第41回 アメリカ海兵隊/海上自衛隊 岩国航空基地フレンドシップデー
2017.5.5
それでは「Operation M.K.I 2」の3日目、今回の主目的である「岩国航空基地フレンドシップデー」のリポートをお送りします。フレンドシップデーに参加するのは今回で2回目なので事前に色々準備してきたつもりでしたが、
駐車予定だったパーキングが無くなってて駐車場所探しに苦労したり、緊張と興奮で中々寝付けないまま04:00に起床して寝不足のまま出発したり、駐車場所から大竹駅まで徒歩40分も歩く羽目になったり、
06:16の臨時列車に乗る予定だったのに超満員で乗れず次の06:27の便に乗らざるをえなかったり、スマホのバッテリー残量がヤバくてモバイルバッテリーで延命措置したりと出発時から結構トラブりました。
特に前日に駐車場の確保を失敗したのが痛かったですねー。改めて調べてみると大竹駅/岩国駅周辺にはいくつかのパーキングがありますが、熾烈な争奪戦が予想されるので来年以降は交通手段を慎重に検討したいです。
岩国駅(改修工事中)に到着(06:35頃) 岩国基地前の入場待機列に合流(07:05頃)
他県民としては「岩国市は米海兵隊と錦帯橋とシロヘビが有名な小さくて穏やかな街」というイメージですが、2017年以降に厚木基地の空母艦載機部隊が岩国基地に移転する事が決まっており
移転が完了すれば120機超の軍用機が常駐する、極東最大級の米軍基地となる見込みだそうです。岩国駅の拡張工事もそれに関係してるのかもしれませんね。
米国海兵隊岩国航空基地
海兵第12飛行大隊 海上自衛隊 第31航空群
去年は海上自衛隊が不参加だったので米海兵隊の名前と存在感が目立ちましたが、今年は海自も参加するので第31航空群の名前も力強く輝いて見えます。
基地(入口)に入場したのは07:10頃でしたが、去年と同じく手荷物検査で大渋滞。検査をパスしたのが07:50頃でした。去年と比べて30分近く遅れますね。
それと余談ですが検査の際に「Are You Japanese?」的な感じで質問をされました。・・・あー、自分は昔からよく外人っぽい顔って言われるのでそれでしょうね。
今年のフレンドシップデーはF-35Bが日本初展示、ブルーインパルスの飛行、ハリアーUが最期のフライト、US-1Aも最期のフライト
という4つの大きなトピックが重なったQuadruple Jet Extreme Attack!なので去年以上の混雑は覚悟してました。ちなみに今回の来場者数は21万人だそうです。
基地内の様子
在日米軍基地、つまり日本の中にあるアメリカという世界なので日本の感覚や価値観では考えられない様な人や物と多数遭遇できるのが在日米軍基地の魅力です。
移動式の監視台とか小型バギーとか面白そうな物がたくさんありました。特にこのバギーなんか今朝から1時間以上も徒歩移動してる自分には羨ましく見えましたね。
他に印象深かった光景がアメリカ人としての誇りです。08:00にアメリカ国歌が流れたんですが、その際に自分の近くにいた黒人女性が胸に手を当て直立不動の姿勢を取っていました。
敬礼では無かったので一般人(軍人の家族)とかだと思いますが、強い愛国心があるからこその行為だと感じました。日本とアメリカはの文化は異なりますがこういう所は見習いたいですね。
地上展示エリアに到着
Hey! USMC! For the first time in one year!(訳:よぅ、海兵隊! 1年ぶりの再会だな!)(←頑張って調べた英語)
1年ぶりに訪れたアメリカ海兵隊・岩国基地。普段では見る事が出来ない米軍装備が数多く展示され、我々ファンを楽しませてくれます。やはり在日米軍基地って特別な空間ですね。
AV-8B ハリアーU (#165573) 「VMA-311 ”Tomcats”」
今回の自分のお目当てであるハリアーU。去年は「VMA-214 ブラックシープ」の所属機でしたが、今年は「VMA-311 トムキャッツ」です。
ご存知の様に岩国基地のハリアーはF-35Bに更新される事が決定しているので、日本でハリアーが見られる機会は今回が最後と言えます。
なので地上展示や飛行中の写真を沢山撮ろうと思っていたんですが、様々な事情によりあまり多くの写真が撮れませんでした。詳しくは後述。
その他の装備品展示など
KC-130Jの機内一般公開が行われていたり、アメリカンサイズの巨大トレーラが展示されたりと装備品展示も盛り沢山です。これら以外にも珍しい海兵隊装備が多数展示されていたのですが
この時点において「少しでも早く有料観覧席に入っていい席を確保する」というのが優先目的だったので、装備品展示の見学・撮影は後回しにして有料観覧席及び展示飛行エリアに向かいます。
展示飛行エリア(エプロン)
展示飛行などのメインイベントが行われるエリアに到着。眼前を飛行する航空機を撮影する最前線であり、最新鋭機であるF-35Bなども展示されているので、今回の主戦場と言えるエリアです。
”一般”有料観覧席の様子 (08:30頃)
去年より1時間早い08:30頃に一般有料観覧席に入場。パイプ椅子や段差ベンチで構成されており、自分は少しでも高い位置から撮影したかったので段差ベンチに席を確保しました。
しかしこのベンチが何気に厄介で只のアルミの板なので長時間座ってると尻が痛くなります。なので有料観覧席特典のタオルを敷いて見学。来年からはクッション対策も必要そうです。
