第12旅団 創立18周年 相馬原駐屯地 創設60周年 記念行事 「装備品展示」 個人装備系 他
2019.4.13
このページでは「第12旅団 創立18周年 相馬原駐屯地 創設60周年 記念行事」における個人装備系・その他の展示について紹介します。
地域と共に歩んできた60年
改めて紹介すると相馬原駐屯地の所在地は榛東村という所です。群馬県のほぼ中央、榛名山の東麓に位置する村です。古代遺跡やブドウが有名らしい。
1959年の市町村再編により榛東村が誕生したとの事ですが、相馬原駐屯地が創設されたのも1959年なので正に地域と一体で歴史を歩んできた訳ですね。
ヘリ格納庫ではその60年間の歴史を振り返るパネル展が実施。当時の貴重な写真を用いて過去の歴史を紹介するこの企画は非常に興味深い内容でした。
昭和34年〜昭和43年 (1959年〜1968年)
相馬原駐屯地が新設&榛東村が誕生した1959年(昭和34年)から紹介がスタート。当時の日本では東京オリンピックの開催(64)、3種の神器(家電)の登場・普及など
高度経済成長の真っ只中で国民が好景気に湧いていた時代でした。一方で伊勢湾台風(59)や三億円事件(68)といった大きな自然災害や事件なども発生していました。
世界的にはベトナム戦争の激化、旧ソ連のボストーク1号による世界初の有人宇宙飛行(61)、ベルリンの壁の設置(61)、キューバ危機(62)、ケネディ大統領暗殺(63)
など世界が東西で分断・対立する構図(冷戦)が深刻化しつつありやや危険な時代でした。一方の世間ではビートルズやローリング・ストーンズなどが人気を博していました。
自衛隊関連では日米安全保障条約の締結(60)、相馬原駐屯地に第12師団司令部や第12戦車大隊が設置(62)、小笠原諸島の返還(68)、61式戦車や64式小銃の
制式化、海自初のミサイル護衛艦「あまつかぜ」の就役(65)など”戦後に発足した国防組織”としての基盤が固まりつつありアメリカとの同盟関係強化も進んだ時代でした。
昭和44年〜昭和53年 (1969年〜1978年)
日本ではよど号ハイジャック事件(70)、三島由紀夫事件(70)、あさま山荘事件(72)など過激な思想も持つ者達による物騒な事件が多発し国内に不穏な空気が漂ったりしていました。
他には沖縄返還(72)、原子力船むつの放射線事故(74)といった出来事もあり、政治や軍事の面で大きな課題(沖縄米軍問題や原子力艦の建造・保有)が生まれた時代でもありました。
しかし明るいニュースも多くありマクドナルドの日本初上陸(71)、上野動物園でのパンダブーム(72)、長嶋茂雄氏の引退(74)、王貞治氏が国民栄誉賞を受賞(77)などがありました。
また人気のテレビ番組や漫画(8時だョ!全員集合、太陽にほえろ!、ドラえもん、サザエさん、宇宙戦艦ヤマト、仮面ライダー、ルパン三世、こち亀等)が多く誕生したのもこの時代です。
世界ではアポロ11号による人類初の月面着陸(69)、ウォーターゲート事件(72)、ミュンヘンオリンピック(72)、第1次オイルショック(73)、ベトナム戦争の終結(75)、ロッキード事件(76)
などが発生し東西陣営の更なる対立(冷戦)の激化や政治的なスキャンダルが目立った時代でした。個人的にはアポロ11号の月面着陸とベトナム戦争の終結が特に印象的な出来事ですね。
自衛隊関連としては旧日本軍の横井庄一氏と小野田寛朗氏の帰還(72・74)、ベレンコ中尉亡命事件(76)、74式戦車やF-4EJの制式化、海自初のDDHである「はるな型」の就役など。
国外に取り残された旧日本軍兵士の帰還など先の戦争に対してひとまず区切りが付いた一方、新たな問題として旧ソビエト連邦の脅威に対する防衛戦略の見直しが行われつつありました。
昭和40〜50年代の訓練風景
初代おおすみ型(?)輸送艦による揚陸訓練や迷彩服1型(熊笹模様)の配備など旧ソ連による北海道侵攻を想定した訓練が行われていた時代でした。
