明野駐屯地 開設64周年 航空学校 創立67周年 航空祭
2019.11.3


今回は陸上自衛隊の「明野駐屯地 開設64周年 航空学校 創立67周年 航空祭」の見学リポートをお送りします。実は自分にとって今回の明野駐屯地祭は
【観艦式の代替イベント】という意味もあります。本来なら10月に観艦式が行われる予定であり、海自ファンの自分としてはこのビッグイベントに参加すべく応募。
「全国的ですもんね。乗るしかない、(4年振りの)このビッグウェーブに!」と意気込んでいたんですが残念ながら落選。それでも諦め切れず「せめて当日横須賀に
行って全国各地から集結した自衛艦の勇姿を眺めようかな」などと考えていたのですが、台風19号の影響により観艦式そのものが中止という最悪の事態に。

大規模災害なので仕方がないとは言え海自ファンとしては非常にショッキングな展開であり暫くは心にぽっかりと穴が開いた様な状態でしたが、気持ちを切り替えて
他の自衛隊イベントを検索すると今回の明野駐屯地航空祭を発見。自宅からかなり遠い場所なので少し迷ったのですが、明野駐屯地は陸自ヘリ部隊の聖地として
有名だけどまだ未見学だった事、そしてOH-6のラストフライトが行われるとの事で【中止となった観艦式の代替に相応しいイベント】として参加を決意した次第です。


三重県へGo!
 
今回のイベントは3連休の中日なので余裕を持って行動すべく前日の10時に自宅を出発。高速は使わずのんびりと国道19号や1号を走りながら三重県を目指します。
途中の四日市市にてご当地グルメとして有名な四日市とんてきを頂きました。厚切りの豚肉に濃い目のソースが絡んだとんてきは正に絶品です。どうもご馳走様でした。

そして24時過ぎに目的地である伊勢市に到着。片道350km以上あり、しかも名古屋周辺で渋滞に嵌って大幅に時間をロスするなど予想以上に過酷で疲れました・・・


いざ明野駐屯地へ!
 
日付が変わって11月3日、いよいよ行動開始です。最寄りの明野駅から無料シャトルバスが出ておりそのまま駐屯地まで連れてってもらえました。ありがとうございます!


初めての明野駐屯地
 
おぉ、これが明野駐屯地か。広くて立派な飛行場を備えてて正に陸自ヘリコプター部隊の聖地って感じだな!
初めて明野駐屯地を訪れましたが広々とした飛行場に大感激です。草木ではなくコンクリートで綺麗に舗装された様子は「陸自の駐屯地」というイメージを覆してくれますね。


管制塔や格納庫など
 
明野は陸自の駐屯地ですがヘリコプターの運用がメインなので管制塔、格納庫、レーダーなどが多数備わっており、まるで空自の基地の様な不思議な感覚です。


オープニングセレモニー
 
音楽隊による演奏や空自T-4のよる飛行展示により明野駐屯地航空祭が華々しくスタートです。音楽隊の背後の青いTH-480が良いコントラストを演出してますね。


ヘリコプター部隊がメインの駐屯地らしい大規模な祝賀編隊飛行を実施 (10:30頃)
 
圧倒的多数のヘリコプターによる編隊飛行の迫力は勿論ですが、個人的に印象深かったのが陸自唯一の固定翼機であるLR-2の飛行シーンを見学出来た事です。
LR-2の存在自体は知ってましたがこうして実機を見たのは今回が初めてかも。2019年時点での保有数は8機というレア機です。木更津駐屯地から来たっぽい?

さて、こうして始まった明野駐屯地航空祭ですが画像を見て分かる様に場所取りに失敗して思う様に上手く写真が撮れませんでした。
明野駐屯地に来るのは初めてだったので会場内の様子や飛行スケジュールなどが分からず、気が付いたら最前列の有利な撮影ポジションは全て埋まっていました・・・
しかもヘリコプターの飛行展示がメイン=高度が低い演目が多いのでカメラのAFが前の人の頭にピントを合せてしまい、これまた不利な撮影状況となってしまいました。
更にレンズの焦点距離が足りなかったりシャッター速度の設定が不適切だったりと細かいミスも重なり結構難しい撮影環境でした。来年以降の改善課題としたいですね。


陸自のヘリコプター戦力が明野の空を埋め尽くす! (10:40頃)

上述の撮影環境の不遇もありましたが何とかヘリコプター部隊の大編隊を撮影。総勢23機という大編隊でありヘリ部隊を主とする明野らしい迫力ある光景です。
ちなみに内訳はTH-480×4機、AH-1S×7機、UH-1×6機、UH-60×3機、OH-6×1機、CH-47×2機となっています。OH-1やAH-64は不参加っぽい。

余談ですが今回の明野航空祭のキーワードはYSHR(ヨッシャー)です。「Years Showa-Heisei-Reiwa」の略で、「昭和→平成→令和と時代が移り変わっても
陸上自衛隊の航空部隊は変わらず飛翔し続けます」的な意味が込められてるそうです。心に響く良い理念だね。ヨッシャー! 自分もテンション爆上げで行くぜ!


