海上自衛隊 舞鶴基地 一般公開
2014.7.19〜7.20

今回は京都府舞鶴市にある「舞鶴基地」の一般公開に参加してきました。
イベントで護衛艦そのものはよく見ますが、母港である基地の見学自体は意外と少なく
それらを見学し護衛艦の整備・補給体制を知る事はとても有意義な体験です。

国内の海自の基地としては横須賀・佐世保・舞鶴・呉・大湊の5大基地が有名ですが
自分の住む長野県を起点として見た場合、佐世保・呉・大湊は遠すぎるので除外。
一番近いのは横須賀ですが横須賀は海自の司令部が置かれてる超重要な基地で警備が厳しく一般公開も限定的です。
対して舞鶴は比較的寛大で基本的には土日祝は毎回公開してるとの事なのでコチラにしました。
また2008年の広島旅行の際に中途半端に見学しただけなので改めてじっくり見たいという考えも。

前日の7月18日。場所が遠いので前の日の晩から行動開始です。

海自イベントの金曜日という事でココイチで金曜カレー。腹が減っては戦はできぬです。
夕食を済ませた後、19:45頃に自宅を出発、岡谷インターから中央自動車道に入ります。


養老SA・・・だったかな? ハマー軍団に遭遇。

ウォォォ! ハマーかっけぇぇ! H1とは結構レアですね。しかもキャンピングトレーラー牽引仕様です。


その後、敦賀インターで高速を降り国道27号等を経て西へ。7月19日 4:45頃に舞鶴に到着です。
あふぅ、眠い・・・ 余談ですが自宅から舞鶴までの距離は約500kmで到着時には車の燃料はほぼゼロでした。
なので「自分の愛車(某国産5ナンバーワゴン)の航続距離は500km」というデータの実証も出来ました。

常夜灯?が幻想的な早朝の1枚・・・なのですが露出補正が失敗しピンボケ気味に。
貴重な一瞬を逃してしまいました・・・ 基地近くの丘にある老人ホーム?の駐車場から撮影。


甲板を清掃中のましゅう乗組員。

自衛隊と言えば厳格な規律とスケジュール。甲板清掃も重要な仕事です。


朝礼と自衛艦旗掲揚。



自衛隊にとって、いや、日本国民全体にとってもとても重要な一幕である自衛艦旗掲揚。
自分は一般人ですけどミリタリー愛好家として、そして日本人として愛国心は持ち続けたいですね。


10:00より一般公開が開始です。基地入口の様子。

当たり前ですが基地周辺には一般人向けの駐車場が無いので少し離れた場所に車を止め徒歩で移動。
当日は「第11回海フェスタ」という京都府主催のイベントが開催中で、近くに駐車場があったのが幸運でした。

いかにも昭和チックな美少女イラスト。でもこれでいいと思うな。変に現代風の萌えイラストとか描かれてたら嫌だし。


ミリタリーマニアとして気になったのが基地警備の隊員の恰好。

海自の服装と言えば「青の無地の作業服」だと思っていたんですが、いつの間にか「デジタルドット迷彩」を導入してました。


受付を済ませ桟橋内へ入場。



無機質なコンクリート造りの岸壁
威風堂々と並ぶ護衛艦隊の勇姿
内陸県人には馴染みが無い磯の香り
ヒャッホゥゥ! この雰囲気が最高だぜぇぇ!

岸壁に軍艦がズラリ並ぶこの光景、いつ見てもいいものです。
この岸壁は「北吸岸壁」と呼ばれ護衛艦が一列に並ぶ長大な岸壁となっています。
全長は895mと1020mという異なる情報がありますがどっちが正確なんですかね?
横須賀や佐世保など一般的な基地は岸壁から桟橋が飛び出た構造が多いので
この様な一直線型の構造及び係留方法は実は珍しいそうです。

それではここで舞鶴基地の概要について簡単に復習です。
・日本国内に存在する海上自衛隊5大基地(横須賀・佐世保・舞鶴・呉・大湊)の内の1つ。
・京都府舞鶴市に拠点を置き主な防衛担当地域は日本海(秋田県〜島根県)である。
・中国、北朝鮮、韓国に最も近い基地なので対アジア防衛的に重要な意味合いを持つ。
・1901年に帝国海軍が「舞鶴鎮守府」として開設したのが始まり。
・「舞鶴基地」は正式な名称ではなく、舞鶴地方総監部や舞鶴地方隊などを含めた総称。
・所属する部隊は第3護衛隊、第7護衛隊、第2ミサイル艇隊、第44掃海隊など。
・近隣の関連施設としては「舞鶴航空基地」「舞鶴教育隊」「第4術科学校」などがあります。
・個人的には「海上自衛隊ナンバー3の基地」というイメージなのですが、
 配備艦艇や基地の規模的に見れば「ナンバー4」というのが実情でしょうか・・・?