昭和54年〜昭和63年 (1979年〜1988年)
日本では上越新幹線の開通(82)、中曽根内閣の発足(82〜87)、東京ディズニーランド開園(83)、ファミコン発売(83)、グリコ森永事件(84)、NTT誕生(85)、
日本航空123便墜落事故(85)、青函トンネル開通(88)、瀬戸大橋開通(88)、そして80年代後半よりバブル景気が始まりました。大きな事件・事故等がいくつか
ありましたがテクノロジー・インフラ・エンターテイメント等の分野で大きな革新が数多く見られ「未来に夢を抱きエネルギーに満ち溢れていた時代」だったと思います。
世界ではイラン革命(79)、イランアメリカ大使館人質事件(79)、アフガニスタン紛争(79〜)、第2次オイルショック(79)、スリーマイル島原子力発電所事故(79)
イラン・イラク戦争(80〜)、米国にてロナルド・レーガン政権が発足(81〜89)、スペースシャトル誕生(81)、フォークランド紛争(82)、大韓航空機撃墜事件(83)
ロサンゼルスオリンピック(84)、旧ソビエト連にてミハイル・ゴルバチョフが書記長に就任(85)、OSソフトWindows発売(85)、チャレンジャー号爆発事故(86)
チェルノブイリ原子力発電所事故(86)など。冷戦が最終局面に突入し東西両陣営が解決策を模索する一方、中東問題も絡んできて紛争が多発した時代でした。
そんな中での明るい話題としては宇宙・原子力・コンピュータ等の科学技術が飛躍的に進歩。(大きな事故もありましたが)世界中が明るい未来に夢を抱きました。
またSF映画が大ブームとなりブレードランナー(82)、ターミネーター(84)、バック・トゥ・ザ・フューチャー(85)、ロボコップ(87)など数多くの名作が生まれました。
自衛隊関連としては旧ソ連に対する国防戦略の更なる強化、空自ではF-15JやE-2Cの配備開始、海自においては「はたかぜ型」や「はつゆき型」の就役など。
昭和50〜60年代の訓練風景
白色外衣を着用しての雪上訓練、みうら型(あつみ型?)輸送艦に乗り込む61式戦車など旧ソ連の侵攻による北海道攻防戦を意識した訓練が行われていました。
昭和50〜60年代の世相
群馬県(相馬原)としての視点で見ると第38回国民体育大会が盛り上がった一方で日本航空123便が高天原山(御巣鷹の屋根)に墜落するなど悲惨な事故もありました。
自衛隊はそれらにも大きく関与。平時には国民的行事に参加して心身の研磨と広報に努め、災害時には全力で救助活動を行う。本当に立派な組織で頭が下がりますね。
平成元年〜平成10年 (1989年〜1998年)
国内における最も大きな出来事としては1989年に昭和天皇が崩御し元号が「平成」に改元された事です。戦後日本が一つの転換点を迎え新たな時代が始まりました。
消費税の導入(89)、スーパーファミコン発売(90)、クレヨンしんちゃん放送開始(92)、記録的冷夏と米不足(93)、プレイステーション発売(94)、松本サリン事件(94)
阪神淡路大震災(95)、地下鉄サリン事件(95)、もんじゅ漏洩事故(95)、ポケットモンスター発売(96)、ナホトカ号重油流出事故(97)、神戸連続児童殺傷事件(97)
もののけ姫公開(97)、ONE PIECE連載開始(97)、長野オリンピック開催(98)、黒澤明死去(98)、インターネットの本格的普及など出来事の良し悪しが両極端でした。
新時代の幕開けという事で明るい話題も多々ありましたが、バブル経済は崩壊し更に過去に例が無い様な事件・事故・災害が多発し正に「世紀末」と呼べる時代でした。
世界的な視点で見ても大きな変革が目立った時代でありベルリンの壁崩壊(89)、東西冷戦の終結(89)、天安門事件(89)、東西ドイツ統一(90)、湾岸戦争勃発(91)
ソビエト連邦崩壊(91)、ロサンゼルス暴動(92)、欧州連合の誕生(93)、北朝鮮の金日成氏が死去(94)、Windows95発売、在ペルー日本大使公邸占拠事件(96)
