平成29年度 富士総合火力演習
2017.8.27

今回は陸上自衛隊における最大・最強のイベントとして有名な「富士総合火力演習」のリポートをお送りします。総火演に参加するのは今年で通算12回目でしょうか。
総火演は年々プレミアイベント化してきてチケットの入手が難しくなってきており、今回も無事に参加出来た事を嬉しく思うと同時に防衛省等には大変感謝しています。

そして今後も上昇するであろう抽選倍率や自身の体力等の事を考えると総火演に参加できるのは今年が最後かもしれないとも思うので
総火演を五感を楽しみ、全身の毛穴で受け止め、学び、記憶し、後世に広く伝えようという意気込みで参加しました。

今回のルートとしては前日26日の22:00頃に自宅を出発。国道20号や国道137号、山中湖や道の駅すばしり等を経由した後に02:35頃に会場に到着しました。


02:40頃の会場の様子                                                          04:55頃の会場の様子
 
去年と同じく相方と協力しつつ02:35頃に会場に到着。相変わらずの激混みで既に戦場の空気が充満してます。そして今年は負傷せずに無事に戦場へ到着したぜ!(←自慢する事じゃねーよ)


東富士演習場の全景

自分が座った席であるスタンド席の下から3段目から見える光景。今回はちょっと趣きを変えて「パノラマモード」で会場を撮影してみました。こういう撮り方も面白いですね。
今回の総火演の参加者数は約24000人。自衛隊サイドだと約2300人の隊員、戦車等の車両約80両、榴弾砲等の火砲約60門、航空機約20機という感じらしい。


今回使用した撮影機材                                                            パンフレット&記念パッチ
 
今回使用したカメラは画像の様に「ペンタックス K-S2」と「ファインピクス S-1」の2台をマウントを使って並列に固定+三脚で撮影。2連装の対空機銃みたいでカッコイイな!
異なる2台を持参した理由はK-S2は300mmレンズしか持っておらず望遠撮影に不安があったので、画像センサー(1/2.3型)は小さいけど光学50倍ズームが可能なS-1を補助として使う為です。
ただ2台を並べて何枚か試し撮りをした結果、「総火演はK-S2+300mmレンズでもそれなりに満足に撮影できる」と判断したので、S-1は早々に撤収。こんだけ嵩張ってると正直言って使いづらい。

右の画像は今年の総火演のパンフレット及びパッチです。今年のテーマは「日本を防衛力(まもる)」。去年は記念パッチを買い逃して悔しい思いをしたので今年は入場待機中の03:30頃には購入。


点検射撃
 
06:43頃から点検射撃が開始。89式装甲戦闘車が35mm機関砲をズガンズガンと発射したり、隊員が迫撃砲をテキパキと展開・撤収したりします。


支援射撃をする榴弾砲部隊                                               96式装輪装甲車から展開(撤収?)する隊員
 
点検射撃とは言え榴弾砲が派手に射撃したり装甲車がガンガン走り回ってる光景を見るとテンションが上がりますね。


綺麗に並んでホバリングするAH-64D                                                 注目の新装備であるAAV7
 
注目の新装備であるAAV7が実際に走行している姿を見ると感動しますね。この時は会場前通路を走り抜けただけでしたが、後程改めて機動展示を行っていました。(後述)


点検射撃の終了後は会場の掃除と整備
 

 
音楽隊は演奏場所が遠過ぎて上手く撮れなかったのでテレビ中継ディスプレイでご容赦ください。「戦車道行進曲 パンツァーフォー」とか演奏してたらしい。自分はガルパンは興味無いけどそういう時代なんですねー。

こんな感じで点検射撃や音楽演奏などを堪能。他に印象に残った事と言えば会場整理の隊員さんが「思い出とゴミはちゃんと持ち帰ってくださーい!」とコミケみたいな面白い名言を言ってた事とかかな。



前段演習

それではいよいよ富士総合火力演習の開幕です。まずは陸上自衛隊の主力装備を紹介する「前段演習」です。

牽引されるFH70                                                           99式自走155mmりゅう弾砲
 
同じ155mm榴弾砲なのにFH70は牽引式+手動装填なのに対し、99式は自走式+自動装填となってて榴弾砲の変化の歴史を感じますね。


現在の陸自が装備してる榴弾砲が大集合

左から99式自走りゅう弾砲、87式砲側弾薬車、FH70、203mm自走りゅう弾砲がズラリと並んでます。陸自の野戦特科の歴史を1枚にまとめた様な光景となっています。
余談ですが「そう言えば75式自走155mmりゅう弾砲ってどうなったんだ?」と思い調べると2016年に退役したそうです。陸自装備の歴史がまた1つ終わったんですね・・・


野戦特科部隊の榴弾砲による砲撃
 

 
標的である三段山に向けて次々と榴弾が撃ち込まれます。各種榴弾砲の射程距離が30km前後なのに対し、三段山までは約3kmなので非常に近い標的と言えますね。


榴弾砲部隊による決め技である曳火射撃
 
水平に同時着弾させる「TOT」、山型に同時着弾させる「富士山」など非常に難易度の高い技を披露。相変わらず陸上自衛隊の練度の高さを示していました。


戦場に降り立つCH-47とそこから発進する高機動車+120mm迫撃砲
 
今年の春に相馬原駐屯地祭にてCH-47の体験搭乗に参加させてもらったので、キャビンから発進するという運用・展開がより身近に感じますね。


射撃準備中の120mm迫撃砲RT
 


発射!
 