本日の停泊艦艇

こうやって表示されるとすごく分かりやすいですね。この日は画像の艦艇のみでしたが
運が良ければ「しらね」「あたご」「ふゆづき」「あさぎり」等も停泊しています。

と言うかよく見ると「うみたか」が陸に打ち上げられてるwww


それでは停泊中の艦艇を見ていきましょう。まずは「AOE425 ましゅう」

2004年に就役した基準排水量13500トン、満載排水量25000トンを誇る超大型かつ最新の補給艦です。
2014年の時点では「ひゅうが型」と並び海上自衛隊で1、2を争う大型艦でした。(2015年に「いずも」に抜かれました)


残念ながら甲板見学は不可だったので岸壁から。

そびえ立つタワー状の構造物とそれに繋がってるホース。これらを用いて他艦船に燃料や水を補給します。
「護衛艦=武装した艦」という認識が強いですが、こういう後方支援艦艇も重要で面白いですね。


船体がデカければ艦橋構造物や航空機格納庫もデカイ!

海上自衛隊最大のヘリである「MH−53E」の離着艦と収納が可能らしい。甲板見学できないのが惜しい。


この通り一般公開は行っていません。

看板に描かれてるマスコットキャラの人魚が可愛いですね。
ましゅうの由来は北海道の摩周湖な訳ですが、この人魚の髪が緑色なのは
北海道名物のまりもを表現しているとか。(手にはまりもらしき物も)


続いてミサイル護衛艦である「DDG175 みょうこう」

「こんごう型」の3番艦として1996年に就役。就役時からずっと舞鶴にいるみたいです。
99年の能登半島沖不審船事件で出動したり「亡国のイージス」に出演したりと結構活躍してる艦です。
こちらも甲板見学は不可だったので岸壁から。


イージス艦の象徴であるフェイズドアレイレーダー「AN/SPY-1D」です。

自分は電子機器には疎いので詳しい説明は出来ませんが探知距離200km以上を誇る高性能レーダーです。

他に注目すべき点としては甲板にいる2人の隊員です。それぞれ服の色が違いますが
右の青い作業服の隊員は科員(曹〜士)で、左の濃紺の作業服の隊員は幹部(尉官以上)です。


後方から

段々になった特徴的な後部構造物。「あたご型」が就役した現在「ヘリ格納庫が無い不便なイージス艦」という意見もあったりしますが
個人的にはこんごう型のこのデザインも好きです。広大な後部甲板をミサイル運用関係のみ絞った贅沢な使い方もありじゃないかと。

煙突直後にアンテナ状の装備が2基並んでいますがこれは「Mk.99射撃指揮装置」です。
艦橋周囲の「AN/SPY-1D」と連動しており発射したミサイルの最終誘導を行います。
これの詳細についてはまたの機会に。


次は「DD130 まつゆき」

「はつゆき型」の9番艦として1986年に就役、舞鶴には2010年から在籍してます。
はつゆき型は全部で12隻も建造されたので12人姉妹の9女に相当しますね。
こちらは第1甲板のみ見学が可能だったので乗艦させてもらいました。


巨大なガスタービン用吸気口が目立ちます。

はつゆき型は海上自衛隊の護衛艦として初めてオール・ガスタービン化を果たした艦として有名です。はつゆき型以前の艦は
ディーゼル、蒸気タービン、ガスタービンなど様々な主機が存在し、それらを単体もしくは組み合わせて運用していました。
蒸気タービンのみの「はるな型」、ディーゼル+ガスタービンの「あぶくま型」などです

はつゆき型は「COGOG」(COmbined Gas turbine Or Gas turbine)というエンジン形式を採用しています。
COGOGについて簡単に説明すると2種類のガスタービンエンジン(高速用と巡航用)を積んでおり
用途や状況によって使用するエンジンを切り替え最善の戦術的運用を行います。

