
駐屯地内にあった銅像
一般的な銅像は直立不動な姿勢が多いので、こういうアグレッシブかつ複数人の銅像は珍しいですね。
松本駐屯地で有名な「山岳レンジャー」の像とかでしょうか?
ズラッと並ぶ戦闘車輌達
駐屯地内はお祭り気分でしたが奥の方では戦闘車輌がズラリと整列。
ここが自衛隊の駐屯地だいう事をと実感させてくれます。
開会式典&観閲行進
背景の山々(穂高連峰?)とのツーショットが美しい。
松本駐屯地に所属してるのは第13普通科連隊や第306施設隊などです。
整列中の隊員たち
ガンマニアとして気になるのはやはり「9mm機関けん銃」ですね。現場では主に指揮官が使用しています。
外見は中々カッコいいんだけどその性能は・・・ 現場での評判はどうなんでしょうね・・・?
行進する「普通科」
一般的な軍隊における「歩兵科」に相当する人達です。普通科だからといって侮るべからず。
陸自内では最も人員が多くオールマイティーに様々な任務をこなすとても重要な部隊です。
陸自が誇るエリートである「レンジャー」
もうね、行進時の銃の構え方からして違うよね。
普通科は一般的な「担え銃」ですが、レンジャーは普通に構えてます。臨戦態勢です。
よく誤解されがちですが「レンジャー」と言うのは特殊部隊名などではなく、
「レンジャー課程」と呼ばれる厳しい訓練を修了した人達の事です。
レンジャーの凄さについては後述の訓練展示にて紹介します。
観客席通路を警備する隊員。 「警務科」でしょうか?
この光景の何が凄いかって「実銃を持った隊員がすぐ目の前の触れる距離にいる」という事。
実際にこの隊員達の50cm横を通って観客席に入場しましたから。
バリバリ勤務中の隊員&稼働中の89式に超接近できるという非日常な現実。
観閲行進中の「73式大型トラック」&「野外炊具1号」
73式大型トラックは見慣れた装備なのでそれ程でもありません。注目すべきは「野外炊具1号」。
戦闘装備ではないので軽視しがちですが戦場で作りたての食事を提供するという重要な役割を持っています。
いつかどこかで詳細にリポートしてみたいですね。
積載形トラッククレーン(ユニック)を装備した「73式大型トラック」
仕事でユニックを扱う事もある自分としては「荷台の幌にブームをぶつけない様に気を付けなきゃ!」とか思ったり。
81式自走架柱橋
2014年に相馬原駐屯地で見た「07式機動支援橋」、富士学校で見た「91式戦車橋」なども含め
「自衛隊にはどんだけ橋があるんだよ!」と思わず突っ込んでしまった装備。
たかが橋されど橋。用途や性能によって多くの種類があるのでどれも必要な装備です。
松本駐屯地は基地の規模や駐屯する部隊の関係上、戦闘装甲車両などは少ないですね。
訓練展示に備えスタンバイしてるAH−1S
パイロットがコックピットに搭乗し待機中のちょっと珍しいカット。機体番号は「73444号」かな。
後継機である「AH-64D」の調達が終了してしまったので現在でも主力攻撃ヘリとして活躍中。
それではいよいよ模擬戦闘の開始です。今回は比較的良好な撮影ポジションが確保出来た事と
ズーム撮影を心掛けたので自分的にはそれなりにいい写真が撮れたのではないかと思います。
まずはお約束のバイクによる偵察行動
パッと見た感じで気になるのは89式の銃口に取り付けられた空砲アダプターとかブーツのトレッドパターンとかかな。
戦場の空を駆け味方の援護をする「AH-1S コブラ」
「ヒャッハー!! オレ様の毒牙(20mmガトリング砲)を喰らいやがれえぇ!!」
優秀な後輩であるアパッチ君の稼働率が低いのでドヤ顔で信州の空を縦横無尽しちゃうコブラ先輩。
上述の通り後継機の「AH-64D アパッチ・ロングボウ」の調達が諸事情により終了してしまった現在。
この先暫くは「陸自における空の守護者」としてとしてこの老蛇は戦い続ける事でしょう。
同じく援護射撃する「UH−60」
ドアガンとして取り付けられた「ブローニングM2」を撃ちまくってました。
ガンマニアから見たらドアガンナーって楽しそうなポジションですよね。
ホバリングしながら隊員を降下させる「CH−47」
画像を見て分かるように巻き上げられる風がスゴイです。観客席にもブォンブォン吹いてきてそれはもう大興奮でしたよ!
降下した隊員はすぐさま戦闘態勢に。
レシーバーの上面に付いてるマウントレールの様な物体が気になりますね。
光学サイトが載ってる訳でもないし・・・ これってレーザー着弾判定機か何か?
狙撃手&観測手 登場!
