海上自衛隊 大湊基地
2018.9.8


日付が変わって9月8日。昨日は長野→青森間の移動(800km)だけで1日費やしてしまったので、本日はゆっくりじっくりと大湊基地を見学したいと思います。


改めてむつ市(下北)の状況を確認
 
ニトリ、モスバーガー、西松屋、ヤマダ電機、すき家など全国チェーンの店舗を多数確認。思ったより環境の整った都市で生活には困らないと思いました。(←オイ)


下北駅から大湊駅へ
 
JR東日本・大湊線に乗って大湊駅に向かいます。昨日乗った車両は快速・しもきたでしたが、今回は通常の各駅停車の列車となります。それにしてもこのローカルな雰囲気が良いですね〜。
2両編成、乗車駅証明書の発券機(無人駅が多い為)、最近ではあまり見なくなったボックスシートなど古き良き時代の光景が広がっています。長野県にも未だにこういう車両が走ってますね。


大湊駅に到着 (9:06頃)
 
おぉ〜、これが大湊駅か。大湊基地に勤務する隊員にとっての移動の玄関口か〜 落ち着いた雰囲気の良い駅ですね。ちなみに大湊線の終着駅です。


徒歩+バスで大湊基地へ
 
大湊駅から基地までは約3.6kmあります。「ん〜、3.6kmか・・・ とりあえず徒歩で行くか」と出発しましたが「あ、やっぱり駄目だ。Hey! バス!」って感じで途中からバスに乗車。
徒歩+バスで大湊基地までの道程を見ましたが坂が多い、と言うか全体的に丘陵な土地だと思いました。至る所に海抜表記があり海と陸地の高低差がハッキリしてると感じましたね。


大湊まつり
 
バスを降りて基地の場所等を確認していると立派な山車がやって来ました。調べると大湊まつりという地元のお祭りの山車みたいです。東北地方はエネルギッシュなお祭りが多い気がしますね。


坂の下には護衛艦の姿が!
 
宇田坂という坂の周辺に大湊基地の施設や護衛艦の姿を発見。ワクワクする気持ちを抑えつつ転ばない様に気を付けながら坂道を駆け下ります。


遂に大湊基地に到着

これが海上自衛隊・第5の基地「大湊」か! 思ったより立派な基地だな!(←失礼)
いや〜、これが大湊基地かぁ〜。初めて見る光景に大感激&達成感を感じますね。これで海上自衛隊の5大基地を全て制覇した事になります。
自分が海上自衛隊に興味を持ち始めたのが2000年頃。途中で空白期間もありましたが18年の歳月を経て海上自衛隊5大基地を制覇した事は感慨深いですね。


大湊地方総監部 東門
 
こちらは大湊基地への出入り口となっており正式には大湊地方総監部・東門と呼ばれます。各艦船の乗組員や基地内に勤務する隊員はここから出入りしています。

土・日・祝日の13:30〜14:30には基地や艦艇の一般公開を行っており、こちらで受付すれば見学可能です。舞鶴や佐世保と同じくらいオープンな見学要領です。
今日は土曜日なので本来なら見学可能な日なんですが、本日は諸事情により一般公開は未実施との事でした。Oh my God・・・ 何て事だ。
遠路はるばる800kmも旅して来た身としては結構ショックが大きいですね。やはり北海道地震への災害派遣とか影響してるのかも。そういう事情なら諦めますが・・・
それと余談ですが12月〜3月は見学不可との事です。理由は艦船や岸壁が凍結し徒歩での移動が危険な為です。如何にも青森の厳しい冬を象徴する理由です。


護衛艦を超至近距離で見学可能な多目的広場
 
基地の隣は多目的広場となっており、突堤に接舷している護衛艦を超至近距離で見学する事が出来ます。呉のアレイからすこじま並みの絶好の見学ポイントですね。
ここはむつ市が管理してる場所みたいで基本的には立ち入り自由、トイレもあるので長時間の滞在も可能です。熱心な海自ファンならば何時間でも楽しめる場所です。


大湊基地に停泊中の自衛艦

本日確認出来た艦は「DD-103 ゆうだち」、「DD-155 はまぎり」、「DD-156 せとぎり」、「DE-233 ちくま」、「DE-231 おおよど」、「TG205」、「YDT02」等でした。
そして今回は不在でしたが上記以外では「DD-112 まきなみ」、「DD-114 すずなみ」、「AMS-4302 すおう」等も配備されています。正直に言いますと大湊は地方の
小さな基地で配備艦船も旧式艦が4〜5隻程度だと思ってたので、こうして新旧護衛艦が7隻も配備されてるという艦隊の現実を見るとその認識を改めざるを得ません。