搭載してるエンジンは高速用は「ロールス・ロイス オリンパスTM3B」、巡航用は「ロールス・ロイス タインRM1C」との事です。
はつゆき型は2軸推進なので1軸につき主機×2基(高速用・巡航用)×2軸なので合計4基のガスタービンを搭載しています。

類似のエンジン方式として「COGAG」という方式があるんですがそれの説明はまたの機会に。

メインマスト及びレーダー類

上述の通り電子機器には詳しくないんですが艦の重要な装備なので見逃せません。
一番大きい網目状のレーダーが対空捜索用の「OPS-14B」です。ちなみに三菱電機製。


ゴチャゴチャしててよく分からない後部構造物。

通信装置とかカッター(短艇)を所狭しと積んでてゴチャゴチャしてしまうのは軍艦の常識なので気にしません。
むしろ「あさぎり型」以降の艦はスッキリしたデザインで正直味気ないのでいい意味でレトロなデザインです。


はつゆき型の特徴の1つである中途半端な位置にあるヘリコプター甲板。

見ての通り01甲板(建物で言うと2階相当)にヘリコプター甲板が設けられています。
何でこんな不思議な位置になったかですが、本型は上甲板(第1甲板)が低く海面に近い為、
波浪の影響を避ける為に1段上げたそうです。また船体後端のシースパロー発射機の位置も関係してるそうです。


地味に気になったのがコチラの装備。艦橋直下に位置する謎の扉。

実はこれ、アスロックの再装填機構らしいです。アスロック・ランチャーの装弾数(即応弾数)は
8発なので全弾撃ち尽くした場合はこの扉内部に収納された予備弾を再装填するみたいです。


最後はミサイル艇の「PG824 はやぶさ」

はやぶさ型に関しては2013年の柏崎での一般公開でリポートしてるのでそちらを参照して頂ければと。


その他 基地内の施設とか気になった物など

左の赤レンガの建物は売店です。自衛隊用語的に言えば「PX」でしょうか。隊員向けの装備品(作業服等)や
日用雑貨などが売ってました。海自ファンとしては作業服とか欲しかったんですが一般人への販売は不可。
しかしそれでは寂しいので一般人でも問題なく買える物(各艦記念品や作業服ベルトや身分証ケース)を購入。

左の白い建物は・・・床屋とか入ってるっぽい。


「舞鶴造修補給所」「艦隊基地支援小出庫」

看板には「温かい血のかよった真心の補給」と書かれています。いい言葉だ・・・


上述の「艦隊基地支援小出庫」を別アングルから。

建物の前には京都銀行のキャッシュコーナーが。給料日にはここに多くの隊員が並ぶんだろうなぁ。
余談ですが自分の記憶では少なくとも2005年の時点ではこの建物内に売店がありました。


「あまつかぜ」の主錨

海上自衛隊におけるミサイル護衛艦の基礎を築いた名艦「あまつかぜ」の主錨です。
「みょうこう」や「あたご」にとっての大先輩ですね。1995年11月29日に除籍。
最期は標的艦として若狭湾にて永眠しました。死して日本海を守る英雄です。


各艦名が書かれた謎の台車

基地内において物資を載せて移動する為の物っぽい? 


多用途支援艦「ひうち」の立ち入り禁止案内

ましゅうの奥に「ひうち」が停泊してたんですが、見学不可の為それを告知する案内。
・・・・なのですが見ての通り「艦隊これくしょん」の島風と連装砲ちゃんらしきイラストが。
う〜ん、自分は艦これにあまりいい印象を持ってないのでこういうのは好きじゃないですね。

余談ですが現実の「しまかぜ」(はたかぜ型2番艦)は2007年3月までここ舞鶴に在籍してたみたいです。


対岸に接岸中の「DDG177 あたご」

舞鶴基地の対岸が「ジャパンマリンユナイテッド」の敷地になっており「あたご」が接岸していました。
本艦は2007年から舞鶴に配属中。自宅向かいの診療所で健康診断を受けてる様なものですね。