香港返還(97)など。冷戦終結とソ連崩壊により東西陣営対立の構図と世界バランスが崩れ、更にアジア地域の独立が相次いだ事(アジア問題の表面化)が印象的です。
自衛隊(ミリタリー関係)としてはソ連崩壊と冷戦終結による防衛戦略の見直し、そしてPKO協力法の成立(92)により自衛隊の海外派遣が可能になった事が大きいです。
専守防衛を貫いてきた自衛隊にとって海外派遣は大きな転換点でありペルシャ湾派遣(91)、カンボジア派遣(92)等を経て国際的な地位と信頼を得ていく事になります。
装備面では89式小銃や90式戦車の制式化、こんごう型イージス艦の就役(93)、XF-2の初飛行(95)、おやしお型の就役(98)など新装備の導入・更新が目立ちました。
新しい時代の新しい防衛のカタチ
最大の仮想敵国だったソビエト連邦が崩壊したとは言え気を緩める訳にはいきません。同盟国であるアメリカとの連携を更に強化し次なる脅威に備えて訓練に励みます。
余談ですが自分のミリタリー趣味が始まったのが1994年頃なのでこの辺からリアルタイム世代です。現実の軍事と自分の知識がリンクしてるので理解しやすいですね。
大きな災害や事件に見舞われた平成初期の日本
日本国内では未曾有の大災害や凶悪なテロ事件が発生。多くの国民が不安になる中で自衛隊は全力で事態の対応に当たり早期解決と復旧に尽力しました。
PKO協力法によって世界的な評価が高まっていた自衛隊ですが、国内でも災害派遣や事故処理などの活動実績により国民からの信頼が増していきました。
平成11年〜平成20年 (1999年〜2008年)
20世紀から21世紀へと歴史が変わる記念すべき時代として日本では世紀末ブームに。ノストラダムスの大予言(99)、2000年問題などが話題となり盛り上がりました。
その他としては東海村JCO臨界事故(99)、小渕首相の急逝(00)、えひめ丸事故(01)、USJ開園(01)、小泉内閣の発足(01〜06)、千と千尋の神隠し公開(01)、
日朝首脳会談により拉致被害者が帰国(02)、新潟県中越地震(04)、中部国際空港が開港(05)、JR福知山線の脱線事故(05)、第1次安倍内閣が発足(06〜07)
秋葉原通り魔事件(08)、麻生内閣の発足(08〜09)など。この年代では人々の心の闇やストレスが多様化しそれが原因で大きな事件や不祥事が多かった印象です。
世界ではユーロ導入(99)、アメリカ同時多発テロ事件(01)、コロンビア号空中分解事故(03)、イラク戦争(03)、スマトラ島沖地震(04)、リーマン・ショック(08)など。
特筆すべき出来事は「同時多発テロによりアメリカ軍の戦略が対中東にシフト」と「リーマン・ショックにより世界的な大不況が発生し多くの失業者が発生」の2点ですね。
自衛隊関係としては第12師団が旅団に改編(01)、防衛庁から防衛省に移行(07)などありますが仮想敵国が中国や北朝鮮に変わった事が一番の変更点です。
能登半島沖不審船事件(99)、九州南西海域工作船事件(01)、北朝鮮による核実験や弾道ミサイル発射、中国の海洋進出や尖閣諸島問題などが立て続けに発生。
これらの事態に対処する為に特別警備隊の創設(01)、はやぶさ型ミサイル艇の導入(02)、弾道ミサイル防衛の推進など海上防衛を中心とした強化が行われました。
災害救助や人道支援も大事な仕事
中国や北朝鮮に対する防衛戦略の転換は勿論、災害派遣や海外派遣の機会も多く国内外における自衛隊の重要性は年々高まってきています。本当にお疲れ様です。
平成21年〜平成31年 (2009年〜2019年)
日本国内の目立った出来事としては裁判員制度の開始(09)、アナログテレビ放送終了(11)、東京スカイツリー完成(12)、第2次安倍内閣が発足(12〜)、マイナンバー制度が開始(16)