会場を疾走する「ハヤテジュニア」
 
調べてみると明野駐屯地オリジナルのイベントチームらしい。AH-1Sがモデルでありその可愛らしさと抜群のチームワークでファンを楽しませていました。


スペシャルマーキング仕様OH-6D(#31308)によるラストフライト (10:50頃〜)
 
それではいよいよ明野航空祭のメインイベントとも言えるOH-6Dの飛行展示です。自分の撮影テクニックだとあまり上手く撮れてませんがどうぞー。


空飛ぶタマゴは金色の衣を纏い最後の空を駆ける

ラストフライトという事で金色を基調としたスペシャルマーキングが施されています。陸上自衛隊では1979年からOH-6Dの調達が開始され
来年2020年に完全退役予定なので活躍期間は実に40年! 機体側面には「40 YEARS 完」の文字が大きく誇らしげに描かれています。


最後までダイナミックに飛び回るオスカー

小型軽量で高い運動性能を誇るOH-6らしくダイナミックな飛行展示が次々と披露されます。写真は急降下するOH-6と旅客機の2ショットと捉えた1枚。


コンパクトで合理的な設計の傑作小型ヘリコプター

1960年代にアメリカ軍の軽観測ヘリコプター(LOH)計画によって誕生したOH-6。あれから50年以上経過してますが未だに見劣りしない優秀な設計&デザインです。


OH-6の最後の勇姿を目に焼き付けよ!

ラストフライトという事で次々とアクロバティックな飛行を披露するOH-6ですが、自分の撮影テクニックが追い付かず上手に撮れないのが悔しい・・・


これにて任務完了!

数々の飛行展示を終えたOH-6は最後に会場を横断。機体右側面及び下部に描かれた特別メッセージ(後述)を披露してラストフライトを一旦終えました。


途中からOH-1が参加し世代交代式を実施
 
新旧の偵察ヘリが並んでホバリングし互いに向き合って一礼(ピッチダウン)を行うなど素晴らしき演出を披露。世代交代の場に立ち会えた事は非常に光栄でした。
そしてこの光景を見て「交錯するオスカーとオメガ・・・ これぞ正にOO(ダブルオー)! 俺が、俺達が偵察ヘリコプターだ!」と意味不明な興奮をしてしまいました。


4年振りに空を駆けるニンジャ
 

 
「引退するOH-6先輩に代わって今後は僕が日本の空を見守り続けます!」と言わんばかりにダイナミックな飛行展示を行うOH-1 ニンジャ。2015年の事故により長らく
飛行停止措置が続いていましたがそれも解除され4年振りに飛行を披露。急上昇&急降下、反転、螺旋降下など高度な飛行ポテンシャルを存分に見せつけてくれました。


第10飛行隊や第13飛行隊など4機のオスカーによるファイナル・フォーメーション
 

 
今度は第13飛行隊(防府分屯地)に所属する2機(#31304・#31306)も加わり4機のオスカーによるファイナル・フォーメーション・フライトが実施。
残存数が少ないOH-6だからこそ「最後は他駐屯地の飛行隊と共演したい」という想いでしょうか。熱い友情オペレーションに大いに感激いたしました!


ラストフライトを飾るOH-6Dからのメッセージ

OH-6ラストフライトのフィナーレとしてスペシャルマーキング機(#31308)が会場を横切りつつ機体下部に描かれた特別メッセージを披露。
「COMPLETE MISSION GOOD DAY!!」 日本語訳としては「これにて任務完了! 今日は素晴らしい日だ!」といった感じでしょうか。
40年間に及ぶ観測&偵察任務お疲れ様でした! そして多くの感動をありがとうございました!


