海上自衛隊 舞鶴サマーフェスタ2018 「北吸岸壁・艦艇一般公開」
2018.7.21
午前中は航空基地でヘリコプターを楽しみ午後は北吸岸壁で艦船を楽しむ。双方の基地が近いので両方楽しむ事が出来るのが舞鶴サマーフェスタの魅力です。
シャトルバスで再び北吸岸壁に戻ってきました (13:45頃)
38度の倒れそうな日! 炎天下の基地 Let's Go! Play Festa! せーので歩き出す!
夏バテした身体を昂らせてぇぇ! 焼きつけ 艦の甲板にぃぃ! もっと私の想いぃぃ!
後でニュースで知ったんですが
この日の舞鶴の気温は38.2度を記録し国内最高気温地点
だったらしい。ポカリ飲んで海に飛び込みたい気分だよ。
本日の北吸岸壁における艦船の停泊状況案内
今年から停泊状況案内板が新しくなってますね。見取り図がリニューアルされ各艦艇の写真も紹介されてます。毎年基地を見学する事によってこういう小さな変化を発見するのも密かな楽しみです。
それと艦隊これくしょんのイラスト(隊員さんの手描き?)が飾られてたり艦これのウチワとかも配布されてました。(ただ自分はハイスクール・フリート派なので艦これにはあまり興味ないですね・・・)
2週間前にはロシア海軍の艦艇が舞鶴基地に寄港
余談ですが7月5〜10日にかけてロシア海軍が海上自衛隊と共同訓練を行う為に舞鶴基地・北吸岸壁に寄港しました。
寄港したのは「アドミラル・トリブツ」「アドミラル・ヴィノグラードフ」「ペチェンガ」の3艦で一般公開も行われたそうです。
出来れば見学したかったのですが日程の都合で諦めざるをえず・・・ いつかどこかでロシア艦も見学してみたいですね。
「DDH-181 ひゅうが」
舞鶴基地における旗艦と言える存在である「ひゅうが」。やはりその存在感は圧倒的で今回の舞鶴サマーフェスタで一番人気の艦だったかも。
2009年に就役し当初は横須賀基地に配備、その後2015年に舞鶴基地に配置転換となっています。舞鶴基地のボスとして長年君臨してる印象でしたが意外と日が浅いんですね。
格納庫や飛行甲板が一般公開され多くの見学客で賑わっていました
「ひゅうが」は就役から9年目ですが未だに艦内を見学した事がないですねー・・・ 今回もスケジュールの都合で見学せず。そろそろいい加減に見学&リポートしないと。
「DDG-175 みょうこう」
「ひゅうが」と人気を二分していた「みょうこう」。一般公開は勿論、127mm砲やCIWSの動作展示等も行われていました。
よく見るとダメージコントロール用の消火パイプを使って打ち水をしています。こういうユニークな発想の展示が面白いです。
実は舞鶴基地における最古参
「こんごう型」の3番艦として1996年に就役して以来、一貫して舞鶴基地を母港としている「みょうこう」。実は
舞鶴基地における最古参艦(配備22年)
です。
「まつゆき」「あさぎり」「せんだい」など古い艦は何隻も存在してますがそれらは後年に配置転換で来た艦であり、最も長く舞鶴基地に配備されている艦がこの「みょうこう」なのです。
いつまで経っても色褪せない力強いデザインを誇る船体
イージスシステム搭載艦として、そして某仮想敵国に対する最前線基地である舞鶴基地において「あたご」と共にMD防衛の要として未だに重要な存在である「みょうこう」。
上述通り今年で艦歴(舞鶴基地配備)が22年目を迎えますが、今後も近代化改修やバージョンアップ等を繰り返しながら最前線で戦い続ける筈です。更なる活躍に敬礼!