軽井沢スキーバス転落事故(16)、相模原障害者施設殺傷事件(16)、こち亀連載終了(16)、SMAP解散(16)、天皇陛下の退位に関する議論や法改正(17)、安室奈美恵が引退(18)
カルロス・ゴーン逮捕(18)、イチロー引退(19)、働き方改革関連法の施行(19)など。昭和(平成初期)から続いてきた文化の終焉、そして新時代(令和)への転換準備が進んだ年代です。
世界に目を向けると米国でオバマ政権が発足(09〜17)、アラブの春が続発(10〜)、北朝鮮の金正日が死去(11)、トランプ政権が発足(17〜)、ラスベガス銃乱射事件(17)などが発生。
世界規模の戦争や災害が無く一見すると平和な時代ですが、様々な事情により各国のトップが交代して新しい政権が次々と誕生し「21世紀における国の在り方」の模索が始まった印象です。
自衛隊(防衛戦略)関連としては尖閣諸島漁船衝突事件(10)、特定秘密保護法案の成立(13)、安全保障関連法案が成立(15)など中国や北朝鮮による暴挙に対する法整備が進みました。
装備面では海自初となる全通式飛行甲板のひゅうが型の就役(09)、AIPを装備したそうりゅう型の就役(09)、P-1の運用開始(13)など海上防衛を主とした新装備が次々と導入されました。
自衛隊にとって最大の敵は”自然の脅威”なのかもしれない・・・
個人的には平成後期は自然災害が続発した印象が強く東日本大震災(11)を筆頭に平成26年豪雪(14)、御嶽山噴火(14)、熊本地震(16)、西日本豪雨(18)、胆振地震(18)など
全国各地で記録的な災害が発生。その度に自衛隊が現場に急行し人命救助や瓦礫撤去に尽力してくれました。頼れる存在である自衛隊には感謝すると共に今後も応援したいですね。
さて、こんな感じで紹介パネルを通じて自衛隊の60年の歴史を振り返ってみましたが如何だったでしょうか? 今回の記事を作成する為に自分なりに過去半世紀の歴史も調べましたが
現代の歴史を学ぶ事は楽しい&勉強になりますね。「過去に何が原因で、どの様な出来事が起きて、それが現代にどう関連し影響してるのか?」という事を
調べるのは知的好奇心が刺激されて良い勉強になります。特に自分のリアルタイムでのミリタリー体験・知識(1990〜2010年代)と組み合わせる事が出来るのでより理解し易いです。
そして来月から元号が「令和」に変わり新しい時代が始まります。大きな災害や戦争が起こらない事を祈りつつミリタリーファンとして自衛隊や各国軍隊の動向に注目していきたいですね。
小火器・被服の紹介
過去60年間において自衛隊が使用してきた小火器たち
60周年記念という事で自衛隊が今までに使用してきた小火器がまとめて展示。博物館レベルの展示品が並ぶ光景にガンマニアとしてはやっぱりちょっと興奮してしまいますね。
64式小銃 (試作型)
「おぉ〜、懐かしの64式じゃん。このクラシックなスタイルが魅りょ・・・ アレ? 何か違くねコレ?」 自分が知ってる64式とは明らかに違います。気になってフレームの刻印を見ると
「試製 口径 7.62mm小銃 1962」の刻印が。おぉ! 64式の試作型かコレ! 被筒や槓桿の形状が量産型と異なっている点などが実に興味深いですな・・・
M1 ガーランド M3 グリースガン
WWU時代にアメリカ軍によって使用されていたM1ガーランドとM3グリースガン。戦時中は敵国の銃でしたが戦後は自衛隊に貸与され隊員の訓練に貢献しました。
M1ガーランドは64式小銃に、M3グリースガンは9mm機関けん銃にそれぞれ更新されました。ガンマニアとしてはいつかモデルガンか無可動実銃で欲しいですね。
米軍系小火器の展示はM1、M3、BARの3種類のみでした。個人的な要望を言わせてもらうとトンプソン、M1919、M1カービン、ガバメントとかも見たかったなー。
M1918 B.A.R 62式機関銃
天才銃器デザイナーであるジョン・ブローニング氏によって設計され「分隊支援火器」という新しいカテゴリーを開拓したM1918 B.A.R。相変わらず惚れ惚れするスタイルですね〜。