つい最近「アメリカン・スナイパー」を鑑賞した自分にとってタイムリーでHOT!な展開。
地味に注目なのは観測手の装備。自衛用に89式らしき銃を持ってるのが確認できます。
戦場を睨む狩人
迷彩塗装が施されたM24対人狙撃銃、全身を覆うギリースーツなどその姿は正に狩人。
使用するスコープはリューポルドらしい。それなりに古参ミリオタの自分としては
「レオポルド」の名前で憶えちゃってるからちょっと違和感があったり。
120mm迫撃砲 RT
元々はフランスが開発した迫撃砲で豊和工業がライセンス生産。最大射程は8000m超。お値段は約1600万円らしい。
自分は迫撃砲ってそんなに興味ないんだけど構造や扱いが単純で歩兵への支援能力が高いという点は高評価してます。
軽装甲機動車に据え付けられたミニミ
銃口に空砲アダプターが装着&ベルトリンクの弾頭形状から空砲という事がしっかり確認できます。
と言うか5.56mmクラスの軽機関銃じゃ車載用としては威力と射程が不足してると思う。
ここはやはり7.62mmクラスの機関銃(74式車載とか)を装備して欲しい所ですね。
ちょっと不思議な光景
中央の隊員ですが自分の89式を構えつつ背中には別の89式を背負っています。
何らかの理由で他の隊員の89式を預かっている模様。戦場ではこういうシーンもあるんですね。
模擬戦闘はいよいよ終盤! お約束の全戦力をもって敵陣に突入、制圧します。
陸戦の王者と言えばやっぱり戦車だよね! 10式戦車
急ブレーキをかけた為、車体が前のめりになってる&地面がガッツリ抉れてます。でもそこがいい!
本来なら松本駐屯地には無い装備ですが、今回の為に御殿場の駒門駐屯地から
トレーラーで運んできたらしい。10式はどこのイベントでも引っ張りダコですね。
軽装甲機動車上にて「01式軽対戦車誘導弾」を構える隊員
84mm無反動砲の後継で敵戦車の撃破を想定した装備らしい。この手のカテゴリーは専門外だから詳しくは分からん。
軽装甲機動車に乗り込む隊員
よく見ると車内の隊員は左足に包帯らしき物を巻いてるので「負傷者の収容」というシュチュエーションなのかも。
見ての通り隊員に対して車体サイズが小さめで窮屈そう。部外者の意見ですけど本車輌は装甲の中途半端さや
乗車定員(車内スペース)の少なさ等から見て個人的にあんまり魅力的な装備じゃないですねー・・・
突入する隊員
いくら近代軍隊の機械化が進んでも最終的に重要な役目を果たすのは歩兵(普通科)です。突入ゥゥーー!!
戦車と共に敵陣に突入する普通科隊員
戦車が味方にいるととても心強いのは事実だけど自分としては「クローラに轢かれるんじゃないか」という恐怖感も。
敵陣を制圧・確保。
美しい北アルプスを背景に「この美しい景色を、俺達は取り戻したんだ・・・」とか思ってるかも。
とりあえずこれにて午前中の模擬演習は終了です。
松本駐屯地は規模がそれ程大きくない上に所属する部隊も普通科メインなのでド派手な戦闘は行いませんが
それでもヘリはバンバン飛ぶし榴弾砲は咆えるし隊員は銃を撃ちまくるし10式は爆走するしと中々楽しめました。
「戦場におけるベーシックな攻撃の重要さ」を再認識するという点でも有意義でした。
訓練展示が終わり談笑中のバイク偵察部隊
個人的に気になったのが89式小銃。部隊の性質上、折り曲げ銃床式かと思ってましたが普通に固定銃床式でした。
装備品展示コーナーに自走で向かう「FH-70」
FH-70の特徴の1つが「自走可能」な事ですが毎回「何!? この変な乗り物!?」と思いますね。
富士重工(スバル)製の1800cc水平対向エンジンを搭載し、時速16km程で移動可能だそうです。
装備品展示のコーナー
ガンマニアとしてはすごくワクワクする光景です。詳細は「装備品展示編」にてリポートしています。
この辺でお昼休憩。広島焼きや厚切りベーコンステーキなどを食べました
ミリタリーとお花見を楽しみながら食べる食事は美味ですね。
そして午後からはレンジャー訓練です。陸自のエリートであるレンジャー。
高度な戦闘技術を習得しており中には対テロ作戦なども含まれます。
今回の訓練展示ではこの白い建物に立てこもった犯人を確保するという任務を実行します。
普段は隊員の宿舎として使われてる建物みたいです。
犯人(役の隊員さん)
拡声器を持って何かメッセージを訴えてる模様。うろ覚えですが「犯人は数ヵ国語がペラペラなテロリスト」という設定だった様な・・・
作戦の設定としてはまずヘリで屋上に隊員を降下させ、そこからラペリングで接近・突入します。
特殊作戦と言ったらやっぱりラペリングだよね! 器用にスルスルと降りていきます。
屋上の隊員も89式を構え警戒しています。
この写真だと30連弾倉がやたら長く見え、一瞬「40連ロングマガジンか!?」とか思いましたが普通のマガジンの様です。
ところで自衛隊って20/30連以外のマガジンって持ってるのかな? 100連のC-MAGとかあってもいいと思うな。
アクロバティックな空中姿勢転換
ロープで体を吊ったままグルッと体を回し姿勢転換します。この動きは「スパイダー」と呼ばれ
頭を地面側とし尻からロープが伸びてる様に見える姿は正に蜘蛛ですね。
拳銃を構え突入のサポートをする隊員
スライドの形状から見て9mm拳銃(P220)っぽいですが、別のSIGのモデルの可能性も。
「特殊拳銃」という品目でSIGのピストルが調達されてるという情報なので。P226あたりか?