※ちょっと老艦になりつつある「みょうこう」ですが最近可愛い妹が誕生しました。7月30日に進水した「DDG-179 まや」です。今後のイージス艦姉妹の活躍に期待ですね。
「AOE-425 ましゅう」
基準排水量的に見れば「ひゅうが」に匹敵する巨艦である「ましゅう」。撮影ポイントの関係もあり艦の全体像がフレームに収まらない事が多いです・・・
本日の「ましゅう」はよく見ると喫水がかなり浅いです
喫水線下の普段海面に露出しない部分まで結構はっきり見えてます。他艦への補給物資は勿論、自艦の物資や燃料等もあまり積んでない状態なのかもしれませんね。
「PG-824 はやぶさ」
今回の舞鶴SFにおいて舞鶴航空基地(SH-60K)と並んで個人的に最優先見学対象と考えていたのがこの「はやぶさ型」です。艇の基本情報について改めてチェックした際、
平成33年頃に退役予定
という情報があり「えぇ!? あと数年で退役じゃないか! その前にじっくり見学しなければ!」という事で今回は重点的にリポートします。
高速性能を追求したシャープな船体
海上自衛隊においてミサイル艇は「高速戦闘艇」というコンセプトで開発されました。足が速く小回りが利く艦艇で沿岸地域を警備・防衛し不審船などに対応する事が目的です。
かつての海上自衛隊では「魚雷艇」を運用してきましたが、時代の変化に伴い新しい艦艇を建造する事が決定。1993〜95年にかけて「1号型ミサイル艇」が建造されました。
しかし「1号型ミサイル艇」は船体が小さ過ぎ&水中翼船という特殊な構造の為に運用上の問題が続発。これらを解決する為に新たに建造されたのがこの「はやぶさ型」です。
02〜04年にかけて6隻が建造され舞鶴・佐世保・余市の3基地に配備。ここ舞鶴には第2ミサイル艇隊に「PG-824 はやぶさ」と「PG-828 うみたか」が配備されています。
小さな船体に詰め込まれた充実の装備と機能
「はやぶさ型」の基準排水量は200トンであり海自の戦闘艦の中では最も小さい(?)ですが、ガスタービンエンジンを3基搭載という大きなパワーウエイトレシオ、
ウォータージェット推進による44ノットの高速航行、大型艦すら撃沈可能な90式SSMを搭載など小さな船体に個性的な特徴が凝縮されている点が魅力です。
シンプルな艦橋構造物
基準排水量200トン、乗組員21名というコンパクトな艇なので艦橋構造物も2層でドアも右舷側のみというシンプルな造りです。
個人所有するならこれ位のサイズが丁度いいね。
優れた知覚で敵を追い詰める隼
航海用レーダーのOPS-20やOPS-18、射撃管制用のFCS-2、衛星通信用アンテナなど小さな船体に作戦に必要な各種電子機器が所狭しと並んでいます。
3つの心臓を持つ隼
主機関としてゼネラル・エレクトリック製(IHIによるライセンス生産)のLM500ガスタービンエンジン(出力:5400馬力)を3基装備、合計出力は16200馬力にもなります。
基準排水量200トンで16200馬力というパワーウエイトレシオが凄いですね。(と言ってもエンジン出力が速力に直結する訳ではないので一概には評価できませんが・・・)
最大の特徴であるウォータージェット
海上自衛隊の艦艇の中で最速の44ノットを誇る「はやぶさ型」。その要となっているのが三菱重工製のウォータージェット推進器「MWJ-900A」です。
ガスタービンエンジンに接続されたウォータージェット推進器が海水を吸入・噴射して推進力を得る仕組みです。推進器は左右に可動する様になっており
ダイレクトに水流の向きを変える事によって旋回を行います。またバケットを開閉する事により水流を逆噴射させて急減速及び後退させる事も可能です。
いや〜、ウォータージェット推進って独創的で見てて本当に面白いですね。あと数年でこのユニークな推進装置が見られなくなるというのが実に惜しいです。
それでは乗艇して細部を見ていきましょう
76mm砲は多くの海自艦艇に搭載されていますがこの角張ったステルス型砲塔を装備してるのは「はやぶさ型」だけなので大きなアピールポイントと言えます。
艦橋構造物内部の様子
こうして「はやぶさ型」の艇内をじっくり見るのは
5年振り
かな。基準排水量200トン、乗組員21名というコンパクトな艇ですが、自衛艦らしく合理的で質実剛健な作りとなっています。