有料観覧席を利用するのは今回で2回目ですが、今年から多少ルールが変更されており、「一般向け」と「写真撮影者向け」の2種類に区別されています。
フレンドシップデーは航空祭なので巨大な望遠レンズ付きカメラを持参して撮影する人が多数存在しますが、狭い観覧席で巨大なレンズを振り回す事に対しクレームが出たのか、
「巨大な望遠レンズ付きカメラで撮影したい人は写真撮影者向け観覧席チケットを購入するか、もしくは有料観覧席の外(無料エリア)から撮影してください」という事みたいですね。
対して一般向け有料観覧席は三脚及び6インチ(15cm)以上の望遠レンズ付きカメラは使用不可という結構厳しい条件となっています。
「カメラ本体+レンズの全長が15cm以内」という規定なので、自分の装備の中でこの条件を唯一クリアしてる「18-135mmレンズを装着したK-S2」で撮影する事にしました。
ドッグタグ型入場証 アメリカンサイズのペパロニピザ(¥1500)
今回の有料観覧席は写真撮影者向け(¥7500)と一般向け(¥4000)の2種類がありますが、写真撮影者向けは即日完売だったので(そして自分はカメラの腕が無いので)今回は一般向けを購入。
去年の特設観覧席(¥2500)に比べて値上がりしてますが、記念タオルやポスターなどが付属してちょっと豪華な内容となっています。ちなみに一般向け有料観覧席の販売数は4500席だったらしい。
右の画像はフレンドシップデー名物とも言えるアメリカンサイズの巨大なペパロニピザ。去年のフレンドシップデーで食べ逃した逸品で今年は絶対に食べようと思っていたメニューです。
サラミとチーズというシンプルなトッピングですが焼きたて熱々でとても美味しく、値段の割にボリューム満点で食べ応えも十分。ゲータレード(1クォートボトル)と共に美味しく頂きました。
(余談ですがこのピザを食べたのが09:40頃。今朝は慌ただしくて朝食を食べる余裕が無かった事、そしてランチタイムの多忙と混雑が予想されたので朝昼兼用の食事となりました)
※画像の5ドル札はVMA-311のブースでパッチを買った際にお釣りとして貰った物です。ハリアー運用部隊のクルーから貰ったドル紙幣なので自分にとってはちょっとした宝物です。
それでは「第41回 岩国フレンドシップデー」のリポートをお送りします。有料観覧席から見学・撮影したとは言え、今回使用したカメラ(レンズ)は135mmという望遠とは
呼べないレンズであり、以下で紹介してる画像の殆どはトリミングした画像である事を理解・承知した上でご閲覧して頂ければと思います・・・
それと余談ですが3月の「はたかぜ」見学の際に試作した「デュアルマウント」を改良して実戦投入。K-S2とWA2を並列に並べ写真と動画の同時撮影を試してみましたが
両機の撮影軸線が合ってない、WA2の電源が勝手に落ちるなどの不具合が確認されたので結局分離してK-S2のみで撮影。写真と動画の同時撮影って難しいですね。
ウィスキーパパによるアクロバット飛行 日米の国旗を掲げたパラシュート降下
オープニングは去年と同じくウィスキーパパによるアクロバット飛行や日米の絆を象徴したパラシュート降下などを実施。大空を自由に飛び回るその姿は観客を魅了していました。
今回のフレンドシップデーにおいてハリアーUと並んで最重要目的と捉えていたのがこの海上自衛隊・US-1Aです。
自分は海上自衛隊ファンであり艦船は結構熱心にチェックしているんですが、ヘリコプターや救難飛行艇などの航空機はやや専門外で知識や情熱が及ばない部分があります。
しかしUS-1Aは今年限りで退役との事なので、例え専門外でもせめて最後の勇姿を写真に収めねば!と思い今回頑張って撮影してみました。
離陸するUS-1A (10:34頃)
1970年に対潜哨戒機として開発・制式化されたPS-1をベースとし、対潜装備に代わり救難機器を搭載し陸上離着陸能力などを付加し開発されたのがこのUS-1だそうです。
つまり完全な新規設計の機体ではなくPS-1のバリエーション(改良型)の1つという位置付けみたいです。更により強力なエンジンに換装した機体が画像のUS-1Aになります。
上記にて135mmじゃ望遠が足りないと書きましたが、US-1Aは比較的大柄な機体なのでそこそこアップで撮れましたし編集時のトリミングも少なくて済みました。
それにしても有料観覧席の最前列にポジションを確保できた人が羨ましい。ここなら最も近い距離で撮影できるので6インチ制限のカメラでも十分に撮影できそう。
最後のフライトを行うUS-1A (#9090号機)
1976年から部隊配備が開始され合計20機が製造されたUS-1A。画像の#9090号機は最終号機として2005年に海上自衛隊に納入されました。ホントに最後の1機なんですね。
主な配備先は岩国基地の第31航空群・第71航空隊で、後継機であるUS-2と共に救難任務に就いています。過去には厚木基地の分遣隊にも派遣されていたらしい。
機体のスペックは全長33.5m、全幅33.2m、自重26600kg、エンジン:T64-IHI-10J(3500馬力ターボプロップ)×4発、最大速度490km/h、航続距離4000km以上という感じ。
開発メーカーは新明和工業。どこかで聞いた事がある名前だなーと思って調べてみたらトラックのパワーゲートとか作ってる会社でした。あぁ、成程ね。仕事でよくお世話になってます!