そして戦後初の国産機関銃として開発された62式機関銃。旧日本軍の九九式軽機関銃を彷彿とさせるフォルムが魅力ですが独創的で複雑な構造故に作動不良が多い点が残念。
89式小銃 MINIMI
現在の陸上自衛隊における標準装備として活躍中の89式とミニミ。そう言えば89式は今年で制式化30周年ですね。もうそんなに経つんですね〜。
現在89式の後継となる「新型小銃」の選定が進んでるらしいですがそれはまだ先の話。この先も当面は89式が使用され国防に従事する事でしょう。
対戦車火器など
84mm無反動砲、89mmロケット発射筒、01式軽対戦車誘導弾、79式対舟艇対戦車誘導弾など。対戦車火器は時代と共にハイテク化が進んでるという印象ですね。
制服の変遷
今回の60周年記念・装備品展示の目玉の一つがこの制服の変遷の紹介です。どちらかと言えばマイナーなカテゴリーである制服がこれだけ大量に展示される事は珍しいです。
自分にとって制服は専門外のカテゴリーなのであまり詳しい意見は言えませんが、戦後〜現代までの自衛隊の被服を知る貴重な機会なので頑張ってレビューしたいと思います。
アメリカ軍の制服
終戦から5年後の1950年に自衛隊の前々身である「警察予備隊」が組織されましたが、発足直後は制服の用意が間に合わずアメリカ軍の物を着ていた時期もあったみたいです。
左のマネキンを例に見るとアイゼンハワージャケット、一等軍曹の階級章、パラシュート徽章などが確認できます。この時代の被服なら中○商店とかでレプリカを揃えられそうですね。
「警察予備隊」及び「保安隊」の制服
左のマネキンが「警察予備隊 夏制服」、右のマネキンが「保安隊 冬制服」です。一般の警察官の制服を供与・活用した物となっています。
当時の白黒写真では生地の色や質感がハッキリと分かりませんでしたがこうして実物で展示されると非常に理解しやすくて勉強になります。
陸上自衛隊の制服 @
1954年(昭和29年)に陸上自衛隊が発足したのに伴い制服もマイナーチェンジ。左から「冬制服2種」、「夏制服」、「夏制服」(女子)となっています。
警察予備隊・保安隊時代の制服デザインを踏襲した物なので大きな変化はありませんが、女性隊員用の制服が新たに制定された点に注目ですね。
陸上自衛隊の制服 A
1958年(昭和33年)に大幅なモデルチェンジが行われ画像の「58式 冬制服」などが制定されました。この時代では在日米軍による戦後統治の解除が進んでおり
同時に戦後の新たな国防組織として自衛隊が本格的に活動を開始した時期でもあるので、この時代の制服は自衛隊の歴史を知る上で重要な史料だと言えますね。
陸上自衛隊の制服 B
左から順に「60式 夏制服(女子)」、「60式 夏制服1種」、「70式 冬制服」、「70式 冬制服(女子)」、「71式 夏制服3種」、「71式 夏制服1種」、「71式 夏制服1種(女子)」です。
陸上自衛隊の歴史において茶灰色系の制服はこの70式が最後となります。これらセピア調の制服を見てると昭和という懐かしい時代に思いを馳せられますね。
1990〜2010年代の陸上自衛隊の制服
平成という新しい時代を迎え自衛隊のイメージチェンジを図るべく新たに濃緑色系の91式が制式化。自分にとって陸自の制服と言ったらやはりこのカラーですね。
そして令和という次の時代に合わせるかの様に制服はリニューアルされ16式として新制定。新しい制服と共に今後の陸上自衛隊の更なる活躍に期待したいです。
制服に関する細かい規定や名称など
制服というカテゴリーに疎い自分にとっては外見的な差異を見極めるだけでも一苦労なのですが製作・運用する側にとってはこの様な細かい規定・仕様が決まっています。
制服の世界は非常に奥が深くハードルが高いですが、だからこそ今回の様に実物を用いて被服の歴史を紹介する展示企画は強く印象に残り理解し易くて良かったです。