艦橋直下には士官室(左から2枚目画像)があり、更にその下には科員室や食堂(右端画像に出入口ハッチがちょっと写ってます)があるみたいです。よく考えられたレイアウトですね。
艦橋
最速44ノットで航行する「はやぶさ型」では乗組員は着座勤務が基本であり、手の届く狭い範囲に機器が集中しています。なので一般の護衛艦と比べて密集した環境(艦橋)が特徴です。
操縦席
「はやぶさ型」の特徴と言えるのがこの両手グリップ型のハンドル。船の操舵輪というよりも飛行機の操縦桿っぽいデザインで格好いいですね。
スロットルレバーやダメージコントロールパネルなど
一般的な護衛艦と同等の機器が並んでいますが、スロットルレバーに関してはウォータージェットの操作(バケットの開閉など)をする都合上、やや特殊な作りみたいです。
ハイテクなデジタル機器によるアシストもバッチリ
「はやぶさ型」は小型なので目視や直感で体感的に操艦出来そうだと錯覚しますがそんな事はありません(笑) ちゃんとレーダーやGPS等のデジタル的な補佐もしっかり備わっています。
全員着座での勤務が基本らしいので左右の見張り員も着座です
一般的な自衛艦の見張り員は露天甲板のウイングで日光や雨風に晒されながらの勤務だと思うので、そう考えると「はやぶさ型」の勤務環境はやはり特別ですね。
ちなみに画像に写ってる青と赤の2色カラーのシートは「艇長席」となっています。そしてざっと確認した感じだと艦橋内のシートの数(つまり勤務人数)は10席っぽい。
01甲板 露天部
「はやぶさ型」は小型の艇ですがチャフ発射機、ブローニングM2銃架、射撃管制装置、レーダーなど任務遂行に必要な装備が所狭しと並んでいます。
余談ですけど艦橋内は冷房が効いており更に冷気が逃げない様に通路ハッチにはビニールシートが張られていました。見学者に優しい配慮ですね。
広報活動に熱心な「はやぶさ」
「幹部になる為の近道について」とか「火災時における適切な消火ホースの選び方」とか「嫁に内緒でパチンコに行く方法」とか「DBの身勝手の極意の考察」とか
真面目なものから遊び心溢れるものまで様々なコミュニケーション企画が行われており、小さい艦艇だからこその自由でアットホームな雰囲気が感じられました。
複合型作業艇
臨検などで使われる複合型作業艇です。小型艇である「はやぶさ型」に更に小さい作業艇が搭載・運用されているという点が何だか不思議な感覚です。
90式艦対艦誘導弾
「はやぶさ型」の主兵装でありミサイル艇の由縁でもある90式艦対艦誘導弾(SSM-1B)です。1990年代後半以降に建造された護衛艦における標準的な対艦装備となっています。
「むらさめ型」「あたご型」「あきづき型」など多くの搭載例がありますがそれらは02甲板などの高くて見えづらい位置に搭載されているので、こうして間近で見学できる機会は貴重です。
「はやぶさ」の見学を終えて・・・
ウォータージェット推進を筆頭に個性的な特徴やデザインが魅力である「はやぶさ型」。今回のイベントではその魅力を大いに堪能・体感させてもらいました。
上述の通り数年後には「はやぶさ型」の退役が始まります。「海を駆ける隼/鷹」の姿を見られるのもあと僅かなので可能な限りその勇姿を追いかけたいです。
「DD-130 まつゆき」
「まつゆき」は舞鶴サマーフェスタには参加せずJMUのドックで整備中でした。もう結構な老艦なので入念にメンテナンスを行う必要がありますからね。
「DE-232 せんだい」 「MSC-681 すがしま」 支援船など
これらの艦艇はイベントに参加する事無く別途メンテナンス中。「すがしま」は昨晩美味しいカレーを頂いてお世話になった艇ですね。どうもご馳走様でした。
タグボートの体験乗船(事前申し込み制による抽選)なども実施
イベント前の時点では「タグボートなら・・・ 別に乗らなくてもいっか」と未応募だったんですが、いざ実物を見たら自分も応募しておけばよかったと後悔したり。
小さな働き者たち
イベントを安全かつスムーズに進める為に湾内を巡回し警備&展示航行を行う艦艇たち。ちなみに左画像のゴムボートは舞鶴水中処分隊(M-EOD)の所属みたいです。
将来的に海自が独自にタンカーを取得?