※余談ですが多用途支援艦である「すおう」が北海道地震に対する災害救助・支援の為に6日午前に出航したそうです。同基地の即応体制も大変優秀だと思いました。


「DD-155 はまぎり」   「DD-156 せとぎり」   「DD-103 ゆうだち」

上述した通り大湊基地には「あさぎり型」、「むらさめ型」、「たかなみ型」、「あぶくま型」の各護衛艦が配備されています。いずれも現役バリバリの護衛艦ですが
次々と建造される新型護衛艦と比べると若干の旧式感が否めないのも事実。しかし違う言い方をすれば大湊基地は旧式艦好きにとっての楽園とも言えます。


「DD-155 はまぎり」     「DD-156 せとぎり」

あさぎり型の5番艦「はまぎり」と6番艦「せとぎり」です。姉妹揃って同じ大湊基地に配備され仲良く隣り合わせで並んでるという光景が良いですね。
艦歴としては「はまぎり」は1990年に就役し1996年に大湊に転籍、「せとぎり」は同じく1990年に就役し1997年に大湊に転籍となっています。

「はまぎり」に関しては昼食に海自カレー(後述)を喫食した事、「せとぎり」に関しては漫画「空母いぶき」で活躍したなど話題に事欠かない2艦です。


正面から見た「はまぎり」と「せとぎり」

「あさぎり型」は左右非対称の艦として有名ですが、こうして綺麗に2隻並んでる光景はシンメトリー性があって良い絵になりますね。
個人的に注目したい点が対空レーダーです。1〜4番艦はOPS-14Cを装備してますが、5〜8番艦(はまぎり以降)はOPS-24を
装備してるのでマスト中段の外見が異なります。もしも「あさぎり型」の前期型が並んでたらまた違う光景になっていた事でしょうね。


「DD-103 ゆうだち」

「むらさめ型」は能力的にも建造数的にも護衛艦隊の中核戦力となっている艦なのですが、自分のミリタリー人生の中では何故かあまり見学する機会が無い艦ですね・・・
理由は横須賀・佐世保・呉など自分があまり遠征しない基地(更に岸壁から間近で見学する事が困難)に配備されてる為でしょうか? いつかじっくり見学したいっぽい。


YG-205
 
制式名称は「油船203号型」であり、この船はその3番船(205号)という事です。航空機用のジェット燃料(JP-5)を扱っています。停泊場所的に良いアングルで写真が撮れました。


基地内の様子
 
多目的広場からは基地内の様子をちょっとだけ見る事が出来ます。とりあえず「ちくま」や「YT90」や大湊基地業務隊などがチラッと見えました。今回基地内を見学出来なかった事が非常に残念です・・・


北洋館
 
多目的広場での見学を終え次は大湊地方総監部へと向かいます。途中に在るのが「北洋館」という建物です。元々は1915年に大日本帝国海軍・大湊要港部の水交支社として建設され、
1981年からは海上自衛隊の史料館「北洋館」としてオープン。「北方の海上防衛」をテーマとしており、1902年の旧帝国海軍・大湊水雷団の開設から現在の海上自衛隊・大湊基地に至るまでの
歴史・装備・資料等が公開されています。当然こちらも見学予定だったのですが何と北洋館も休館中! 俺は一体何の為に大湊まで来たんだ・・・? orz


海上自衛隊・大湊地方総監部
 
こちらは「大湊地方総監部」です。大湊基地に所属する艦艇や部隊の司令部ですね。地方総監部は基本的には見学不可なので、外から見るだけで十分満足です。

そして画像にも写ってますが街の至る所に「北の防人 大湊」という文字が大々的に掲げられていました。本州の最北端に位置する大湊基地は津軽海峡や
宗谷海峡が警備担当区であり、隣国の違法な海峡通過や軍事侵攻を阻止すべく日々監視の任務に当たっています。また冬の日本海という厳しい自然環境とも戦っています。
なので海上自衛隊の5大基地の中でも最も緊迫した基地と言えるかも。それ故に「北の海の平和はオラ達が守る」という強い意志と誇りを感じる言葉ですね。