120mm迫撃砲弾の形状が発射前と発射後で大きく異なる所とかがポイントでしょうか。右の画像に写ってる物体は「撃ち殻」みたいな物らしいです。


ズラリと並んだ対戦車誘導弾                                              標的へ向け飛行する96式多目的誘導弾の飛翔体
 
自分は元々ガンマニアですが、ミサイル(誘導弾)みたいなハイテク系の装備も結構好きです。そして右画像に写ってる96式多目的誘導弾、1発あたり約5000万円らしいですよ・・・ 


中距離多目的誘導弾
 
開発経緯としては87式対戦車誘導弾(中MAT)の後継機種ですが、上述の96式多目的誘導弾が高価格かつ大掛かりで配備に制限がある事からその後継も兼ねているとの事です。


指向性散弾
 
標的である複数の風船を一瞬で壊滅させる指向性散弾。「おー、流石はクレイモア。メタルギアシリーズでよく使ってたなー」などと思ってたんですが、改めて調べてみると
自衛隊が装備しているのはクレイモアではなく、スウェーデンの「Fordonsmina 13」という機種をライセンス生産した物との事。ずっとクレイモアだと勘違いしてました・・・


対人狙撃銃(M24)
 
対人狙撃銃のデモンストレーションも行われましたが去年と同じくアングルの関係でよく見えません・・・・  対人狙撃銃をじっくり見たければ地方の駐屯地祭(例:松本駐屯地祭など)が一番じゃないでしょうか。


96式装輪装甲車
 
左が40mm自動てき弾銃を装備した「A型」、右がブローニングM2装備した「B型」となります。生産比率としてはA:B=10:1らしい。ガンマニアとしては40mm自動てき弾銃もいつかどこかでじっくり観察したいですねー。


戦場に展開・進撃する普通科隊員
 

 
ガンマニアとしては実銃の射撃シーンはやっぱり面白い・・・と言いたい所ですが距離が遠過ぎる上に望遠レンズが貧弱なのであまり良い絵は撮れず・・・ 今後改善すべき事案ですね。


01式軽対戦車誘導弾(軽MAT)
 
去年は軽装甲機動車から発射されましたが今年は96式装輪装甲車の車上から発射。弾体が大きいので見栄えしますね。余談ですが弾体の飛翔速度は4km/分(時速240km)らしい。


89式装甲戦闘車
 
去年の総火演にて89式装甲戦闘車の写真を殆ど撮ってなかったので、今年はその辺を反省しながら撮影。土を巻き上げながら前進しつつも35mm砲は標的をロックオンしてる場面などパシャリ。


AH-1S                    OH-6D

攻撃ヘリと観測ヘリがペアで行動している1シーンですが、どちらも古い機種なのでこの絵だけ見ると昭和の陸自・航空科っぽく見えますね。


AH-1SによるTOW発射
 
AH-1Sと言えば8月17日の総火演の訓練中にトラブルが起こって不時着した事件がありましたね・・・ 陸自におけるAH-1Sの歴史を調べると昭和54年〜平成12年にかけて合計92機が調達され、
2015年3月時点での保有数は60機との事。後継機であるAH-64Dの調達が打ち切りになってしまったので今後も暫くは最前線で頑張る訳ですが、古い機体なので無茶せずに運用してほしいですね。


30mmチェーンガンを発砲中のAH-64D
 
去年と同じく30mmチェーンガンを発砲。AH-64Dの主兵装とも言える「AGM-114 ヘルファイア」の発射シーンを総火演で見られる日はいつになるんでしょうか・・・?


87式自走高射機関砲
 
強力な35mm砲を装備してるので水平射撃でも十分な戦闘力を発揮しますが、本来は対空機関砲なので対空仰角で派手に連射してる場面を見てみたいですね。(北海道の静内駐屯地祭で見られるらしい?)


74式戦車

1974年の制式化から既に43年が経過し、確実に退役が近づいている74式戦車。という訳で今回も多めに写真を撮影しました。


可変サスペンションによる前傾姿勢の披露など
 


105mmライフル砲を発射・・・した直後

う〜ん、相変わらず発射の瞬間が上手く撮れない・・・ 自分の撮影技術の未熟さが悔しい。


進撃する74式戦車

進撃する74式戦車をパシャリ。よく見るとこの個体はアクティブ赤外線暗視装置を装備してますね。


90式戦車
 

 
現在の陸上自衛隊・機甲科において最大重量を誇る戦車なので走る・曲がる・撃つ・ブレーキをかけるなど1つ1つの動作がヘヴィーな所が魅力。


10式戦車
 
74式や90式の主砲射撃シーンは全然撮れませんでしたが、10式は何とか撮れました。と言ってもそんなに綺麗に撮れてませんが・・・・


16式機動戦闘車
 
去年は展示のみだった16式機動戦闘車ですが、今年は軽いデモ走行を披露しました。個人的な感想としては「サスペンションが柔らかそうで主砲射撃時の衝撃を吸収してくれそう」という感じです。


AAV7

個人的に最も注目してる新装備であるAAV7もデモ走行を実施。ずんぐりした車体ですが予想以上に軽快な運動性能を披露してて驚きました。
今回のAAV7ですが「去年の装備品展示のモデルとは細部が違うなー」と思って確認したらEAAKと呼ばれる追加装甲キットを装備してますね。


正面から

横幅に対し全高が高く、砲塔も出っ張っているのでずんぐりとした特徴的なシルエットです。そして水面を航行するという点も考慮するとビーバーみたいな印象。


水陸両用車ゆえの独特なデザイン

2018年に創設される「水陸機動団」に配備予定のAAV7。オペレーションの際には海自の「おおすみ型輸送艦」及びLCACから発進する事を想定している様です。


空挺降下
 

 
去年は悪天候で中止となった空挺降下も今年は無事に実施。アナウンスによると高度1200mでCH-47からジャンプし、900mでパラシュートを展開してそのまま降下。空挺隊員達が華麗なジャンプを披露してました。


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