湾内を見渡すとタンカーが停泊してたのでパシャリ。そう言えば最近のニュースで「海上自衛隊が独自にタンカーを取得する事を検討中」という報道がありました。
何でも沖縄方面での活動に際して給油体制を強化する為だとか。太平洋戦争では補給を軽視して痛い目にあってるのでこういう後方支援の整備も重要ですね。
車両展示にも注目
艦艇だけでなく車両の展示を見るのも意外と面白いものです。左画像のトラックは舞鶴音楽隊の楽器運搬車です。荷台の舞鶴基地所属の艦艇の勇姿が格好良いですね。
陸自や空自による装備品展示
(時間が無かったのでじっくり見学しませんでしたが)ペトリオットや87式RCVなども展示。陸・海・空の3自衛隊の装備が集結した「統合任務部隊」(JTF)っぽい光景が良いですね。
と言うか個人的には装備品そのものよりも出向元(所属部隊)の方が気になりました。千僧駐屯地や饗庭野分屯基地など東日本在住の自分にとっては未知の基地ばかりなので・・・
グルメ&ショッピング
会場では海自カレーフェスタが開催され各艦艇・部隊のカレーが楽しめる様になっていました。しかし自分は酷暑で夏バテしてたので殆ど食べれず・・・ 無念極まりない。
その他
会場では可愛らしいマスコットキャラクター(?)が来場者を出迎えて楽しませていました。
しかし本日の気温は38度超。中の人は死ぬ程暑かっただろうな・・・
他には海上保安庁の展示コーナーなども。海自と海保は異なる組織ですが同じ海の平和を守る存在なので、今後は海保についての理解も深めたい所です。
自衛官に”必要なもの”
特別企画でドッグタグを製作・プレゼントしてくれるとの事だったのでウキウキしながら行ったんですが、年齢制限(※幼児〜学生のみ)があり作れませんでした。
そ、そうですよねー、自分みたいなミリオタのおっさんに作るよりも将来有望な若人に作った方がいいですよね(涙目) 調子に乗ってスミマセンでした・・・(反省)
そして会場には海上自衛官にとっての心構えである「五省」の言葉が。海自ファンとして、そして一人の人間としても心に刺さりますね〜・・・ 改めて自省せねば。
楽しい夏の思い出 舞鶴サマーフェスタ2018
これにて舞鶴サマーフェスタ2018のリポートは完了です。酷暑で夏バテしてしまい思い通りに行動出来なかった部分もありましたが、素晴らしき快晴の中で
護衛艦やヘリコプターの頼もしく力強い勇姿を見学出来て大満足のイベントとなりました。
舞鶴基地の皆様、どうもありがとうございました。
この後16:00過ぎに会場を離脱。当初はこのまま現地で車中泊して翌22日も舞鶴観光する予定でしたが夏バテで疲労MAXだったので大人しく帰る事にしました。
ちょっとだけ福井県を観光
幸い明日は日曜日で時間に余裕があるので軽く福井県を観光しながら帰る事に。道の駅・シーサイド高浜でゆっくり入浴して疲れた体を癒したりしつつ小浜市までやって来ました。
福井県ではご当地グルメとしてソースカツ丼が有名との事なので夕食はこれに決定、美味しく頂きました。(ソースカツ丼と言えば駒ヶ根市のモノも有名なので良きライバルですね)
福井県の海を守る海上保安庁
小浜市の港近辺をウロウロしてたら海上保安庁の施設や艦船を発見。海保の基地の所在地や艦船の種類には疎いのでこうして実際に見ると勉強になりますね。
夕食も済ませたのであとは帰るのみ。小浜IC→敦賀JCT→米原JCT→養老SA(休憩)→小牧JCT→駒ヶ岳SA(休憩)→岡谷IC(¥4870)で翌22日の8:45頃に帰宅。
今回の累計走行距離は約950km、撮影した写真は約1600枚でした。楽しい旅行でしたがとにかく暑くて夏バテしました。来年以降は何らかの暑さ対策を講じなければ。
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