他に注目すべきは右足の黒い袋。通常はこの黒い袋の中にロープが収納され
ラペリングの際に必要分だけ出る仕組みです。なるほど、合理的ですね。
そして89式で武装した別の隊員が犯人のいる部屋に突入!
現実ならば窓ガラスを派手にブチ破っての突入でしょうが今回は演習なので窓ガラスを模したビニールを破って突入。
この後建物内で「パンパン」「ガシャン」「バタバタ」といった物音&騒動の後、無事に犯人確保となりました。
雑誌等でレンジャー訓練の様子が紹介されたりしますが、こうして実際に見るのは初めてでとても参考になりますね。
その他のラペリング・テクニック。垂直の壁を歩く様に降下したり。
隊員の見てる光景を考えると怖いけど面白そう。映画の「バイオハザード2」でもこんなシーンあったね。
負傷者を背負って降下したりとか。
負傷者が青い服なので「負傷した海上自衛官を助ける陸自レンジャー」っぽく見える。
チーム全員でロープを張り仲間の滑走を支えたりとか
オール・フォー・ワン! みんなは1人の為に!(←※実際にそう叫んでたわけではありません)
ラペリングというアクション1つを見ても実に多種多様、そしてテクニカルに行動します。
他にもCQBや野外戦闘、最新機器の取り扱いなど正に精鋭・強靭な集団であるレンジャー。
実に頼りになる男達です。
敬礼!
この屈強な男達が日本の有事の際に活躍すると思うと安心して暮らせますね。
とまぁこんな感じで模擬戦闘やレンジャー訓練を見学。そろそろ帰ろうかなーと思っていた所この様な建物を発見。
「秀峰館」という資料館です。「あー、ハイハイ、資料館ね。戦後自衛隊の歩みとかそーゆーの展示してるのね」と
軽く流しそうになりつつ折角なので中に入ってみる事に。すると中には驚きの世界が広がっていました。
館内の様子については「装備品展示編」にて紹介しています。
その他野外展示など
静かに余生を送る61式戦車
「今の陸自 機甲科はワシが育てた」と豪語しても許される老兵。
車体の明るいOD色は元々こういう色なのか、それとも年月の経過で色褪せたのか
何にせよ「如何にも昔の兵器っぽい色合い」がいい感じです。
74式戦車
自分の感覚としてはまだ比較的現役だと思っていたんですが、こうして永久展示品扱いされてる姿を見ると
「気が付いたらもう退役寸前なんだなぁ・・・ お疲れ様でした」と敬意と哀愁を感じます。
UH-1 イロコイ
1959年に初飛行し、ベトナム戦争でヘリの有効性を実証し、現在も改良型が飛び続けてる超名機の汎用ヘリです。
写真のモデルは退役した展示品扱いですが、現行型は現役バリバリで各地の駐屯地でその姿を見られます。
KV-107
自分は世代が違うのでKV-107はあまり記憶に残ってないですねー・・・ と言うか
外見がCH-47とよく似てるのでつい最近まで軽く混同してました(汗)
他にも紹介したい写真・意見が山ほどあるのですがキリが無いのでこの辺で。
松本駐屯地は地元の小さな基地なので今までそれ程注目してなかったのですが
久し振りに足を運んでみると様々な新発見がありとても有意義なイベントとなりました。
松本駐屯地のみなさん、ありがとうございました!
今回の戦利品
オランダ軍コート(¥1000)
2週間後に「ストライクウィッチーズ OVA3 アルンヘムの橋」が公開予定なので
「フランス軍コートを入手して506ワッペンを刺繍して劇場に行く」という目標の為、
出店でフランス軍コートを入手すべく本品を熱心にチェックしてたんですが、
店員さんから「それ、オランダ軍コートだよ」と言われました。
国旗が似てるから間違えてました・・・(恥) それでも格安だったのでとりあえず購入。
それと後で気付いたんですがアルンヘムはオランダなのであながち無関係でもない。
作業帽1号 ¥1850
本当は陸自戦闘服上下セットがほしかったけど予算が無かったので手軽な帽子で。
1号ってのはサイズ。0号〜3号(4号?)まであって数字が小さいほどサイズが大きいみたいです。
上述の訓練写真を見てもらえば分かるけど背景とのカモフラージュ率が結構高く、
日本の植物の模様をよく研究した素晴らしい迷彩パターンだと思います。
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