「AN/SPY-1D」周辺に足場が組まれ何らかの整備中な模様。

何気にレアな光景ですね。


こちらは送風機で艦内を換気してるみたいです。

艦内で塗装や溶接でもしてるんでしょうか? あたご型については今後どこかでレポートしたいですね。


基地の見学時間が午前・午後で区分されているのでお昼前には見学を終え基地を出ました。その後は基地近辺や舞鶴市内を軽く散策。


舞鶴港とれとれセンター

海に面した舞鶴市には大きく分けて2つの港があります。軍港として栄えた「東港」と商業港として栄えた「西港」です。
写真は西港の「とれとれセンター」という所で観光センターみたいな所です。新鮮な海産物が食べられます。

プルンプルンの岩カキとかすごく美味しかったです。


いくら鉄火丼

やっぱり海に来たら海鮮丼だね!


舞鶴市の観光名所の1つである「赤レンガ倉庫」。

国の重要文化財にも指定されている大変貴重で歴史ある倉庫群です。


こんな感じで舞鶴基地及び周辺を散策、15:30頃には舞鶴市を後にしました。
本当はもっとじっくり観光したかったんですが来週から仕事なんで惜しみつつ帰路へ。
往路と同じく国道27号を東へ進み再び敦賀ICから北陸自動車道に入りました。

※余談ですが翌日7月20日に舞鶴若狭自動車道の小浜IC〜敦賀JCT間が接続・開通しました。
あと1日現地で粘ってれば完成直後のピカピカの道路を走れたのに・・・ ちょっと残念

で、北陸自動車道に乗った訳ですが実は今日中にもう1ヵ所行きたい所がありました。それは石川県加賀市。
太平洋戦争中に活躍した帝国海軍の空母「加賀」の由来の土地なのでちょっと寄ってみようかなーという考えで。
そして2015年にヘリ空母「かが」が誕生するという奇跡
翌年に同じ名を持つ空母が進水するとこの時誰が予想できたでしょうか・・・感慨深い。

という訳で加賀市に寄ったんですが現地に到着したのが19:00過ぎで現地観光はほぼ不可能でした・・・

とりあえず「ポプラ」で夕食。

ご飯の特盛と作りたてのオカズが魅力のポプラ。
長野県には存在しないコンビニなので自分的には特別な店です。
北陸のコンビニと言ったら自分的にはポプラだね!


片山津温泉

温泉街として有名な片山津。夕食後に風呂に入り体を癒します。

その後、白山市?のローソン駐車場で車中泊。この時物凄い雨が降ってて
雨音が心地良い反面、サンルーフから雨漏りしないか心配しながら寝てましたね。

日付が変わって7月20日。再び北陸自動車道に乗り新潟県上越市方面へ向かいます。
名立谷浜ICで降りて途中の道の駅で休憩した後に上越市に入ります。


上越市から見る日本海

夏と言ったらやっぱり海だね!


上越市にあるフィッシングセンター

おぉ〜、すごく懐かしいなココ。子供の頃に家族に連れてってもらったわ。
釣り自体は楽しかったけどゴカイ(イソメ)がトラウマだったわ。


8番らーめんで昼食

石川県加賀市の国道8号線沿いに本店があったことから名付けられた8番らーめん。
北陸地方ではメジャーなラーメンチェーンです。自分も北陸に行った時はよく食べます。


せっかくなので「上越市立水族博物館」も見学

おぉ〜、ここも昔行った記憶あるなー


水槽に入り餌をあげるダイバーのお姉さん。

魚達(特にエイ)も餌を貰える事を学習してるのか、お姉さんに近づいて餌をねだります。


気持ちよさそうに泳ぐペンギン達。自分もこの水槽に飛び込んで泳ぎたい。
上越水族館はマゼランペンギンの飼育数では国内最多らしいです。


イルカショーも開催され家族連れで賑わっていました。

ショーのお兄さんのダイナミック過ぎるジャンプにワロタw

この後は国道18号を南下し長野県入り。21:45頃に自宅に戻りました。
ちなみに今回の累計走行距離は996kmに達しました。いや〜、我ながらよく走ったなぁ・・・

今回は舞鶴基地の見学がメインでしたが北陸地方や日本海の魅力も堪能し
夏の慰安旅行的な意味でもかなり有意義な旅行だったと思います。

また来年も「海+護衛艦+車中泊」でプチ旅行に行きたいですね。

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