過去にどこかでUS-1Aの飛行シーンを見た事が無いかと思いPCのデータを調べてみたら2012年の観艦式にて今回と同じ#9090号機の飛行及び離着水のシーンを見学してますね。
特徴的な形状の艇体
水面に離着水する飛行艇らしく艇体下部が絞られたユニークな形状です。離着水の能力としては波高3mまでの離着水が可能でSTOL性能も有してるとの事。
フラップを展開し低速で飛行
フラップを大きく展開し低速での飛行性能をアピールするUS-1A。調べてみると時速55ノット(約100km)という航空機としては超低速でも飛行可能らしい。
着陸・旋回するUS-1A (10:46頃)
先代のPS-1は飛行艇として設計されたので陸上の滑走路への離着陸は不可能でしたが、US-1は海上と陸上、両方への離着陸が可能。これってスゴく重要な改良点ですね。
最後のお別れの挨拶をするUS-1Aの搭乗員
上述した通り自分は海自の航空機はやや専門外で、今回リポートを作成するにあたり機体の能力や所属する部隊などを調べましたが非常にユニークな航空機ですね。
自分の過去のミリタリー人生を振り返ってもUS-1Aを見た記憶は少なく、後悔の念すら感じますが、今回のラストフライトを見学できた事は大変貴重な経験となりました。
海洋救難に尽力し、飛行艇の存在価値を世界に証明した名機、US-1Aに敬礼!
MV-22B オスプレイ (#8220) 「VMM-265 ”Dragons”」
去年展示飛行を行った「VMM-262 フライングタイガース」の機体はロービジ塗装だったので地味でしたが、今年の「VMM-265 ドラゴンズ」の機体は垂直尾翼に描かれた派手で格好良いマークが見栄えしてます。
陸上自衛隊・UH-1J(#41814号機)からのラペリング
今回は陸上自衛隊からUH-1Jが参加。ラペリング等を披露してました。フレンドシップデーに参加する航空機は海軍/海兵隊のグレー系の機体が多いのでグリーン迷彩の本機は良くも悪くも目立ってましたね。
そして注目すべき(注目してはいけないべき?)はラペリング降下後に車で移動してた隊員の姿。安全上の規則なのか滑走路は車で移動してました。(芝生は自分で走ってました) ・・・う〜ん、ちょっと幻滅かも。
室屋義秀氏によるアクロバット飛行
去年は黄色い「エクストラ 300L」という機種でしたが、今年はシルバーの「エクストラ 330SC」という機種で展示飛行を実施。数種類の飛行機を保有してるなんて羨ましいですね〜。
F-16 ファイティング・ファルコン (#92-893) 「13th Fighter Squadron ”Panthers”」
青森県の三沢基地から飛来した第35戦闘航空団・第13戦闘飛行隊(13FS)に所属するF-16。去年は「三沢基地から来たF-16」というざっくりした感想でしたが、所属する飛行隊とか調べると面白いですね。
これで午前のスケジュールが終了。結局午前中はハリアー飛ばなかったな・・・ つまり午後が本番だ、このまま戦闘態勢を維持!と思いつつお昼休憩に。
ただお昼休憩と言ってものんびりランチを食べてた訳ではなく、地上展示のF-35Bの写真を撮りまくってたり、有料観覧席にも関わらずトイレで20分以上も待たされたりしたので結局ゆっくり休めませんでした。
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