大湊地方総監部の門柱と所属部隊
 
大湊地方総監部の立派な門柱には所属する部隊の名前が誇らしげに掲げられています。これらの部隊の中で個人的に注目したいのが警備隊に属する「水中処分隊」です。
今年の2月20日に三沢基地に所属するF-16が飛行中トラブルに陥り、止むを得ず燃料タンクを小川原湖に投棄。シジミ漁場の汚染が危惧される中で大湊基地の水中処分
隊が緊急出動し燃料タンクの残骸を回収、被害を最小限に抑えました。上述の北海道地震への災害派遣と同様、大湊基地の対応能力の高さを物語るエピソードの1つです。


水源地公園を散策
 
国道338号を挟んで大湊地方総監部の反対側に位置するのがこの水源地公園です。旧帝国海軍・大湊水雷団の時代に艦船への補給用水の確保を目的として整備され現在は公園となっています。


安渡館と「はまぎり」テッパンカレー
 
このお洒落な白い建物は「安渡館」と呼ばれ食事、観光情報、お土産などを扱うカフェテリアとなっています。かつて実在した旧帝国海軍・大湊要港部の庁舎をイメージして造られています。

この安渡館で食べられるのが護衛艦「はまぎり」給養員直伝のはまぎりテッパンカレーです。隠し味にすりおろしリンゴを使用しており、ほんのりフルーティーな優しい味が特徴のカレーです。
そしてオカズの大湊海軍コロツケもかなり美味です。細かくすり潰されたジャガイモのとろける様な舌触りが絶品でした。今まで全国各地の海自イベントに参加した際に何度か海自カレー
食べてますが、こうして実際の護衛艦とほぼ同じテッパンに盛られたカレーは今回が初めてですね。より本物の雰囲気に近づいた気分です。ちなみにこちらは1日限定20食となっています。

大湊海自カレーについて

むつ市が地域振興の一環として大湊地方総監部と協力して販売・提供している大湊海自カレー。はまぎり、ちくま、まきなみ、第25航空隊など合計10種類のメニューが展開中みたいです。
この大湊海自カレーですがコンプリートするには正直ちょっとハードルが高いです。店舗の多くが10〜20食限定となっているので開店直後に注文しないと間に合わないです。
そして販売店の多くが下北駅と赤川駅の周辺に集中しています。大湊基地とは距離があるので「大湊で護衛艦を見学して海自カレーも食べたい」という場合は両立させるのが難しいです。
完全制覇するには現地で1週間近く滞在して毎日違う店に食べに行くのが最善策・・・なのか? むつ市が一度に10種類の海自カレーを出すならば、俺は10人の胃袋を以って受け止める!


海望館
 
こちらは海防艦「海望館」と呼ばれる展望タワーです。海抜55mの高さに位置し大湊基地や芦崎砂嘴など大湊の風景を一望出来ます。入場は無料ですぐ裏に駐車場もあるのでアクセスは良好です。


海抜55mからみた大湊基地

これが大湊基地の全景か・・・ 小規模ながらも立派な構造の基地だな〜
5大基地の中で一番小規模な大湊基地ですが、3ヶ所の突堤があり1万tドックも備えているなど基地としての必要な機能や設備は一通り揃っています。

大湊湾の中間に在る中途半端な陸地が芦崎砂嘴、更にその奥に見えるのが下北半島です。大湊は自然に囲まれた基地という表現がピッタリですね。


第1突堤 周辺

先述の多目的広場から超至近距離で見学させてもらったのがこの第1突堤です。そして画像の右端でちょこっと見切れてる「ちくま」が接岸してるのが第2突堤です。
突堤に護衛艦が接岸してる光景を見ると改めて海自の基地だと実感しますね。(そして突堤や桟橋を有さず直線岸壁のみの舞鶴基地は特殊だと改めて再認識)


第3突堤 周辺

こちらは基地の南西側に位置する第3突堤です。本日は「おおよど」や「YDT02」が接岸しており、岸壁には関連施設が多く並んでいます。
今回は基地の一般公開が未実施なので内部の様子を見学する事が出来ませんでしたが、いつか再訪問して内部を見学・勉強したいです。


第2・第3突堤に接岸中の自衛艦など
 
大湊基地を外から見学する場合は多目的広場と海望館がベターな2大見学ポイントかと思いますが、第3突堤とかは海望館からの方がよく見えますね。(望遠レンズ必須ですが)