航空自衛隊による飛行展示
 

 
航空自衛隊からはT-7、C-130、F-4などがフライパス参加。組織は違えど共に空を活動の場とする者同士なので陸自と空自の連携は心強いですね。


災害救助訓練
 
こちらは「災害等によって倒壊寸前の家屋に取り残された被災者を救助する」という内容の訓練です。つい2週間前の台風19号で千曲川の堤防決壊により
(間接的に)被害を受けた長野県民の自分としては絶妙にリアルで現実感のある内容です。あの時は救助に尽力していただき誠にありがとうございました。

今回の訓練展示で注目だったのが右画像のドローンです。自衛隊のドローンを見るのは「熊谷基地・さくら祭」に次いで2回目ですがこちらは別の機種ですね。
上述にて「OH-6が退役しこれからはOH-1が偵察任務の主力となる」的な事を書きましたが、ケースバイケースでこういう小型ドローンも活躍する事でしょう。
ちなみにアナウンスによると今回ドローンを操縦していたのは第33普通科連隊(久居駐屯地)の隊員さんとの事。今後機会があれば是非訪問してみたいね。


現地に急行し捜索隊員をラペリング降下させるUH-1J ハンター
 

 
1950年代末に登場しベトナム戦争ではヘリボーン戦術の有用性を証明したUH-1シリーズ。時代が移り変わってもその魅力は健在です。


家屋に取り残された被災者をホイストで救助するUH-60
 
2週間前の台風19号における救助活動では正にこれと同じ状況であり、あの時の光景は鮮明に記憶しています。改めて自衛隊の災害派遣活動には感謝しております。


車両や物資を空輸するCH-47
 
その大きな積載能力を活かして災害派遣のみならず様々な場面で活躍するチヌーク。画像の様に車両を丸ごと輸送出来る事は大きなメリットですね。


上述した通り2週間前の台風19号において千曲川の堤防が決壊し周辺地域が水没。自衛隊が全力で救助活動を行ってくれた事により被害を最小限に抑える事が出来ました。
ミリタリーファンとして、そして長野県民としてこの場を借りてお礼を申し上げます。災害救助に尽力していただき本当にありがとうございました。



明野レインボー


明野の空を美しく彩るヘリコプターによる異機種大編隊
 
明野駐屯地航空祭における目玉イベントの1つがこの「明野レインボー」です。これは同駐屯地の航空学校の教官達によるヘリコプターでの異機種編隊飛行です。
その歴史を調べてみると昭和47年(1972年)に3機のOH-6Jによる飛行展示から始まり、その後「明野レインボー」と改称して今年で43年目を迎えるそうです。
明野レインボーは今回初めて見学しますが、TH-480、AH-1S、UH-60という外見も飛行特性も異なる3機種が異機種編隊を組んで飛ぶ姿はインパクト大です。


陸自ヘリパイロットを育成する蒼き雛鳥
 
元々は「エンストロム 480」という機種で、陸上自衛隊では2013年から「練習ヘリコプター TH-480B」として運用されています。鮮やかな蒼いボディーが美しい。
実はTH-480を見るのは今回が初めてです。機体は一般的な形状ですが驚くほど細いローター・マスト、スケルトン構造のガードなど細かい部分で個性的ですね。


令和になっても日本の空を守り続ける老蛇

陸上自衛隊がAH-1Sの導入を開始したのが昭和50年代後半なので、昭和→平成→令和を生き抜いてる正しくヨッシャー(YSHR)を体現してる機体です。
近年ではじわじわと退役が進んでおり後継機問題(AH-64D調達中止)もハッキリ解決していませんが、だからこそこうして今の姿を撮っておきたいですね。


日本各地に棲息する毒ヘビの分布が変化中・・・?

今回の機体(#JG-3465)はどこから来たのかと思い機体をよく見てみると「IIIATH」と書いてあったので第3対戦車ヘリコプター隊(目達原駐屯地)から来た模様。
目達原駐屯地(佐賀県)と言えばAH-64Dが配備されてる事で有名です。今後AH-1Sの退役が進むにつれ対戦車ヘリコプター隊の編成も変わっていくでしょうね。


ホバリングしつつ20mm機関砲を敵に向けて照準

コックピット前席のガンナーのヘルメット型照準装置と連動して20mm機関砲が上下左右へグイングインと動く様子は見てて楽しいですね。


エグイ角度で獲物を攻撃するコブラ

十分な高度まで上昇した後に大胆な角度でのピッチダウンで急降下を披露するコブラ。地上から見学・撮影してる我々がコブラの機体上面を見る事が出来る
角度ってかなり凄い事ですよ! この角度と光景は初めて見るかも! 「明野駐屯地は陸自ヘリ部隊の聖地」と言われるに相応しい素晴らしき展示内容です。


TH-480Bによる抜群のフォーメーション・フライト

航空学校の教官達が操縦する4機のTH-480Bが綺麗なダイヤモンド隊形を描きながら会場を通過。ヘリコプターの編隊飛行って珍しいので見応えがありますね。


ベテラン教官達による華麗なる蒼き舞いを見よ!

上述の通り自分にとってはTH-480自体がほぼ初見の機体なので、こうやって編隊を組んで飛ぶ光景はより強く印象に残り、そして大きな感銘を受けます。


ブ○ーイン○ルスには負けないぜ!な意気込みを感じさせる陸自の曲芸ヘリコプターチーム

自衛隊の曲芸飛行チームと言うとブルーインパルスが有名ですが陸自の曲芸飛行ヘリコプターチームも負けてはいません。ヘリコプターの構造や飛行特性故に
やや地味になってしまう部分もありますが、操縦が難しいとされるヘリコプターでここまでの編隊飛行や曲技を披露している点は大きく評価すべきだと思います。

余談ですが同じくTH-480Bで編制された「ブルーホーネット」という曲芸飛行チームが北宇都宮駐屯地に存在するらしいですね。それもいずれ見学してみたい。


UH-60JAもダイナミックな飛行展示を披露
 
上述のコブラと同じくコチラも急上昇、急降下、螺旋状に旋回しながらの移動、車輪を滑走路にタッチ&ゴーさせるなど見応えのある飛行を次々と披露してくれました。


10トン近い重量級の機体が豪快に空を駆ける姿は正にアンビリーバボー!

ロクマルは機体サイズが大きくて重量もあるので派手な機動は難しいという先入観があったんですが今回の展示飛行ではそれを払拭するかの如く
パワフルで迫力ある飛行を披露しUH-60JAに対するイメージを劇的に向上させてくれました。ロクマルは素晴らしいポテンシャルを持ってますね。


明野レインボー、それはまるで秋の芸術祭である
 

 
これにて「明野レインボー」の飛行は終了。今回初めて明野レインボーを見学しましたがスゴく凄い面白かったです!形状や飛行特性が異なる機種での編隊飛行、
機体のポテンシャルを最大限に引き出したダイナミックな飛行展示、各機の魅力を巧みに伝える陸自のプレゼンテーション企画力などあらゆる面で非常に新鮮で楽しい展示でした。



その他の展示など


CH-47による地上滑走試乗(体験飛行)
 
D格納庫にて試乗券600枚分が先着順で配布されるという流れだったのですが、自分が行った時には試乗券はほぼ配布終了してて乗れませんでした・・・

他にも様々な催しがあったんですが多過ぎて全部は紹介出来ないので割愛。初めての明野駐屯地は初めて見る物ばかりで大いに楽しませてもらいました。


ギリギリまでイベントを楽しんだ後に会場を離脱 (15:00過ぎ)
 

 
展示された各種装備品が帰投するのに合せて自分も会場を離脱。最後になりましたが明野駐屯地の正門をパシャリ。歴史を感じさせる「航空学校」の表札が渋い。

これにて明野駐屯地航空祭は無事に終了。「陸上自衛隊・ヘリコプター部隊の聖地」と言われるだけあってヘリコプター好きには大満足の素晴らしいイベントでした。
COMPLETE MISSION GOOD DAY!! Thank You! JGSDF CAMP AKENO!


ほんの少しだけ伊勢市を観光
 
遠路はるばる伊勢市まで来たので伊勢市駅周辺をブラブラ。伊勢市と言えばやはり伊勢神宮が有名です。そう言えば20年くらい前に家族旅行で伊勢神宮に行った事がありますね。
ミリタリーファン的な視点で見るとひゅうが型護衛艦の2番艦「いせ」及び帝国海軍の航空戦艦「伊勢」の由来として有名かな。時間が無くて全然観光出来なかった事が惜しいです・・・

夕食として有名なご当地グルメである伊勢うどんをチョイス。ぐでぐでになるまで煮込まれた柔らかい饂飩と濃厚なつゆが絡み合う個性的な逸品です。美味しく頂きました、ご馳走様。


こうして明野駐屯地航空祭&伊勢市観光を終え17:30に現地を出発。幸いにも翌日も休みなので再び国道23号〜1号〜名古屋市内〜19号など下道をノンビリと走りながら帰投。
帰宅したのは翌日10:00頃、累計走行距離は700kmを超えててビックリしました。意外と遠いんだな・・・ そして今回撮影した写真は約2750枚でした。かなり撮りましたねー。


今回の戦利品

現地では売店が少なくて殆どグッズを入手出来なかった事が残念。そして「OH-6の最後の勇姿を記憶に刻む事」が主目的だったので「OH-6が活躍する映画」も入手。
個人的にお薦めなのが「アウトブレイク」です。突如発生した新種の殺人ウイルスに対してワクチンを開発すべく米陸軍感染症医学研究所やCDCが奮闘する映画です。
劇中ではダスティン・ホフマンやキューバ・グッデイング・JrがOH-6に搭乗、その小型・機動性を最大限かつトリッキーに活かして大活躍する映画なので未見の方は是非。


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