と言うか大湊基地って配備されているのは汎用護衛艦のみなんですね。輸送艦や掃海艇などの補助艦艇が配備されていないのでちょっとバラエティに欠けるかなーとも思ったり。


1万tドックと大湊航空基地

画像ではハッキリ見えませんが森の奥に1万tドックが存在しています。旧帝国海軍時代に造られた物を海上自衛隊が戦後に引き継いで使用しています。
横須賀や呉にもドックが隣接してますが、あれらは民間造船会社やアメリカ海軍が所有する設備であり海上自衛隊が唯一自主的に管理・運営してるのがこの大湊の
1万tドックとの事です。本州の最北端にて孤軍奮闘気味に任務に当たる大湊基地にとって心強い設備である事は間違いないでしょう。いつか見学してみたいですね。

そして対岸にある綺麗に整備された土地が大湊航空基地です。コチラには第21航空群に属する第25航空隊が展開しSH-60J等を運用しています。
艦船基地と航空基地が隣接してるという点が舞鶴とよく似てますね。大湊マリンフェスタというイベントでは基地開放を行うみたいです。(毎週末の一般公開などは不明)


「DE-227 ゆうばり」の主錨
 
水源地公園内にはかつて大湊基地で活躍した護衛艦「ゆうばり」の主錨が展示されています。「ゆうばり」は1983年に就役し大湊基地に配備、2010年の退役までずっと北の海を守り続けました。
基準排水量1470tという小柄な船体、中央船楼型、ボフォース対潜ロケット砲などユニークな設計の艦でした。自分にとって見る機会が少ない艦だったのでこの主錨だけでも大きな価値があります。


壱番館                                                         弐番館
 
こちらは旧帝国海軍・大湊要港部時代に士官官舎として使われていた建物です。大正4年に建設され1棟につき2世帯が入居してたそうです。現在はむつ市の有形文化財に指定されています。


その他 水源地公園の様子など
 
左の立派な建物は大湊地方総監宿舎だそうです。今も現役で使われてるんでしょうか・・・? そして水源地公園なので各所に貯水池や水路などがあります。


貯水池とか
 
貯水池には蓮やサルビアが咲き色鮮やかな風景を作り出していました。自分は基本的にミリタリー系の写真しか撮らないんですが、いつかこういう風景写真の魅力に目覚めるといいですね。


最後に護衛艦の勇姿をもう一度

最後に再び多目的広場に戻ってくると「YO32」が新しく接舷していました。時間の経過によって基地の光景が変化するという点も楽しいですね。


さらば大湊! また逢う日まで・・・

これにて大湊基地の見学は完了です。北洋館が休館中だったり艦艇の一般公開が未実施だったりと予想外の事態はありましたが
人生初の大湊基地の見学はとても有意義な体験となりました。
大湊基地の規模と設備はどの程度なのか? 配備されている艦艇は何なのか? 周辺にはどんな関連施設があるのか?など実際
に現地を歩いたからこそ得られた情報が多くありました。次回は基地内の一般公開も含めてよりディープに見学・勉強したいですね。

※大湊基地のホームページには「フォトギャラリー」があり、日々の活動の様子が細かく紹介されているのでそちらも是非ご覧下さい。

平成30年度 海上自衛隊関連イベントへの参加終了報告

今回の大湊基地見学を以って平成30年度における海上自衛隊関連イベントへの参加は終了となります。
(本来なら10月に行われる「観艦式」に応募する予定でしたが、東京オリンピックの開催年度と会場の関係で今年の観艦式は中止らしい)

今年は18年振りに厚木基地の日米親善春祭に参加したり、3年振りに横須賀基地を見学したり、舞鶴サマーフェスタに初めて参加したり、
大湊基地を初見学したり、ハイスクール・フリートに夢中になったりと中々情熱的に行動した年でした。この調子で来年も頑張りたいですね。


※余談ですが大湊には海自の基地以外に航空自衛隊の「大湊分屯基地」が存在しています。第42警戒群等が配置され、J/FPS-5という
強力なレーダーで北日本の空を監視しています。こっちも見に行こうかと思ったのですが、防衛機密的な事情もあるので見学は控えました。


ホテルに戻って明日の三沢基地航空祭の準備
 
大湊基地の見学を終え(やはり歩くのが面倒だったので)バスに乗ってホテルまで戻ります。行きは電車でしたが帰りはちょうど良いルートにバスが通ってたのがラッキーでした。
そして夕食。ホテルの近くに海自カレーを提供している店舗があり、一応確認しましたがやはり売り切れでした。だから無理だってコレ・・・ 代わりにデミグラスオムライスを喫食。

その後は大湊基地で撮った写真を確認したり荷物を整理しながら明日の三沢基地航空祭に備えて準備を進めます。(天気予報が完全な雨なので嫌な予感がプンプンですが・・・)


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